成り上がりの息子と赤龍帝     作:ケツアゴ

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礼装八枚目 全部ドロップだよ  種火有っても使う鯖いない 一〇〇〇記念ってピックアップ有るのだろうか 取っておかないと石を


余計な一言と真夜中の質問

「つ~か~れ~た~よ~! 社交界とかマジで嫌だ! フランとイチャイチャしたい!」

 

「いや、今現在進行形でしてんじゃねぇかよ」

 

「この程度序の口だよ!」

 

 コカビエルの一件の後、最初に参加した社交界から帰ってきた若様は酷くお疲れの様子でござった。それがしの身に体を預け、姫を横向きに膝の上に乗せて怠そうに言葉を発する。重傷でござるなぁ・・・・・・。

 

「何奴も此奴も同じ様な事を言ってきてさ。当たり障りのない事言って誤魔化すのにも限度が有るんだよ、全くさぁ!」

 

「ウ!」

 

 姫の肩に手を置いて抱き寄せ、姫も少し拗ねた様に抱き付く。モードレッド殿はそれを見て呆れたように溜め息を吐く。それがしは先程オヤツを食べたので眠くなってきた。

 

 抑こんな事に何故なったのか。それは数日前に遡る。

 

 

「リアスさんの所の僧侶を引き取る? 何でまたそんな事に・・・・・・」

 

 それがしが冷房の効いた部屋でウトウトしていると若様の少し不機嫌な声が聞こえてきた。確か件の僧侶とは希有な神器の制御が出来ず、本人の気質もあって封印先で引きこもっているとか何とかでござったかな? そのくせ才能はあるから魔力が高まって、訓練もせぬから余計に制御が困難になっているとか。

 

 貸しを作る形でお抱えのカウンセラーを紹介し、いんたーねっと? でカウンセリングをしているそうでござるが・・・・・・今日の夕食の副菜は何でござるかなぁ?

 

 それがしが漂ってきたシチューの香りに鼻をひくつかせて微睡む間にも二人の会話は続いておった。

 

 

 

 

 

「ったく、貸しを作り続けるよりは厄介者を押し付ける方がマシだってか? あの赤毛は納得しねぇだろうし、本当に面倒だな、おい」

 

「なまじ実力を示したし、レライが同じ類の能力者用に力を遮断する眼鏡を作ったからね。定期的に調整が必要だし、それなら押しつけた方が手柄殆ど取られた事への嫌がらせも兼ねているって事でしょ」

 

 扱えぬから汚点でしかない厄介者の押し付けでござるか。鍛えもせぬ者が何を克服できるというのやら。・・・・・・政治とは面倒でござるなぁ。

 

 あと、若の眷属になったら放置とかされないで鬼の特訓をされるから同情するでござるよ。

 

 

 

 

 

 

「僕としてみれば眷属は自分で選びたいし、父さんが作ってくれた猶予期間内に眷属を決めないと。・・・・・・社交界では誰が広めたのか姪や妾腹の娘の売り込みをしてくる人が増えて困ったよ」

 

 ああ、姫が不機嫌になるわけでござる。それ、愛人という奴でござろう? 金持ちな上に将来有望でござるからなぁ。

 

 

 

「あと、何故か紹介されたのは胸の小さな子ばっかりだったよ。何故だろ?」

 

「それは姫もモードレッド殿も博士も貧乳だからではござらぬか? およ?」

 

 後ろ足を突然二人に掴まれる。怖くて後ろを向けないそれがしは若に助けを求める視線を送るもサッと顔を背けられた。

 

 

 

「ちょっと向こう行こうぜ、なぁ?」

 

「ワタシト、イッショニ、コイ」

 

 しょぇええええええええ!? 声が怖いでござる。平坦なのに何故か怖いでござるぅうう!?

 

「おたすけぇええええええ! 勘弁でござるよぉおおおおおおおおおおお!!」

 

 この後、何が起きたのかそれがしは覚えていなかった・・・・・・。

 

 

 

 

「へぇ。モモンガさんの養女になったんだ」

 

「はい。眷属の娘なら、勝手に眷属にしようとした際に多少乱暴な手で止める大義名分が出来ると言われまして」

 

 なんかアーシアが逞しくなったなぁと僅かに引き締まった腕から目を逸らしつつ思う。今日、俺はアーシアとデートに来ていた。

 

 

 

「やっと学校に通えるようになったんだな」

 

「出来るだけ機械に頼らない方がイザという時に困らないとはいえ、高校で通用するレベルまで学ぶのは大変だったと思うよ。ってな訳で、はい、これ」

 

 放課後、夏休み明けにアーシアが途中入学する事を聞かされた俺はご褒美に連れて行けと映画のチケットを二枚渡された。既に彼女には伝達済みなのでエスコートして来いって事らしい。

 

 

「頑張ってもっと仲良くなってウチの領地に留まる楔になってよ」

 

「えらく打算的だな、おい!?」

 

「だって悪魔で貴族だからね。商会の儲けも有るけれど、僕達が使うお金は領民の税金だよ? それを無為に使う訳にはいかないって」

 

 この時、俺は少しだけ不安だった。これは間違いなくデートだが、デートと言えばレイナーレを思い出して少し怖くなった。カウンセリングを偶に受けて様子を見ているから当初よりはマシになったけど、あれは本当に嫌な思い出だ。

 

 ……つうか、悪魔って根性論な所あるよな。トラウマとか扱えない力とかを最終的に何とかするのは自分とは言え、キチンと学んだ専門家が少なくって自力で乗り越えろって放置が多いらしいし。うん。メンタル鍛えよう。

 

 

 

 

 

「あっ、漸く来たのね。こんな警戒心が薄いの世間知らずの天然を街中に放置してたら質の悪いナンパにあうだけなんだから、もっと早く来てよね。さっきも浴衣姿の中年が名前を呼んで話しかけて来たから速攻でブザー鳴らして追い返したわ」

 

 デートの待ち合わせ場所は映画館の近くのオープンカフェ。俺が其処に到着した時には既にアーシアと、世話係なのかヴァイオレットちゃんが来ていた。この子、少しやさぐれてるけど面倒見の良い子だよな。ゼスティちゃんは自分の次にしっかりしてると言うけど、俺達の認識では……。

 

「イッセーさん! 今日は宜しくお願いします」

 

「う、うん。宜しく……」

 

 この時、俺は自分が馬鹿だと思った。いや、成績とかの話じゃなくって。まぁ成績はお世辞にも有鬚だとは言えないけれどさ。

 

 この笑顔を向けれた瞬間、不安に思った事が侮辱にさえ思えたんだ。相思相愛とは言わないけれど仲良くはしているし、ジェイルの思惑は関係無しにもっと仲良くしたいよな。

 

 

「じゃあ私は帰るわ。それとアーシアお姉ちゃん。門限は八時。遅れたら三日間デザート抜きの上に罰掃除だからね」

 

「は、はい!」

 

 この子、やっぱりしっかりしてるなぁ……。小学生相手に委縮するアーシアを見ながらシミジミそう思った。

 

 

 

「結構人が居るな」

 

「はぐれたら大変ですね」

 

 映画館は大型ショッピングモールの中に有るんだけど、休日だけあって人が多い。俺は手を握るチャンスかと思い手を伸ばそうとして怖気付き引っ込めるのを繰り返す。いや、前にジェイルに真顔で長々と説教されて自覚した事だが、今までの行いが悪いとはいえ女子に嫌われている俺だから、もし同じような反応されたらと思うと勇気が出ない。アレだ。幽霊を信じていなくても暗闇を怖く感じるのと同じ理屈だ。

 

 悪魔だから暗闇は見渡せるし、幽霊は実際居るらしいけれど。

 

 そんな事を考えた居た時、俺の手が伸びてきた手に握られる。アーシアが俺の手を握ったんだ。

 

 

「はぐれるといけませんし、手を繋いで行きましょう」

 

 平然と俺の手を握って歩くアーシア。俺は恥ずかしさと嬉しさで映画の内容が頭に入らなかった。あっ、映画はアーシアが好きなアニメの劇場版で来場特典の籖は目当てのラッチューの人形を引けたからか喜んでいた。

 

 

 

 

「イッセーさん、今日は有り難う御座いました。セッティングして下さったジェイルさんにもお礼を言わなければいけませんね」

 

 映画も終わり、ショッピングの後でファミレスでご飯を食べた後、俺はアーシアを家まで送っていた。もう少し遊んでいたいけど、マンションの窓から眼光鋭くこっちを見るヴァイオレットちゃんと・・・・・・モモンガさんが怖い。え? もう、ウチの娘に手ぇだすな的なアレ!? いやいや、流石に其れは無いか・・・・・・。

 

「あの、イッセーさん」

 

「何?」

 

 急に呼ばれて我に返った瞬間、頬に柔らかい物が触れる。キスをされたと気付くのに少し時間が掛かった。

 

 

 

「私、イッセーさんが好きです。・・・・・・お休みなさい!」

 

 告白するなり猛ダッシュで消えていくアーシア。俺は暫く立ち尽くし・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君、学生? こんな所で何してるの?」

 

「いや、あの・・・・・・」

 

「取りあえず持ってる物見せてくれるかな? 最近物騒だからね」

 

 

 剣を抜き身で持ち歩いていた不審者を警戒して増員されたパトロール中の警官に職務質問された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「話って何?」

 

「少し前から思っていたのですが・・・・・・私を眷属にして頂けませんか?」




感想待っています


魔力が上昇してコントロールが更に難しくなっているのに実際閉じこめていただけですからね。克服出来るはずがない

なお、ギャー君ですが別の理由でリアスの下から・・・・・・バッドエンドでは有りません

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