IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 描いてたら何故か牙也sideが早く決着がつきました。




コラボ6 飯テロ!(8)

 

 一夏「無限の料理術……二星微塵切り!!」

 

 二本の包丁を振るってドラゴーヤが吐いてくる火球を細切れにしていく一夏。一夏はさらにそれと平行して、ドラゴーヤの体のどこかにある弱点部位を目視で探している。しかしドラゴーヤが暴れに暴れるので、なかなか弱点部位を見つけられない。

 

 一夏「皆大丈夫か!?」

 春十「俺達は大丈夫だから、一夏は弱点を見つけるのに集中しろ!」

 

 一夏の声にサムズアップで答えて、春十は雪片弐型でドラゴーヤを攻撃する。ドラゴーヤが火球を放とうとすると、鈴がその顔に龍砲をクリーンヒットさせて邪魔をする。放とうとした火球が口の中で爆発し、ドラゴーヤの顔からプスプスと煙が上がる。怒り狂ったドラゴーヤは攻撃目標を鈴に変え、尻尾を振るって攻撃してきたが、その尻尾を春十が雪片弐型で受け流すようにして防御する。

 

 ラウラ「今だな、AIC発動!」バッ

 

 春十に尻尾の攻撃を受け流された事でバランスを崩したのを見逃さず、ラウラはAICを起動しドラゴーヤを拘束した。しかし、

 

 ラウラ「くっ、ぐぬぬ……!暴れるな!」

 

 ドラゴーヤは拘束から抜け出そうと必死に抵抗し出す。ラウラも必死になって抑え込みに掛かるが、その巨体をAICで拘束するには酷であるしましてラウラが小柄だから一瞬でも気を抜けば振りほどかれ、最悪AICに異常が出かねない。

 

 ラウラ「これでは長くは保たん……!義弟よ、早く弱点部位を見つけるのだ!」

 一夏「分かった!」

   (皆の働きを無駄にはしない……!何としても弱点を見抜かないと……!)

 

 一夏は弱点部位を見つけ出す為、ドラゴーヤに接近していく。とそこへ、

 

 箒A「生徒の避難が終わったぞ!」

 セシリア「これより加勢致しますわ!」

 シャルロット「皆大丈夫!?」

 

 避難誘導にあたっていた箒達三人が合流した。

 

 春十「ナイスタイミングだ!あいつを抑え付けるのを手伝ってくれ!」

 鈴「今一夏がこいつの弱点を探してる!一夏とラウラに攻撃を向けさせないようにして!」

 『了解!』

 

 箒B「おーい!私達にも何か出来ないか!?」

 

 そこへ箒Bとカンナも合流した。

 

 春十「二人もあいつを抑え付けるのを手伝ってくれ!カンナちゃんは本当に大丈夫なのか?」

 カンナ「ご心配なく、戦えない訳ではありません。後方援護くらいならなんとか」

 春十「じゃあ頼んだよ!」

 

 ドラゴーヤを倒すべく、一夏達は団結する。目の前の危機を乗り越える為にーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 牙也「フッ!!」

 

 謎のキマイラが鋏を振りかざして挟み込んでくるのを、牙也は鋏を蹴飛ばす事で回避。さらに次いで襲ってくるもう片方の鋏も後ろ回し蹴りで弾いた。鋏は尚も攻撃してくるが、牙也は大きく跳躍して二本の鋏を回避、しかしそこへウツボの尻尾が伸びて牙也の腰に噛み付いた。そして噛み付いたままキマイラの後方へと牙也を叩き付ける。地面をバウンドしていく牙也だが、先程の攻撃が効いている風には見えない。バウンド中に受け身を取って着地し、体の砂をはたき落とす。

 

 牙也「さすが異界の生物、顔一つ一つが独立しての行動とは恐れ入ったな……さて、こいつはどう倒せば良いやら……」

 

 するとキマイラが両足に力を入れ始めた。それと同時に、鰐の背中付近から何やら翼のようなものが生え始めた。しかしそれは、翼にしてはやや平べったかった。

 

 牙也「ん~?何か生えてきたな、ありゃ一体ーー」

 

 牙也がその様子を観察していたその時ーー

 

 

 

 

 『ガアッ!!』

 

 

 

 

 キマイラが勢い良く飛び掛かってきた。いや、飛び掛かってきたというより、背中に生えた翼を使って飛んできたという表現が正しいだろう。ミサイルの如く飛んできたその巨体は、大口を開けて突っ込んで牙也の体を飲み込み、そのまま直線上にあった木を次々と咬み砕きながら着地したが、勢いがありすぎて周囲の木を次々とへし折っていき、ようやくブレーキがかかった時には木々が生えていた場所は完全な更地になってしまっていた。

 

 『ガ?』

 

 が、キマイラは口を動かすと首を傾げるような仕草をきした。口の中はさっき咬み砕いた木の感触しかないのだ。

 

 牙也「あー、怖い怖い。コンマ数秒遅かったら喰われてたな」

 

 その声にキマイラが後ろを向くと、クラックから牙也が顔を出した。喰われる寸前に自分の真後ろにクラックを開いて逃げ込む事で、キマイラの捕食を回避したのだ。

 

 牙也「しかし、飛び魚の性質まで持ってたのか。随分と飛ぶには相応しくない翼だと思ったら……鰐、鮫、蟹、ウツボ、そして飛び魚……掛け合わせりゃ良いってもんじゃないんだがなぁ」

 

 ぶつぶつ言いながら、牙也は撃剣ラヴァアークを二本出すと、クラックから出てからそれをキマイラに向けて構えた。

 

 牙也「行くぜ!」

 

 牙也がラヴァアークを振るうと、斬撃がキマイラに向かって複数飛んでいく。が、キマイラは鋏を数回振るうだけで斬撃を粉々にした。そして鮫の顔が口を膨らませ、水の塊を放った。勢い良く放たれた水弾を牙也は二本のラヴァアークで斬り裂き、水弾は四方向に飛んでベシャッと音を立てて着弾した。

 

 牙也「やっぱこんなんじゃ駄目か……なら!」

 

 ならばと今度は左手を突き出して蔦を伸ばし始めた。蔦は次々と伸びていき、キマイラの体を縛り付けていく。しかし、

 

 『ガアッ!!』

 

 キマイラの尻尾のウツボが動いて蔦を次々と咬み千切ったり、鋏で蔦を切っていく。しかし無尽蔵に次々と伸びてくる蔦に処理が追い付かず、キマイラは体も鋏も尻尾もがんじがらめに縛り上げられてしまった。

 

 牙也「さーて、これで暫くやり放題だなぁ……」

 

 牙也が蔦を伸ばすのを止めてニンマリと笑みを浮かべた時、

 

 『グゥゥ……!』

 

 何を考えたのか、キマイラが突然大きく息を吸い込み始めた。一吸いで膨大な量の空気を吸い込み、それを数回繰り返す。やがて息を吸い込むのを止めた……かと思うとーー

 

 

 

 

 

 

 

 キマイラが少し体に力を入れた途端、一瞬にして体が風船のように大きく膨らんだ。それによって体を縛り付けていた蔦が耐え切れずに引きちぎれてしまった。

 

 牙也「嘘だろ!?」

 

 牙也の驚愕を余所に、キマイラは膨らんだ体を息を吐き出す事で元に戻した。吐き出す空気による風圧がその一帯を吹き飛ばしていく。そして体が元に戻るや否や、再び鋏や尻尾で攻撃を仕掛けてくる。連続で襲ってくる鋏や尻尾をジャンプやアクロバティックな動きで回避していく牙也だが、突如回避行動を止めてその場に立ちはだかった。

 

 『ガアア……!』

 

 これをチャンスと見たキマイラが、口に水を溜めていく。そしてその溜まった水を牙也に向けた。水は段々と巨大な水弾になっていき、ゴボゴボと音を立てている。

 

 『ガアッ!!』

 

 そして巨大な水弾を牙也に向かって放った。水弾は極太レーザーのように牙也に突っ込んでいき、やがて牙也を呑み込んだーー

 

 

 

 牙也「残念外れ」

 

 

 

 と思いきや、先程まで牙也が立っていた場所にはいつの間にか巨大なクラックが口を開けており、キマイラが吐き出した極太の水レーザーはそれに全て呑み込まれてしまった。そして巨大クラックはそれを全て呑み込み終えると一瞬で閉じた。

 

 『ガアアアア!!』

 

 攻撃が外れたのを悟ったキマイラは怒り狂い、巨体をドスドスと動かして突進してきた。しかし牙也はそれを見ても怯みもしない。それどころか右手をキマイラに向けて掲げ、キマイラが飛び掛かってきたところで指を鳴らした。

 

 

 『ガアッ!?』

 

 

 パチンーーと指を鳴らす音が響いたその時、突如激流がキマイラの後方から流れてきてキマイラを尻から押し流した。飛び掛かる為に空中にいたキマイラは激流に押されて吹き飛び、真っ逆さまに仰向けで墜落した。その巨体がズシンと落ちて大地を揺らす。

 

 牙也「おっと……ははっ、ここまで上手く行くとはね。あいつが放った水弾を利用して何とか動きを止められれば、と思ってた程度だったが……」

 

 実は先程の激流は、キマイラが放ったあの極太の水レーザーだったのだ。クラックを使って水レーザーを一旦ヘルヘイムの森に流し込み、合図と同時に再びクラックを開いて水レーザーをキマイラにいた吐き出したのだ。キマイラは背中から墜落してしまった為に起き上がれなくなり、一度ヘルヘイムの森を通した為か辺りにはヘルヘイムの果実やインベスが数匹転がっている。それらをものの数秒でさっさと処分し、牙也は再びキマイラの体を蔦で縛り上げた。

 

 牙也「さてと、こいつには寝ててもらおうか。飯も早く食いたいけど、果たしてこいつが食えるのか知らん。一夏辺りに聞けば分かるかもな」

 

 そう言って牙也は蔦を太く大きく束ねて巨大な右腕を作り上げた。そして高く跳躍し、

 

 牙也「作ったばかりの新必殺技だ……轟拳ーー『破戒』」

 

 上空からキマイラに向かってストレートパンチを繰り出した。蔦でできた拳はキマイラの腹にクリーンヒット、キマイラは『ギャブッ!?』と変な鳴き声を上げて完全に大人しくなった。

 

 牙也「はい、おしまい。さて、こいつはどうしたもんか……ここに放置するのは流石にな……」

 

 気絶したキマイラの腹に乗っかり、牙也はこれからどうするか考える事にした。

 

 

 

 





 次回こそ一夏達の方を決着させたいと思います。


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