IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

104 / 174

 一週間空いちゃいました、申し訳ないです……久々だから上手く書けてるか心配……とにかく頑張ります。




コラボ6 飯テロ!(5)

 

 千冬「よし、全員揃っtーーああビックリした、今篠ノ之は二人いたんだった」

 

 開口一番、千冬のそんな言葉から始まった実技授業。この日は一組のみの授業であった。

 

 春十「ちふーー織斑先生、今日は何するんですか?」

 千冬「ふむ、今日は軽い稼働トレーニングと行こうか。各自グループを作って、グループ毎に打鉄かラファールか選んでトレーニングを開始しろ。模擬戦をしたい者は私に申告した上で、なるべく他のグループの邪魔にならないように上空で行え。なおその際は接触の危険の為、訓練は中断するように」

 『はい!』

 

 鈴「ねぇ、箒。ちょっと私と模擬戦しない?」

 箒B「え、私とか?多分相手にもならんと思うぞ」

 鈴「それでもいいわよ。あんたの実力を見てみたいのよ」

 箒B「私の実力か……まあ別に構わんが、あまり過度な期待はしないでくれよ?」

 鈴「はいはい。織斑先生、箒と模擬戦したいんですけど」

 千冬「どっちの篠ノ之だ?」

 鈴「異世界出身の方です」

 千冬「分かった、時間は十五分で先に敵のSEを空にした方の勝ち、時間切れの場合はSEが多く残ってた方の勝ちで行くぞ」

 鈴「はい!よーし、頑張るわよ!」

 箒A「異世界の私よ、無理するなよ?」

 箒B「問題ない、今の全力をぶつけてくるさ」

 

 そう言って箒Bは打鉄を纏って上空に飛翔、それを追い掛けるように鈴が甲龍を纏って飛翔した。早速始まろうとしている模擬戦に、全員の目が向く。

 

 千冬「では、始め!」

 

 千冬の合図とともに、二人はそれぞれの得物を取り出して突進した。

 

 鈴「まずは小手調べよ!」

 

 鈴は青竜刀を二本持って、連続で振り回して攻撃する。それを箒Bは打鉄内蔵の刀・葵で防いでいく。叩き付けるような攻撃と、突き攻撃。二つの手法を駆使して箒Bに襲い掛かる鈴だったが、その猛攻を箒Bは涼しい顔で防ぐ。

 

 鈴「なかなかやるじゃない!楽しめそうだわ!」

 箒B「鈴こそだいぶ重たい一撃を食らわせてくるな、手が痺れるぞ」

 鈴「褒め言葉ありがと!それじゃ、一気に行くわよ!」

 

 一旦距離を置いた鈴は、青竜刀を繋ぎ合わせて一本にした後、また一気に接近した。その際青竜刀を体の左側で大きく回転させながら突っ込んでいく。

 

 鈴「せいやぁぁぁぁぁ!」チラッ

 箒B「!」

 

 そして青竜刀を箒Bに向かって勢い良く振り下ろしたーー

 

 

 

 

 

 

 

 と、箒Bの姿が鈴の前から消えた。当てる対象を失った青竜刀の攻撃はむなしく空を斬る。

 

 鈴「あ、あれ?箒は何処にーーきゃっ!?」

 

 箒Bを探して左右を見渡していた時、後ろに衝撃が走る。驚いて後ろを向くと、葵を構えた箒Bがそこにいた。

 

 鈴「いつの間に!?」

 

 驚く鈴はさて置き、箒Bはアサルトライフルを取り出して狙撃してきた。セシリアの射撃のように精密ではないが、狙い済ました射撃は鈴のISの肩部などを的確に撃ち抜く。大してSEは削れなかったものの、龍砲が一つ使えなくなった。

 

 鈴「くっ、箒の事だから剣使っての近距離戦で来るかと思ったら!」

 箒B「剣だけでは勝てない。そう気づいたからな」

 

 淡々と述べて、箒Bはアサルトライフルをしまうと今度は葵をもう一本取り出し、二刀流で鈴に攻撃を開始した。鈴は青竜刀を再び二本に分けてそれを迎撃する。暫くの間、それぞれの武器がぶつかり合う音だけが響き渡る程にアリーナは静かであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 春十「凄ぇ……」

 

 地上からその様子を見ていた春十達は、箒Bの実力に圧倒されていた。本人は自身の実力について「あまり期待するな」とは言っていたが、実際の実力は春十や箒A、それにセシリア達代表候補生が舌を巻く程であった。他の生徒も白熱する模擬戦に目を奪われている。

 

 ラウラ「いや凄いな……量産機だからスペック云々で大きく遅れをとると見ていたが、それを微塵も感じさせない動きだ。武器の活用に素早い取替、果ては高等テクニックまで……」

 セシリア「脱帽、としか言えませんわ。あれほどの実力なら、代表の座まで登り詰めてもおかしくありませんわね」

 シャルロット「それにあの思い切った動きはびっくりしたね。まさかスラスターを自分の意志で止めて攻撃を回避するなんてさ……一連の動きに無駄が無いよ」

 箒A「はじめ見た時は不調かと思ったぞ……ある意味賭けだな、あの回避方法は。あんな事、私には到底出来ん」

 春十「なあ皆……あの箒に勝てると思うか?俺は多分大丈夫だと思うけど」

 

 春十の問い掛けに、四人はこう答えた。

 

 セシリア「あれほどの実力を見て、勝てるなどとはっきり言える訳がありませんわ。ただ私の場合は、上手く距離を取って立ち回れば恐らくは……」

 シャルロット「僕は自信無いや。僕の高速切替も、彼女なら強引に突破してきそうだし」

 ラウラ「AICが決まれば恐らく、だな」

 箒A「私は無理だな、同じ私でもあれを見せられては流石に勝てるとは言い切れん」

 春十「だよなぁ……」

 

 春十が頷きながら空中を見上げると、ちょうど箒Bが龍砲を二本の葵で受け止めているところだった。しかし龍砲のその圧力には葵は耐えきれず、一本折れてしまった。やむなく箒Bはアサルトライフルを取り出して狙撃するが、それもすぐに弾切れを起こした。

 

 箒B「ちっ、もう弾切れか!」

 鈴「あら、もう終わり?それじゃ、一気に決めさせてもらうわよ!」

 

 それを見た鈴は青竜刀を構え、龍砲から放った圧力弾を盾にして突撃した。箒Bはそれを見て、左肩の盾で圧力弾をガードした。しかし完全にはガードしきれなかったようで、SEがやや多めに削られた。そこへ青竜刀を構えた鈴が突っ込んでくる。

 

 箒B「くっ……やはりブランクが堪えるな……!」

 

 その後もなんとか巻き返そうと奮闘した箒Bであったが、それもむなしく試合終了のブザーが鳴った。

 

 千冬「試合終了だ。双方SEが残ったが、残りSEの差で凰の勝ちだ」

 鈴「ふっふーん、私の勝ちね!」

 

 鈴が得意げな笑みを見せながら着地し、それを追うように箒Bも着地する。

 

 箒A「しかしよく善戦していたな、私なら武器が使えなくなった時点で降参していたかもな」

 シャルロット「そう言えばさ、さっきの突然目の前から消えるやつ、いつ覚えたの?」

 箒B「あれだ、私達の世界で模擬戦をしていた時になんとなくやってみたらできたんだ。フェイントとしても使えるから、あれ以来よく使ってる」

 春十「でもさ、あの時は普通に後方回避すれば良かったんじゃないのか?」

 箒B「いや、あの時鈴は恐らく攻撃後に間髪入れずに龍砲を放ってくると私は見たんだ。それなら後方回避よりもあの方法が都合が良いんだ、龍砲の死角に入り込めるからな」

 鈴「げ、なんで龍砲を撃ってくるって分かったの?」

 箒B「一瞬だが龍砲をチラ見しているのが分かったからな。ただもしあれを見切られていたら、私は集中砲火を受けていただろうな。上方向への攻撃は苦手だったから、助かったぞ」

 鈴「ぐぐぐ……なんか負けた気分だわ」

 春十「皆まだまだ強くなれるって事だな、色々学べたぜ」

 箒B「ありがとう、鈴。久し振りに動いたが楽しかったぞ」

 鈴「いつでも挑戦待ってるわよ!」

 箒B「さてと、私はカンナの様子でも見に行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 牙也「せいっ!」ガキンッ

 狗道「フッ!」ガキンッ

 

 牙也が持つ紫炎の斬撃が繰り出されると、狗道はそれをセイヴァーアローで防ぎ、ブラッド大橙丸を振るう。それを牙也が回し蹴りで弾くと、その足を狙ってシュラがソニックアローの斬撃を繰り出した。狙われた足を素早く引っ込めて牙也は再び蹴りをシュラに繰り出すが、それはシュラに掴まれ防がれた。すると牙也は掴まれた足を軸にして飛び後ろ回し蹴りを繰り出し、それをシュラが足を離してバックステップで回避すると回し蹴りの勢いそのままに着地。そこへ狗道がブラッド大橙丸の斬撃を食らわせに掛かる。

 

 牙也「見えてるぜっ!」

 

 紫炎でそれを払い、

 

 《ヘビイチゴ》

 

 《ロック・オン》

 

 《ソイヤッ!ヘビイチゴアームズ!可憐・The・猛毒!》

 

 素早くアームズをヘビイチゴに交換した。イチゴ分銅を振り回して狗道を牽制し、シュラに対してはスネークサリガマで攻撃を弾く。

 

 狗道「なるほど、少しは強くなっているみたいだな。だが……忘れてはいないか?」

 牙也「あ?何をーーあ、やべ」

 

 牙也が気づいた時には既に遅く、シュラが蔦を伸ばして牙也をがんじがらめに拘束してしまった。ついでにスネークサリガマも蔦を操って取り上げる。

 

 牙也「しまった……詰めが甘かったな」

 狗道「さて、ここからどう巻き返す?」

 牙也「どうしたもんか……蔦は使えないし、バグヴァイザーもないしな……」

 狗道「なんだ、気づいていたのか」

 牙也「自分の状況に気づけない程馬鹿じゃないって……あでででで!!」ミシミシミシ

 

 呑気に話しているのが気に入らなかったのか、シュラは蔦で牙也を締め上げた。

 

 牙也「いってぇなぁ……!そっちが俺を締め上げるなら、シュラ達は押し潰されろ!」

 

 《ジャックフルーツ》

 

 蔦に締め上げられて体が動かせない中、蔦の中で手をうねらせるように動かしてなんとか腰に下げたロックシードを解錠すると、巨大なクラックが開いて巨大なジャックフルーツが落ちてきた。ジャックフルーツはそのままシュラと狗道に向かって転がり出す。

 

 狗道「ちっ!」バッ

 シュラ「……!」バッ

 

 二人が回避を始めた事で拘束から逃れた牙也は、

 

 《ロック・オン》

 

 《ジャックフルーツアームズ!巨・影・剛・球!》

 

 《ヨロイモード》

 

 戻ってきたアームズに入ってジャックフルーツアームズにフォームチェンジした。

 

 牙也「さあ……こっからが俺のステージだ!」

 

 

 

 





 次回もお楽しみに。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。