IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

114 / 174

 色々ゴチャゴチャしましたが、なんとか書き終わりました。




コラボ7 初恋ノ記憶(4)

 

 牙也達は、突然現れた謎のライダーに驚いていた。そのライダーは牛の頭を象った複眼にYの字に敷かれたレールのようなアーマーを身に付けており、ベルトのバックルは自動改札機のようにも見える形をしていた。そしてそのライダーはインベスを指差すなり、

 

 カルマ「最初に言っておきます……私は、かーなーり、強いですよ?」

 

 そう言うと、サーベルを肩に背負ってインベスの群れに向かって走り出した。サーベルと言うには大き過ぎる見た目の武器を、そのライダーは軽々と振り回してインベスを斬り裂いていく。

 

 箒「牙也、今の声は……!」

 牙也「ああ、アガレスだな。どうやら味方である事は確かなようだぜ、こうやってインベス討伐に力を貸してくれてるみたいだし」

 一夏「そうだな、俺達の味方ならありがたい。取り敢えずまずは、インベスを片付ける事から始めるか!」

 牙也「そうだな、話を聞くのはその後だ!」

 

 三人はそれぞれの武器を構えてインベスの群れに突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カルマが変身したライダーはサーベル型の武器を軽々と振り回してインベスを斬り裂いていく。次々とクラックから溢れ出てくるインベス達に多少驚きはするものの、飛び掛かってくるインベスを斬り捨て、打ちのめし、叩き潰した。その後ろからは牙也達がそれぞれの武器を思うままに振るってカルマの戦闘をサポートする。とそこへ、今までより一回り大きいクラックが複数開いた。

 

 カルマ「何か来ますね……!」

 

 カルマがそう予想して武器を構えた通り、

 

 

 

 

 

 『ブモオオオオオオ!!』

 

 

 

 

 

 クラックの中からイノシシインベスが勢い良く飛び出してきた。それも一体だけに留まらずなんと三体。

 

 箒「な……!?まずいぞ牙也、どうする!?」

 牙也「決まってるだろ……叩き潰すだけだ!二人ともこれを使え!」

 

 牙也はそう言うと一夏と箒にそれぞれ別々のロックシードを投げ渡した。

 

 一夏「これ何のロックシードだ?」

 牙也「使えば分かる!暴れられる前にさっさと片付けるぞ!」

 箒「分かった!」

 

 《ジャックフルーツ》

 

 《スイカ》

 

 《ロック・オン》

 

 《ジャックフルーツアームズ!巨・影・剛・球!》

 

 《カモン!スイカアームズ!大玉・ビッグバン!》

 

 《ヨロイモード!》

 

 牙也と箒はジャックフルーツアームズを、一夏はスイカアームズを纏った。そしてヨロイモードとなってそれぞれ武器を構える。牙也はハンマー、箒は大剣、一夏は双刃刀だ。

 

 カルマ「おお、大きくなりましたね」

 

 そこへイノシシインベスが鼻息を荒くしながら突進してきた。

 

 牙也「返り討ちだ!」

 

 《ジャックフルーツスカッシュ!》

 

 《スイカスカッシュ!》

 

 カッティングブレードでそれぞれのロックシードを一回切り、目の前に現れたジャックフルーツとスイカの形のエネルギーをイノシシインベスに飛ばす。飛ばされたエネルギーがイノシシインベスを動けないように固定し、

 

 

 牙・箒・一『ミンチ(真っ二つ)(微塵切り)にしてやる!!』

 

 

 三人は一気に接近して、ハンマーで叩き潰し、大剣で半分に斬り、双刃刀で滅多斬りにした。三体のイノシシインベスは鳴き声を上げながら爆発四散。

 

 カルマ「流石、とでも言いましょうか……私も負けていられませんね」

 

 武器を肩に背負ってそう言うカルマに下級インベスが襲い掛かる。しかし突然カルマの後方から銃撃音が響き、インベスが吹き飛ばされる。カルマが後ろを見ると、両手の銃口をインベスに向けながらデネブが走ってきた。

 

 デネブ「カルマ、大丈夫か!?」

 カルマ「ちょうど良いタイミングですね、デネブ!一気に片をつけます、力を貸して下さい!」

 デネブ「おう、任せろ!」

 

 デネブが後ろに立ったのを見てカルマはバックルからカードを引き抜くと、今度は黄色の面を正面に持ってバックルに再び差し込んだ。

 

 《Vega Form》

 

 変身時とは別の音声が流れ、アーマーはレールが敷かれたものから緑色の重厚なアーマーとなり、胸部にはデネブの顔が現れる。カルマの背中側に回ったデネブは両手をクロスさせてカルマの両肩に乗せる。と、デネブの体は一瞬にして漆黒のローブになって肩から踵までを覆い尽くす。頭部のレールからは半分こにされたドリルが走ってきて、顔の正面に来るとそれらが合体して回転、星型のフェイスを作り出す。そしてサーベルを一回転して地面に突き刺すと、周囲が陥没を起こした。牙也達がその様子を見ていると、静かにインベスの群れを指差しながら彼はこう言った。

 

 

 

 

 デネブ『最初に言っておく!この胸の顔は、ただの飾りだ!!』

 牙也「知るかボケ!!てかアガレスの筈なのにデネブの声がするんだが!?」

 カルマ「デネブ、この数を一度に相手するのは愚策です。一瞬で終わらせましょう」

 デネブ『あい分かった!』

 牙也「スルーすんな!!」

 

 

 

 

 牙也の鋭いツッコミをスルーし、デネブ(inカルマ)は武器のパーツを差し換えてボウガンにし、バックルの左上のスイッチを押す。

 

 《Full Charge》

 

 その音声と共にカードにエネルギーが充填され、それをバックルから引き抜き、デネブはボウガンのスロットに差し込んだ。ボウガンに先程カードに充填されたエネルギーが集まっていき、それをデネブはインベスの群れに向けた。下級インベスがそれを見て襲い掛かっていくが、それよりも早くデネブはボウガンのトリガーを引くと、ボウガンから何十本もの光矢が放たれてインベスの体を貫いていき、体を貫かれたインベスは体に黄色のVの字が浮かび上がって次々と爆発四散、後にはなにも残らなかった。

 

 デネブ『ふぅ……格好良く決まったな!』

 カルマ「ありがとうございました、デネブ」

 

 デネブがボウガンを下ろすとベルトが腰から外れて変身が解除され、元のカルマとデネブの姿となる。牙也達も変身を解除してカルマ達に走り寄った。

 

 牙也「アガレス、インベス討伐の手伝いしてくれてありがとう。お陰で助かったよ」

 カルマ「いえ、お気になさらず。私が自主的に参加しただけなので」

 箒「しかしアガレス。お前が使ったそのベルトは一体何なのだ?それにデネブ、お前は一体何者なのだ?」

 カルマ「それについてはまた後でお話します。それより今は……」

 一夏「今は?」

 

 

 グキュルルル~

 

 

 カルマ「……昼食を食べませんか?」

 箒「ごもっともだな。私達皆、まだ昼食を食べていないしな」

 牙也「俺は束さん達に報告してから行くよ。アガレス、そのベルトについて包み隠さず話してくれよ」

 カルマ「もちろん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラウラ「おお、ようやく終わったのか……って、アガレス!お前一体何処に行っていたのだ!?」

 

 牙也達が食堂に到着すると、ずっと待っていたのかラウラとシャルロットが駆け寄ってきた。ラウラに至ってはカルマを見るなりそう言って睨み付けた。

 

 カルマ「すみません、牙也さんが言っていたインベスというのがどんなものなのかついつい興味が沸きまして……」

 シャルロット「だからって勝手に動いちゃ駄目だよ!万が一何かあったら大変なんだから!」

 牙也「まあまあ二人とも、今回は俺に免じて許してあげてくれ。それに今回はアガレスに助けられたからな」

 ラウラ「助けられた?」

 一夏「ああ、アガレスさんも仮面ライダーに変身して、一緒に戦ってくれたんだ。でもアーマードライダーとは全然違ったなぁ」

 ラウラ「ほう、興味があるな。私達にも聞かせてくれ」

 

 その後牙也から報告を受けた千冬と束、さらにセシリアと鈴等いつものメンバーも食堂に来て、一同はカルマが変身した仮面ライダーについて話を聞く事にした。

 

 カルマ「あれはゼロノス。『仮面ライダーゼロノス』です」

 シャルロット「ゼロノス?」

 カルマ「初めてお会いした際に私は『時の流れを見回っていた』と言った事、牙也さん達は覚えていますか?」

 千冬「ああ、確かゼロライナーを使って時の流れを見回っているのだったな」

 カルマ「はい。そして時の流れを脅かす者ーー私達はそれを『イマジン』と呼びますが、そのイマジンが現れて時の流れに影響を及ぼし始めた時にイマジンと戦うのが、先程私が変身したゼロノスなんです」

 牙也「時の番人……って感じか?」

 デネブ「まあそう考えてくれれば良い。そしてカルマと俺は長年時の番人として共に戦うパートナーなんだ!」

 一夏「パートナーか……ところでアガレスさん、デネブさんって何者?」

 カルマ「デネブも先程言ったイマジンです。ですが時に影響を及ぼそうとするそこらのイマジンとは全く違いますよ、私と契約を交わしていますから」

 鈴「契約?」

 刀奈「カルマ様が変身するゼロノスは、カルマ様自身やデネブのオーラをフリーエネルギーに変換して変身するのよ。ゼロノスとして戦う為には、デネブの存在がある意味不可欠なのよね」

 楯無「時の番人として戦う為に時に干渉できるイマジンと契約……理に叶ってるわね」

 カルマ「はい。私から話せるのはここまでですが、何か他に聞きたい事があれば答えられる範囲で答えますよ」

 千冬「いや、充分だ。必要になったらまた聞く」

 

 そう言うと千冬は束と共に(半ば強引に)食堂を出ていった。

 

 牙也「しかし、ゼロライナーが通ってきたっていうレールがアガレス達をこの世界に導いたとしたら……その理由は何なんだ?」

 カルマ「大方イマジンがこの世界に入り込んだのかもしれませんが、今は断定出来ませんね。私もインベス討伐を手伝いますので、暫くの間ここにお世話にならせていただきます」

 一夏「よろしくお願いします!」

 

 その後は普通に遅い昼食を食べながら談笑した。なおその際、カルマと刀奈が結婚前提で付き合っている事をカンナのカミングアウトで知った楯無が血涙を大量に流してのたうち回り、牙也と簪のチョップで轟沈したのは余談だ。

 

 

 

 





 次回から本格的に動き出します(何がとは言わない)


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。