IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 何ででしょうか、何故か執筆が進む……流し素麺のように……何ででしょ?




第53話 引キ寄セラレタ戦士達

 

 「なるほどな……それが『仮面ライダーゲンム クリエイターゲーマー』か」

 

 俺は今のイチカの姿を見てそう言う。クロトが変身するゲンムとはまた異なる姿だが、その強さは飾りではないと分かる。だってクロトから以前こいつの事聞いたし。こいつ倒すのは、クロトでも『HYPER MUTEKI GOD』が無ければ倒せなかったと聞いている。ただイチカが使っているあのガシャットの能力については聞いてなかった。しまったなぁ、聞いときゃ良かった。とにかく今は、こいつを追い払わなきゃな。

 

 「千冬さん、スコール。箒を呼んできてもらえますか?それと生徒教員全員に、決して第二アリーナに近づかないよう伝えて下さい」

 スコール「分かったわ、負けるんじゃないわよ!」

 千冬「気を付けろ、必ず生きて戻ってこい!」

 

 二人はそれぞれそう返事して、その場から離脱した。それを見送り、俺はイチカに向き直る。

 

 イチカ「クックックッ……遺言は済ませたか?」

 「バーカ、遺言書くべきなのはお前だろ?いや、自称神が遺言なんか書いたら格好悪いか」

 イチカ「その余裕、いつまで持つだろうなぁ?」

 「さあな。ま、やるだけやってみるさ。変身」

 

 《ブルーベリー》

 

 《ロック・オン》

 

 《ソイヤッ!ブルーベリーアームズ!侵食者・Hell Stage!》

 

 アーマードライダー零に変身し、紫炎を構える。一方のイチカは、相変わらず空中でふんぞり返ったままだ。何か策を隠してるかな?そう考えてイチカに攻撃しようとしたが、ここである事を思い出した。それは俺達がクロトとの共闘を終えて傷を癒していた時、箒がクロト達から聞いた事を俺に話してくれた。それによると、

 

 箒『イチカやノルンのようなバグスターは、クロト達が持つゲームガシャットの力ーーつまり、ゲームの力が無ければ倒せないんだ。私達の攻撃が奴等に通用しても倒す事が出来なかったのは、それが理由だ』

 

 そうだった、俺達の攻撃は奴等に通用しても、倒す事は出来ない。だってロックシードにゲームの力なんか無いから。絶望的じゃねぇか畜生。

 

 (こんな時、カンナがいてくれればな……)

 

 今現在、カンナは何やら準備があると言ってここにはいない。カンナなら何か策を巡らしてくれそうなのだが、生憎いつ戻るかも分からないので、それは期待出来ない。弱った弱った……

 

 イチカ「どうした?来ないのかよ?」

 

 イチカが痺れを切らしたのか逆に挑発してくるが、スルーを決め込む。不用意に突っ込んでボコボコにされるのはごめんだ。何か策は無いものかと考えてみたが、現状打開策は無いと言っても過言じゃない。となれば……

 

 「……一時的に追い払う、しかないか」

 

 そう結論付けて、俺は無双セイバーを腰から抜き、ガンモードにしてイチカ目掛けて撃った。ばら蒔かれた銃弾は勢い良く飛んでいき、イチカの胸に当たるーー

 

 

 

 

 イチカ「……下らねぇな」

 

 

 

 

 と思ってたら、なんとイチカに直撃というギリギリの位置で銃弾が止まってしまった。しかもイチカはそれを手で叩くだけで消し飛ばした。マジかよ……!?小手調べだけでとんでもない事が分かった。こいつ、やっぱり強い。

 

 イチカ「じゃあ次は、俺の番だな」

 

 そう言ってイチカか右手を上げた。すると、イチカの周囲に大量の銃火器が出現した。しかも全部の銃口が俺に向いている。嘘だろ!?

 

 イチカ「『God Mighty Creator IX』の能力……それは、武器生成。無限に武器を作り出す、まさに神たる俺に相応しい力だッ!」バッ

 

 上げていた手をイチカが俺に向けると、一斉に数多ある銃火器が火を吹いた。銃弾が雪崩のように俺に向かってくるが、俺は左手から蔦を伸ばして巨大なドームを作り、それら全てを防いだ。イチカは一瞬驚いていたが、すぐにニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

 

 イチカ「蔦か……植物なんてのはなぁ、燃やしてしまえば良いんだよッ!」

 

 今度は火炎放射機を大量に出現させ、ドーム状に張られた蔦を焼き始めた。流石に不味いと慌てて蔦のドームから脱出したところに、先程の銃火器がまた火を吹く。止まない銃弾の雨に、俺は紫炎や無双セイバーで弾を弾いたりするなどして直撃を避ける事しか出来ない。と、こんどは火炎放射機が襲い掛かってきた。

 

 「こなくそっ!」

 

 俺は咄嗟に蔦を伸ばして銃や火炎放射機を奪い取り、イチカに向けて銃弾や炎を放った。しかし、無双セイバーで撃った時と同じように、弾は弾かれ、炎は効いている風には見えない。自分で作った武器では、自分にダメージは入らないのか……厄介だな。と、今度は大量の剣が生成されて俺に放たれた。

 

 箒「任せろ牙也ッ!」

 

 とそこへアーマードライダーレオンに変身した箒が突っ込んできて、放たれた剣を数本叩き落とした。しかし焼け石に水で、まだ剣が大量に飛んでくる。

 

 「ああもう、面倒臭ぇ!箒、範囲技で切り抜けるぞ!」

 箒「分かった!」

 

 《ロック・オン》

 

 《一・十・百・千!》

 

 俺と箒はそれぞれ無双セイバーにオリーブロックシードとイチジクロックシードをロックし、

 

 《オリーブチャージ!》

 

 《イチジクチャージ!》

 

 カウントと同時に無双セイバーを振るった。俺の無双セイバーからエネルギーでできたオリジンが大量に放たれてイチカの剣と相殺されていき、箒の無双セイバーは振るう度に爆発を起こして飛んでくる剣を破壊していく。

 

 箒「切りがないなッ!」

 

 しかし絶える事なく飛んでくる剣に箒は痺れを切らして、背中から蔦を伸ばして剣を強奪して振るい始めた。

 

 「箒!蔦は駄目だ!」

 箒「え?どういうーーなッ!?」

 

 見ると先程の火炎放射機が箒が伸ばした蔦を剣ごと焼いていた。炎はみるみる内に蔦を燃やしている。箒は慌てて燃えている蔦を切り離して残りの蔦を引っ込ませた。

 

 箒「牙也!奴は一体何なんだ!?」

 「ほら、以前神童クロトの世界に行ったろ!?あの時クロトが話してた『イチカ』だよ、あいつは!」

 箒「イチカだと!?奴は向こうでクロト達が倒した筈じゃないのか!?」

 「以前クロノエグゼイドに盗まれたブルーベリーロックシードを媒体にして復活しやがったんだ!ようやくクロノエグゼイドが俺からロックシードを盗んだ理由が分かったぜ……恐らくノルン達は、俺のロックシードを悪用して、倒されたイチカを復活させる気だ!」

 箒「そんな事が……!?」

 イチカ「出来るのさ、俺の優秀な部下達ならなぁ!」

 

 俺達が顔を上げると、イチカが更に大量の武器を生成してふんぞり返っていた。

 

 イチカ「俺が生んだゲームのバグスターはな、俺と同じくらい頭が回るのさ!あいつらなら俺一人復活させるくらい簡単なんだよ!今度こそ復活して、神童クロトをぶっ潰してやらぁ!」

 「野郎……!どこまで脳内も性根も腐ってんだ……!」

 イチカ「お褒めの言葉ありがとうよ!」

 「褒めてねぇよ!」

 

 イチカはそう言って大量の武器を俺達に向けて飛ばしてきた。無双セイバーで全部弾いていくが、武器生成は止まる気配すらないな。このままじゃ……!そう考えていると、突如視界が白い煙に覆われた。

 

 「野郎、煙幕まで作れるのかよ!?」

 イチカ「ご名答」

 

 《キメワザ!》

 

 《Critical Sacrifice》

 

 突如電子音声が煙の中から響き、

 

 

 

 

 

 

 

 「が……っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 ガードの体勢を取る間も無く俺の体はガシャコンバグヴァイザーⅡ・チェーンソーモードで叩き斬られ、アリーナの壁まで吹き飛ばされて変身が解除される。そのまま俺は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「牙也ッ!」

 

 何やら電子音声が響くと、右手にガシャコンバグヴァイザーⅡを付けたイチカが煙幕ごと牙也を斬り裂いて吹き飛ばした。牙也はアリーナの壁に叩き付けられ、磔状態になる。まずい、早く牙也を助けないと……!

 

 《キメワザ!》

 

 《Critical Judgement》

 

 「ッ!?しまっーー」

 

 背後から電子音声が響き、慌てて防御体勢を取ろうとするが、煙幕の向こう側から極太のビームが放たれ、私の体を飲み込んだ。ビームによって大きく吹き飛ばされた私も、牙也と同じくアリーナの壁に叩き付けられ変身が解除された。私の体も磔状態だ。

 

 イチカ「他愛ねぇなぁ……もっと楽しませてくれよ……!」

 

 イチカはケラケラ笑いながら、ガシャコンバグヴァイザーをチェーンソーモードにして私に向けてゆっくりと歩いてくる。体を動かそうとしたが、腕が壁にめり込んで動かせない。最早これまでか……こんなところで、私は……!

 

 イチカ「さて、どうやって殺そうkーーあ?」

 

 突然私とイチカの間の上空に、あの闇を吐き出すクラックが開き、そこから大量の何かが落ちてきた。

 

 「人、形……?」

 

 よく見ると、どうやら全て人形みたいだ。種類も姿も豊富にあるのが分かる。

 

 イチカ「ハッ、なんなのか知らねぇけど、邪魔なんだよ!」

 

 イチカは突然降ってきた人形に驚きながらも、それらをチェーンソーで斬り裂いたり踏みつけたりする。人形の中の綿が辺りに飛び、地面を白くしていく。すると、クラックから更に誰かが出てきた。小柄な体型のその人は、黒いTシャツの上から黒いフード付きパーカーを羽織り、黒い短パンに黒いブーツ、更にその上からボロボロのローブを纏っている。その人は辺りに散らばる人形の残骸を見、そして目の前のイチカを見た。

 

 ??「……これ、貴方がやったの?」

 

 そうイチカに聞く。その声は女の子のようだが、声に感情が伴っていない。

 

 イチカ「ああそうさ、突然降ってきたから斬り裂いてやったよ!ああスッキリしたぜぇ……!」

 

 相変わらずケラケラ笑いながら喋るイチカ。と、

 

 

 

 

 

 イチカ「ごばっ!?」

 

 

 

 

 

 目の前にいた少女がいなくなったかと思うと、イチカが私がめり込んでいる壁の隣に吹き飛んできた。壁に叩き付けられてバウンドするイチカだが、すぐに立ち上がって辺りを見回す。

 

 イチカ「何処だッ!?何処にいやがる!?」

 

 しかし姿は見えず逆にまた吹き飛ばされた。斬撃を受けているのか、火花が散っているように見える。イチカはその後も空中コンボ攻撃を受け、地面に叩き付けられた。フラフラになりながらもイチカがなんとか立ち上がると、その前にあの少女が現れた。その目は明らかに怒気と殺気が混じったような感じだ。少女はその手に何やら異様な見た目の剣を出現させると、イチカに向けて構えた。

 

 ??「……私は貴様を許さない……私の大事な人形を傷付けて……生きて帰れると思うな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 気を失った牙也の近くに、また別のクラックが開いた。そこから整った顔立ちの少年が現れた。アリーナに降り立つと、ここが何処なのか分からないようで、キョロキョロと辺りを見回す。と、

 

 ??「ッ!?大丈夫ですか!?」

 

 ボロボロの状態で壁にめり込んでいる牙也を見つけ、壁から引っ張りだそうとするが、めり込んでいる為に動かせない。

 

 ??「仕方ない……こいつで!」

 

 すると少年は懐から何かを取り出した。それは変身ベルトのようだが、戦極ドライバーとは明らかに違う。それを腰に付け、次にチップのようなものを出した。それをベルトの左側の隙間に入れる。そして、

 

 ??「変身!」

 

 ベルトのレバーを引くと、少年の体がエメラルドの光に包まれた。数秒ほど少年を包んだ光はやがて消え、少年の姿はエメラルド色の全身に黄色のラインが走り、額付近に二本の角が伸びた姿となった。

 

 《STRIKE!OK!LUKE!BATTLE START!!》

 

 ??「仮面ライダールーク……さあ、ここからは俺のターンだ!」

 

 

 

 





 現在ヒグマチキンさんの『IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜』にてコラボ実施中。是非お読み下さい。

 キチンとルーク達のキャラを表現出来たのか心配……間違ってたらご指摘お願いします。


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