「大変だったね。でも、大丈夫。確かに君の周囲は情けないって蔑むだろうし、眷属は自分達の出世が遠のくって憤るかもしれない。でも、君の価値を僕は分かっている。素行を問題視されながらも次期当主に選ばれた優秀な君の価値をね。君が君である、それだけで充分なのさ」
なんかゼーファードルって人がボロ負けして精神的に駄目になったんだって。少ししか関係ない家の人だけど、ジェイルはわざわざお見舞いに行ってあげるなんて優しいー! 私はそんなジェイルが大好きだよ。自分にだけ優しくすることを求める人って居るけど、私は皆に優しいジェイルが大好きー!
「うわっ! えげつないわね」
お見舞いに行っているのはジェイルだけで、私達はお留守番。だけど退屈だからってパパとレライと一緒に様子を魔術で見ているんだけど、どうしてレライは笑っているんだろう? パパはパパで五十点って言ってるし、何の評価なの?
「うん? うーん、フランには少し早いかなー? まあ、弱った心につけ込んで洗脳・・・・・・大変だけど自分は味方だって伝えにているんだ。あの様子じゃ若手が駆り出される事態になっても役に立たないだろうけど、他に適当なのがいないから『凶児』等と呼ばれるあの馬鹿が選ばれたし、僅かな経費で将来役に立って貰おう」
ふーん。ジェイル、家のために頑張っているんだ。偉い偉い。帰ったら誉めてあげよう。どうやって誉めるのが良いかなぁ?
「これ、僕の親戚が運営する会員制の娼館への紹介状。一時的な結果で君を卑下する様な見る目の無い連中は居ないよ。・・・・・・吐き出したい物全部吐き出してスッキリしたら?」
うーん。やっぱりジェイル位の男の子はエッチな事に興味が有るんだよね? 私達、添い寝はしてるけどギュッとしてくれながらキスするくらいだし、頑張っているご褒美をあげた方が良いのかなぁ?
「えっと、それで背中流してくれるの?」
「うん、そうだよー」
レライが作ってくれた水着のおかげでうまく喋れるし、メイド長に相談したら一緒にお風呂に入ったら喜ぶって教えてくれたの。でも、脱衣場でジェイルは驚いてるみたい。嬉しくなかったのかな?
「よ、宜しくお願いします」
「うん。がんばるねー!」
じゃあ、早く脱いで。あっち向いているね。でも、どうして敬語なんだろう?
腰にタオルを巻いたジェイルはなんでか動きがぎこちないけど、疲れているなら後でマッサージしてあげようかな? 寝転んだ上に乗って腰や肩を揉んであげるの。その後、私も寝転んでジェイルに抱き締めて貰ったらすごく幸せになる。うん! 絶対マッサージしてあげなくちゃ!
「あらうよー」
スポンジを泡立ててジェイルの背中をこする。服の上からは分からないけど筋肉はそれなり。魔力だけじゃ駄目だって頑張ってるもんね。スポーツ科学とかで戦うための筋肉の付け方をしてるんだって。
「ねぇねぇ、ジェイルー。スポンジじゃなくって体で洗った方がいいー? メイド長がオススメって言ってたのー」
「・・・・・・じゃあ、お願い・・・・・・しないでおくよ。彼女の提案は真に受けないで」
「そっかー。分かったー」
でも、本当に良いのかな? だってジェイル迷ってたもん。どうして途中で断ったんだろ? メイド長がヘタレだって言ってたけど、それでかな?
「流すよー。はい、おしまい!」
前も洗ってあげようかと思ったけど、恥ずかしがって断られちゃった。結婚したら断られないのかな? 早く結婚したいなぁ。そうすればジェイルともっと仲良くなれるってメイド長が言ってたもん。
「フラン、ありがとう。じゃあ・・・・・・」
「うん。次は私の背中洗ってー。夫婦になるんだし、平等だよね?」
「・・・・・・うん」
ジェイルにスポンジを渡し、今度は私が椅子に座る。洗って貰ってるとき、少しくすぐったかったけど嬉しかった。今度から毎日洗いっこしちゃ駄目かなぁ? 別に良いよね。だって愛し合ってるもん。
「ねぇ、もっとこっちこないのー?」
「ちょ、ちょっと待って」
むー! 私は少し頬を膨らませる。ジェイルったら折角一緒に入っているのに少し離れて背中向けてるんだもん。嫌いになちゃう・・・・・・事はないけど、少し不満! そっちが来ないなら私から行っちゃうんだから!
「・・・・・・よし!」
「えい!」
あっ、私が抱きつくと同時にジェイルがこっち向いたから胸に飛び込む形になっちゃった。上目使いに顔を見ると真っ赤になって固まってるけど、いつもベッドで抱き締めてくれるのに変なジェイル。いつもと場所が違うからかなぁ? じゃあ、いつもと同じ事をすれば大丈夫になるよね。
「キスするね」
「うぇっ!?」
変な声が出たけど構わずにキスする。とっても幸せ。でも、次はジェイルからしてほしいなぁ。
「ねぇ、ジェイルから・・・・・・して?」
こうやって途中を溜めてお願いしたら効果があるってメイド長から聞いたけど、あれれ? ジェイル固まっちゃった。のぼせたのかな? じゃあ、早く上がらないと駄目だよね。
「早く出るよ。長湯は駄目だもん」
固まっちゃったジェイルにギュッと抱き付いてお風呂から出すともっと赤くなってるし、早く出して良かった良かった。じゃあ、脱衣場の椅子に座って扇風機でも使おう。その後はベッドでマッサージだね。
「じゃあ、先にベッドに行ってるねー」
ふわぁ。少し眠くなっちゃった。今日は早く寝て、明日朝にマッサージしてあげようかな? この格好、喋るのが楽だけど体は怠いんだよねー。
「えっと、フラン。・・・・・・寝ているのか。残念だけど起こすのはかわいそうだよね。うん。逃げるんじゃなくって、かわいそうだから今日は諦めよう」
・・・・・・うーん。寝ているときに何か言われた気がしたけど、眠いからわからない。でも、どうしてかヘタレって呟きたくなった。
「じゃあ、次のゲームについての会議だよ」
この前のゲームだけど、ゼファー何とかさんに勝ったのはサイラオーグさんで、リアスさんはアガレス家と戦って負けたんだって。罠にはまって一網打尽だったっぽい。
前回私達からはゼッちゃん達が出たから今度は私とレライとイッセー。モモンガさんとジェイルは今回もお休みだって。
「ぶっちゃけ、君達は侮られてるよ。主力は前回出したのだけで、残りは特に功績もないから弱いってね。・・・・・・好都合だ。デビュー戦には良さ過ぎるよ」
ゲームで大切なのは勝つことと勝ち方だけじゃなくって、インタビューの受け答えに事前の情報操作だってパパが言ってた。同じ活躍なら最初の評価が低い方が良い評価を貰えるんだって。逆に試合中やインタビューでの発言で立場が悪くなるのは日本のスポーツ選手や格闘家と同じだって。
『偉そうな発言して負けたり、政府への不満を口にしたら凄く拙いよ。君達も気をつけてネ?』
「次の相手だけど、前評判の良さが災いして評価が落ちてきているリアスさんで間違いないだろうね。何処かの馬鹿が怯えて戦えないから誰かは休みだけど、サイラオーグさんは休ませないだろうし、メンバーが欠けている僕達とじゃ盛り上がらない。候補はアガレス家かグレモリー家だけど・・・・・・イッセーの禁手が亜種だってアザゼル総督に伝わったから、早く研究する為にも口出しするでしょ」
さてさて、楽しみだなぁ。侮っている奴らの度肝を抜かれた顔を見るのがさ。
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