IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 クラス代表戦及びインベスの襲撃を、主に鈴の視点から。ただし結構手を抜いてるように見えるかも…………


第7話 災厄ノ襲来

 

 三人称side

 

 あの会議の後に特に何かあったわけでもないまま、クラス対抗戦の日を迎えた。

 牙也は第4ピットの一室にて待機していた。万一の時に備えて何時でも動けるようにと、楯無が指示したのだ。

 1年生クラス対抗戦の対戦カードは、

 

 

 第1試合

 1年1組vs1年2組

 

 第2試合

 1年3組vs1年4組

 

 

 となった。

 ちなみに各クラスの代表は、

 

 1年1組 織斑春輝

 

 1年2組 鳳鈴音

 

 1年3組 ロミー・ベンサム

 

 1年4組 更識簪

 

 といった感じだ。

 ちなみに1組の代表だが、代表決定戦を行った結果、織斑春輝がイギリス代表候補生のセシリア・オルコットを終始圧倒して勝利し、代表になったとか。

 誰が優勝するのかと考えている牙也の元に、箒から通信が入った。

 

 箒「聞こえるか、牙也」

 牙也「ああ。アリーナの様子はどうだ?」

 箒「今第1試合が始まったところだ。今のところ問題はない。引き続き様子を見る」

 牙也「了解。何かあれば、すぐに連絡しろよ」

 

 牙也はそう言って通信を切った。

 

 牙也のいる部屋は、テレビ等が無いためアリーナの様子を知ることができない。そのため、定期的に箒や千冬と通信して状況を把握しなければならないのだ。

 

 牙也(通信が出来なくなった時のことも、考えておかなきゃならんかな)

 

 そんな事を考えていたその時。

 

 

 

 

 『キャアアアアアアアッ!!!!!!』

 牙也「!!」

 

 

 叫び声が聞こえたと同時に、牙也はアリーナに向かって走り出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 三人称side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鈴side

 

 私は今、信じられない光景を目にしていた。

 ちょうど私は2組のクラス代表として、1組のクラス代表の織斑春輝と戦っていた。イギリス代表候補生に完勝したという話を聞いた時はまさかと思ったけど、彼の実力を間近で感じて納得する私がいた。私のISの『甲龍』は、中国が開発した『龍砲』という武装を積んだ第3世代機。『龍砲』とは、砲身に空気を圧縮してそれを弾にして撃ち出す武装。弾が「空気」なので視認しづらく、しかも360度全方位に向けられるので対応が難しいのだが、彼はその弾道を一回で見抜き、簡単に避けてしまった。その後も、龍砲の砲撃は簡単に避けられてしまったので、私は拡張領域から青竜刀を取りだして接近戦に入ろうとした。

 しかしその時――――

 

 

 

 

 

 

 目の前に急にジッパーが出てきて、その中から沢山の丸っこい怪物が溢れ出してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのとたん、アリーナに響いた警報。

 

 『緊急事態発生!緊急事態発生!アリーナにいる生徒は、直ちに避難して下さい!』

 

 そして、アリーナは叫び声や泣き声に包まれ、大混乱に陥っていた。

 千冬『織斑、鳳、大丈夫か!?』

 「織斑先生!私は大丈夫です!」

 春輝「こっちも無事だよ、千冬姉!」

 千冬『今教員部隊が救援に向かう!お前達は早くそこから離脱しろ!』

 春輝「でも、こいつらはどうすんのさ!?」

 千冬『その怪物達にISの攻撃は効かない!お前達が戦っても、逆に危険なだけだ!』

 春輝「そんな事、やってみないと分からないだろ!?」

 そう言って、春輝は彼のIS『白式』の単一能力・『零落白夜』を発動して怪物の群れに突撃した。

 「春輝!?」

 千冬『春輝、よせ!』

 私達が止めるのも聞かず、春輝は怪物の中の一匹を近接ブレード『雪片弐型』で切り裂いた。

 春輝「どうだ、怪物め!見たか千冬姉、やれば出来―――」

 その言葉は続かなかった。

 春輝が攻撃した怪物は、『何かやったか?』と言いたげなようにピンピンとしており、その体には傷一つついていなかった。これには春輝も驚きを隠せなかった。

 春輝「な、何で!?何で零落白夜が効いてないんだ!?」

 春輝は分かってないが、零落白夜は刀身にエネルギーを集約してシールド無効の斬撃を繰り出す技。ただし、これが効果的なのはあくまでISであり、何かも知らない生物にこれを当てて効果があるのか?

 

 

 

 

 答えは否である。

 

 春輝は必殺技が怪物に効かなかった事に呆然としている。そこに、先程の怪物が攻撃を仕掛けてきた。

 「春輝、危ないっ!」

 

 私はとっさに龍砲を怪物に向かって撃ち出した。しかし、弾は当たったが怪物にはまるで効いていない。それどころか、怪物達が私に狙いを定め、攻撃を仕掛けてきた。私は青竜刀で応戦するが、渾身の一撃も怪物には効いておらず、逆に青竜刀を弾かれてしまった。私は慌てて空に逃げようと、背中のスラスターを噴いて飛び立とうとした。しかし、

 

 『シャアッ!!!!!!』

ガッ!!!!!!

 「キャアッ!」

 突然何かが飛んできて背中のスラスターに攻撃してきた。それによってスラスターと龍砲は壊れてしまい、私は地面に叩きつけられた。顔を上げると、そこにはあの丸っこい怪物とは異なり、蝙蝠を模したような異形が空に浮いていた。絶体絶命であった。青竜刀は手元になく、龍砲もスラスターも壊されてしまった。しかも、さっき墜落した際に足を捻ってしまったようで、足首に痛みがある。

 千冬『鳳!』

 織斑先生が叫ぶが、もうどうにも出来ない。

 もう、私に出来る事は何もない。ただ死を待つばかりだった。そして、ついにあの怪物がその爪を私に向かって振り下ろしてきた。私は恐怖で目をつぶった。

 

 

 

 

 

 

 しかし、いつになっても攻撃がこない。恐る恐る目を開けると、そこには――――

 

 

 

 

 

 『シャ、シャアアアアア……………………』

 

 

 

 

 

 牙也「やれやれ、ギリギリ間に合ったか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全身を黒の着物で包んだ少年が、怪物の腕を掴んで立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鈴side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 死亡フラグは、へし折るもの。

 次回、二人のアーマードライダーがIS学園にて出陣。

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