ゼスティ・チャンドラー 戦車×2
銀髪ポニーテールの女子中学生。体格は慎ましい。少しお馬鹿だが血の繋がらない弟妹の世話を焼いてるなどしっかりとした一面も。ただし一番年上の妹には頭が上がらない。
戦災孤児という重い過去を持って居るが明るい性格、ただし家族に手を出すことが逆鱗に触れることに繋がる。
戦闘タイプ パワー
歴代の中で最も体を代償に支払た赤龍帝の子孫であり、先祖返りで人型のドラゴンというべき存在になっている。赤龍帝の力は何となく使っているらしい。
「さて、ヴァーリがあの小娘を始末する前に私達も終わらせましょう」
ゼスティがヴァーリと戦い始めたのを見たカテレアは懐から小瓶を取り出す。中に入っているのは小さな蛇だ。アレが自信の根拠かな? 天使長と堕天使総督、魔王と超越者、少なくてもこれらを全部相手に出来るという根拠だろう。
『確かアーシアちゃんの話に出て来たよね。ディオドラが何か飲み込んだって。多分ドーピングアイテムだろうけど、足し算じゃなくて掛け算だったら厄介かも』
モモンガさんが『
「最早容赦しません。貴方は此処で消し去ります!」
やや恐怖で声が上擦って居るカテレアは小瓶の蓋に指を掛け、其処で手から小瓶が消失する。手から頼りにしていた物が消え去った事で狼狽が顔に出るカテレア。直ぐに何所に有るのか、背後から聞こえて来た声で理解した。
「『
僕達に認識させずにカテレアの背後に回り込んだモモンガさんは手から奪い取った小瓶の中身の詳細を知り少し残念そうだ。確かにレア物っぽいけど、思っていた程の効果が無かったからだろうね。
「この程度の物を頼りにして襲って来たのか。くだらぬお遊びに付き合わされてしまったな」
「お遊び!? それより貴方一体どうやって背後に……っ!?」
カテレアが振り向くよりも前にモモンガさんの両腕がカテレアの体を抱き締めるように、そして万力の様な力で締め始めた。
「あがっ!? き、貴様、まさかっ!?」
「まさか? どっちの意だ? 停止した時間の中を動いた事か? それともこうやって絞め殺すつもりの事か?」
何でも無いような口振りでモモンガさんはカテレアの体に回した腕の力を強める。ギシギシと体が軋む声と共に彼女の顔に苦悶の色が浮かび声が漏れる。とても苦しそうな声で聞いているリアスさん達は顔色を悪くしていた。
「あぐっ!? や、止めなさい! 私を言った誰だと……があっ!?」
「喧しい。貴様は私の大切な場所や友人達を奪うと言ったテロリストだ。だが、こうやって死ぬのが嫌ならば……」
モモンガさんの言葉に希望を見出したのかカテレアの顔が緩む。だけど罠だ。さっき言ったじゃないか。苦痛と絶望の中で死ねってさ。
「『
ガボッ、という音と共にカテレアの口から声ではなく大量の水が吐き出される。苦しそうにもがく彼女の口からは有り得ないほどの水が漏れだすが尽きず、悪魔が持つ強固な生命力が人では既に死んでいる状態でさえ気絶さえさせてくれない。
「ジェイル君、アレは一体……」
「相手の肺の中に水を出現させて溺れさせる呪文ですよ、サーゼクス様。水は補充され続けますから助かるには解除するか術者を殺すしかないですが……」
当然この場にテロリストを助ける為にモモンガさんを殺そうとする人なんか居ないし、助ける術やアイテムを持って居る人も居ない。
締め上げる力は増し、どれだけ空気を求めてもカテレアの口からは水が溢れるばかり。逃れようと暴れるも脱出出来る筈も無く……。
「……死の舞踊か」
目や口から血を流し必死の形相だったカテレアから何か硬い物が折れる音が響き、口から水と一緒に吐瀉物が吐き出される。ああ、だから後ろから抱き締めたのかと僕は冷静に其の姿を見ていた。自分でも異様だとは思うけど、本当に敵だと判断した相手には憐れみを感じないんだよね。
こうして旧魔王レヴィアタンの末裔は呆気なく生涯を終えた。
「おや、終わったでござるか? ……うわぁ」
「グロいね。ところ魔法は使ったのかしら? 私が知らない魔法? ......死体からして違うみたいね、残念」
手配書で見た事のある悪魔を背中に乗せたハムスケはドン引きした様子で、レライは好奇心旺盛な顔でモモンガさん達の方を見ていた。
「終わったみたいだけど……空間はそのままだね」
空を見れば未だに仙術で作り出された空間のまま。確か手配書で見た彼女の詳細には仙術使いって書いてあったけど……。
「確か彼女の名は……」
「黒歌です。その人の名は黒歌と言います……」
不意に言葉を発したのはリアスさんの眷属の塔城小猫。……ああ、黒歌はこの子の姉だっけ? 姉が暴走して主を殺したかっらって妹も始末しろって話になったけど、グレモリー家が引き取ったって聞いた事が有るよ。
残酷なようだけど、貴族社会じゃ謀反を起こしたら一族郎党、場合によったら使用人までって言うのがお決まりだ。日本だって刑事罰は受けないけれど加害者家族への世間の目は厳しいからね。村八分的な扱いもあり得るらしいし。
「どうも力の多くを使って一度張ったら長時間持つタイプの空間にしたらしくってね。多分途中で帰っても文句を言われない為だろうけど、出るには無理やり壊すかしないみたいだよ。……あれ? なんで堕天使側の出席者とゼっちゃんが戦っているの?」
「あ~、言い難いんだが、あの馬鹿が裏切りやがった」
流石にこんな重要な会談に連れてきた部下が裏切った後あっては責任重大なのでアザゼル総督の責任は重い。それがあってか居心地が悪そうだ、まぁ人選能力とか指導力に疑いの目を向けられるには十分だからね。悪魔は旧政権のトップの一人が襲撃を掛けるとかもっと駄目だけど。
「でもまぁ……あの嬢ちゃんが予想外過ぎたな」
「使う龍の力は同等。なら、自分自身の中に有る上に龍の力の親和性が強いゼスティの方がより強く力を引き出せる」
体の方も然り。彼がどんな血を引いていたとしても、ハーフ悪魔のヴァーリとまだ未熟でも天龍の肉体を持つゼスティじゃ差が出る。体の力を上げられる限界値が段違いなんだ。
能力を使いながらの遠距離戦に徹すれば分からないけれど、ゼスティの土俵である接近戦を選んだヴァーリの失策だったね。
「……終わったね」
僕の指示通り六回の倍化をしたゼスティの力は半減された分を入れて三十二倍。でも、元々が異常だからそれで十分だ。寧ろ上げ過ぎると厄介な存在を呼び寄せるしね。
背中の翼を破壊されて地面に叩き付けられるヴァーリ。今の動き、僕には見えなかった、前までなら見えていたんだけど、また強くなった彼女に思わず拳をりしめる。正直言って成長速度の違いが悔しかった。
「すげぇ……」
『おい、相棒。お前が目指す力は別の物だ。間違ってもアレを追いかけようとは思うな。追い付けず絶望するだけだ』
「分かってるよ。だから逆に俺の目指すべき方向性が定まったんだ」
同じ力を使うからこそ感じる物が有ったんだろう。イッセーはその姿を見て目を輝かせている。ドライグが忠告してるけど、何か得るものがあったみたい。まぁ、今は眷属の成長を喜ぼうか。僕ももっと頑張らなくちゃだけど。
「......何だ?」
ブレスを吐こうとしていたゼスティが動きを止める。拗ねたような顔で何か呟いているけれど、ヴァーリの横に突如現れた老人の姿を見たアザゼル総督が固まっている。
「オーフィス!? 糞っ! まさか乗り込んで来やがったのか!?」
オーフィス、その名を聞いた瞬間にモモンガさんの態度が一変する。僕達に背を向けてオーフィスとゼスティの両方に意識を向けた。
最強の龍神である無限龍オーフィス。まさかの登場に場の緊張度は一気に高まった。
「うわっ!? 何ジロジロ見てるんっすか、お爺さんっ! 変態、変態が居るっす! ヴァーリさんのお仲間っす!」
「確かに我、ヴァーリの仲間。見るの駄目なの、老人だから? ……分かった」
ただし、ゼスティとオーフィスを除いてだ。ヴァーリのせいで服が吹き飛んだゼスティはジッと見てくるオーフィスに抗議し、オーフィスは少し悩んだ素振りの後で姿を変える。今のゼスティと同様に前面を露出させた黒髪の幼女の姿だ。胸はバッテンのシールだけで他はゴスロリドレスという謎仕様。
(……あの格好、フランにお願いしたら駄目だろうなぁ。流石に頼むのは恥ずかしい)
あの遣り取りに僕まで持って行かれそうになる中、オーフィスはゼスティとイッセーを交互に指を差しながら腕組みして頭を傾げる。僅かだが困惑してるように見えた。
「やっぱりドライグ二人。我、不思議。ドライグ、増えた?」
「あっ、自分は何代か前の赤龍帝の子孫っすよ。しかしお爺さんから幼女まで変身可能って……ヴァーリさんが裏切ったのオーフィスさんが理由っすか?」
「多分そう。我がスカウトした。ヴァーリの目的と合っていたらしい」
あの馬鹿、相手がどんな存在か分らずに話してるのか、それともどんな存在か分っていて話しているのか分からないけれど、帰ったらヴァイオレットに叱って貰わないとね。僕が叱るよりも有効だからさ。
にしてもどんな姿にも変身できる相手にスカウトされたからって離反か。……流石悪魔の血を引いているだけあって欲深い。この場合業が深いと言うべきだろうかな?
「我、グレートレッド倒して次元の狭間取り戻したい。多分ドライグ二人居れば勝てるかも。協力して」
「ジェイルさーん! グレートレッドって何っすかー?」
こっち向けて手を振りながら暢気に聞いてくる馬鹿に頭が痛くなる。教えたはずなんだけどさっ!
「オーフィスより強い最強の龍! 次元の狭間を泳いでるけど、強い力に引き寄せられるから君が最大まで倍化するのは禁止って教えたでしょ!!」
「あっ、そうだったっすね。倍化は緊急時以外は許可が居るのは覚えてたっすけど、なんでかは忘れてたっす。……ん~、多分倒したらやばかった気がするし……」
何を探しているのかポケットに手を突っ込みガサゴソと探るゼスティは飴玉を取り出した。小さい弟や妹達の為にポケットに入れているのは知ってるけど、今日も入れっぱなしだったのか。
「これあげるから帰って欲しいっす。なんか空間も戻るっぽいっすし」
ゼスティの言葉通り空間に亀裂が入り始めている。流石にこんな状況でオーフィスと準備もなしに戦う馬鹿は居ないし、オーフィスはオーフィスで素直に飴玉を受け取って口に入れて転がしていた。
「……酸っぱい」
「あれ? 桃と梅味間違ったっすか? でも、飴玉食べたんだから帰るっすよ。ほら、他の味もあげるっすから」
小さい子供を諭すように頭を撫でながら差し出された飴玉をオーフィスは素直に受け取ると気絶したヴァーリを掴む。片方の手で飴玉を掴んだオーフィスはこっちを見ていた。
「よく見たら変なの居る」
「言われてるでござるよ、モモンガ殿」
ハムスケの言葉にモモンガさんは固まる。いや、神獣とか訳の分からない評価くだされたけど、君だって珍獣だからね、ハムスケ。神獣の末裔じゃなくって珍獣の初代だからね。モモンガさんは態度には出さないけれど落ち込んでいるし、緊張感が台無しだ。
「我、飴玉貰ったから帰る。ヴァーリは連れて帰る。……黒歌も」
「……分った。渡すから大人しく帰ってくれ」
渡せ、そう告げられていると理解したサーゼクス様達は溜息と共に頷いた。こうして折角手に入れた捕虜と引き換えにオーフィスは大人しく帰って行く。場の皆は緊張の糸が切れたことで疲労感に襲われていた。
この後、協定は正式に結ばれ、場所の名を取って『駒王協定』と名付けられた。重要な場所である事から今後はリアスさんではなく各勢力の合同直轄地となるらしい。
「ところで博士。黒歌殿の周囲を守っていた悪魔や魔術師の死体はどうするでござるか?」
「大半はモモンガさんが情報を引き出す為にアンデッドにして、残りはこっそり私のラボに回すよ。まぁ悪魔のはカテレアさえ居れば良いから優先的に回してもらおうかな?」
会談後、会談時の功績や集めた情報の価値によってベルゼブブ派の力が上がり、夏休み中の課題免除が言い渡されたんだけど、あの父さんがまともな事をするはずが無いので油断しないでおこうと思う僕達であった。
ついでに言うと、色々な意味でヴァーリの評価が下がったらしい。主に性癖的な部分で。育ての親らしい上に会談にまで連れてきたアザゼル総督の評価も下がったし、色々大変そうだなぁ。
そして、待ちに待った夏休みがやって来る。モモンガさんの心労の満載のイベントは開始直ぐに行われる事になった。
「うへへへへ。あの子を招待する事に格好付けてモモンガ様も呼び出せば……くふー!!」
原作でも唐突な変態化は多いし、変態扱いもあり得る ドライグやアルビオンへの被害を考えれればね
あとオーフィスは『彼』と呼ばれていたし、この時点ではアザゼルが知る老爺の姿だったはず
感想お待ちしています
ハロウィンイベント あとはマナプリだけだ 金は明日開放だけど素材は有るから石目当てに他回るかな フォウ君と結晶分だけ集めて デンジャラス一枚だしウィザード&は持って居ないからさ
もうすぐ800日とログインボーナスの20個 多分記念は10個だから今年のハロウィン一回は十連が引けるね