腐眼兄弟   作:蓮です

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この小説には
駄文 クロスオーバー アンチヘイト 原作改変
などの要素があります。それらが苦手な方はブラウザバック推奨です。


本編
プロローグ 


八幡side

現在中学二年生で総武中学の奉仕部の部員だった俺は絶望していた。

修学旅行の時の依頼。俺は最低なやり方で解消した。

その結果が「拒絶」だった。

 

『あなたのやり方、嫌いだわ』

 

『人の気持ちも考えてよ!』

 

その言葉が俺の心を蝕む。

どんな方法なら納得したんだ。なぜ俺だけが苦しまなければならないんだ。

…なんで…理由すら聞いてくれなかったんだ。

…なんで…信じてくれなかったんだ。

 

 

 

俺は…もう…何も無い。

小町と喧嘩した結果、親からも捨てられついに天涯孤独の身だ。

 

八幡「…ッフフ…ハハハハハ…」

 

笑いが漏れてしまった。

結局、俺は光を掴めないのか。

 

俺の居場所は…深く、暗く、冷たく、黒く、苦しい闇の中。

それが俺の居場所だ。

俺はそれを…受け入れた。

 

八幡「どうせ俺なんか…」

 

もう二度と、光を掴むことはできない。

ならば、闇の中を生きよう。

この命が尽きるその時まで…

 

*****

 

一夏side

 

現在中学二年生。家出中である俺は世界に絶望していた。

俺は姉と兄に苦しめられていた。

全てを否定され、貶され、傷つけられ…もう、いやになった。

姉の織斑千冬は世界最強。兄の秋也は天才。

それに比べて俺は平凡そのものだった。

平凡だから認められるために努力した。

けど、認められることはなかった。

俺はただの雑用でしかない。

秋也の取り巻きにリンチされたりするのはもう嫌だった。

認めてくれない千冬姉の下にはもういたくなかった。

だから逃げ出した。

俺は弱者だ。

何も残っていない。

頼れる友は…突き離した。危害が及ばないように。

愛してくれる家族…いない。

認めてくれる人…ハッ…笑わせるなよ…

何も無い。空っぽの体だ。

…もう、嫌だ。

 

 

 

俺は何も考えずにただ歩き続けた。

何も無いというのに。

…死んでやろうかな。遺書でも書いて。

…俺はもう甘さなんて捨てる。

聖人君子?いるわけねえだろうが。

神?頭沸いてんじゃねえか?病院行ってこい。

 

一夏「どうせ俺なんか…」

 

俺は歩き疲れたので近くのベンチに座り込んだ。

…となりにいる男にも気づかずに。

 

*****

三人称side

 

八幡と一夏は気づかないうちに同じ公園に来ていた。

八幡が座っている隣に一夏が座っている。

…だが、もちろん会話は無い。

誰もいない公園は静寂に満ちている。

闇のように暗い公園だった。

街灯が壊れていたため、光は無い。

まるで二人の心の闇を表すかのような「無」だった。

 

八幡「…お前は…なぜ項垂れている?」

 

八幡が口を開いた。

だが、八幡自身も驚いていた。

なぜそんなことを聞いたのか…と。

 

一夏「俺は全てが嫌になった。光なんて無い。」

 

八幡「…そうか。…お前は…俺と同類かもな。」

 

一夏「…どういうことだ?」

 

八幡「…俺も絶望したんだよ。人に。闇にしか俺の居場所はない…

   俺はそれを、受け入れた。」

 

一夏「ああ、そういうことか…」

 

そこで会話は一度打ち切られ、再び公園を静寂が満たした。

 

一夏「…ならせめて、傷の舐め合いくらいはしないか?」

 

八幡「…なんで、そんなことを平然と提案する?」

 

一夏「…俺にもわからん。けど…そうした方が少しは心が楽だと思ってな…」

 

八幡「お断りだ。群れることは絶対にしないと決めたんだ。

   俺の絶望は群れへの執着から生まれた。」

 

一夏「群れるわけじゃない。ただの傷の舐め合いだ。

   俺も群れるのは好きじゃない。むしろ嫌いだ。」

 

八幡「ああ…そうか…

   …お前…名前は?」

 

一夏「俺は一夏だ。

   『織斑』はもういらない。」

 

八幡「そうか。俺は八幡。俺も、『比企谷』はもう必要ない。」

 

二人は歩き出した。

少しだけ、足取りは軽い。

二人は闇の中へと進み始めた。

一歩一歩。着実に、闇へと染まっていく。

 

しかし突然二人の前に。一人の女が現れたのだった。

 

*****

束side

私はいっくんが日に日にやつれていくのをずっと見ていた。

やらなければならないことが多すぎるから、助けられなかった。

いや、もう今となっては言い訳にしかならない。

 

 

なぜなら目の前のいっくんの瞳は、深い闇のような色をしていたから。

 

 

ああ、そうか。世界はこんなにも残酷なのか。

私は研究ばかりだった。

 

もしもISを作らなければちーちゃんはいっくんを見ていたのだろうか。

私がいなければいっくんはこんなことにはならなかったのではないか。

 

これは私が背負うべき罪だ。

…私の、ただの自己満足かもしれない。

けど、やるんだ。少しでもいっくんのためになるのなら。

そのためには命でさえ賭けよう。

隣の少年についてはよくわからないけど、これから知っていこう…

私はそう考えていた。

 

束「いっくん…」

 

一夏「…?ああ、束さんじゃないですか…」

 

八幡「…誰だ?」

 

一夏「…篠ノ之束。IS…インフィニット・ストラトスの開発者。」

 

八幡「…そうか。」

 

束「…いっくん、一つ提案させてもらっていい?」

 

一夏「…なんですか?」

 

束「…私のところに…隣の子も一緒に…二人で、来てくれないかな?

  私はいっくんの言うことをなんでも聞くし、その子の言うことも聞く。

  だから…私も…傷の舐め合いに混ぜてくれないかな…?」

 

そういうと二人は話し出した。

しばらくすると、二人は結論を出したようだ。

 

一夏「束さん。連れて行ってください。

   あなたの下にいる方が…ここよりずっといいでしょうから、」

 

束「うん。了解。それじゃあ…」

 

八幡「少し、待ってください。…最後に…少しだけ。」

 

束「…うん。わかったよ。」

 

いっくんの隣の子はメールを打ち始めた。

少しするとケータイを投げ捨て、顔を上げた。

 

八幡「お願いします…」

 

束「…ケータイはいいの?」

 

八幡「ええ。もう必要ないんで捨てただけですし。」

 

束「そっか。…それじゃ、こっちだよ。」

 

私たちは日本にいくつかある中で一番近い隠れ家に向けて歩き出した。

徒歩で隠れながら行った結果、数十分かかったが、無事に着いた。

そして荷物の確認をさせ、移動ラボを動かし、空へと向かい始めた。

これから私たちの傷の舐め合いが始まる。

各々の苦しみを少しでも軽くするために、私たちは、傷を舐め合う。

 

*****

三人が出会ってから1年と数ヶ月が経った。

三人にはある程度の友情が生まれ、ある程度平和に暮らしていた。

ちなみに一夏と八幡は名字を捨てたがそれだと色々厄介になるため、新しい名字を名乗ることにしていた。

…さて、突然話が逸れたが、戻すとしよう。

ある日、とあるネットニュースが流れた。

 

ISを動かせる男の出現。

そのISを動かせる男の名は織斑秋也。

一夏の元兄である。

 

三人は思わず笑みを浮かべた。

悪魔のような、狂気の混じった笑みだったが…

 

束「どうする?潰す?」

 

「「当たり前です」」

 

束「オッケー!じゃ、二人とも、40秒で支度しちゃって!」

 

「「もうできてます」」

 

束「さっすが!さあ、二人とも、IS学園に殴り込みに行くよ!」

 

「「了解。」」

 

三人は歩き出した。

確かに、一歩ずつ。

グチャグチャに引っ掻き回すために…一歩ずつ歩き始めた。




・総武が高校ではなく中学校
・八幡が奉仕部に入部したのは中二の時
・八幡の心が折れた
・折本に告白してない
・一夏の心が折れた
・一夏の目が腐った
・名字が変わった
・オリ兄がいる

以上の点が現時点での原作との変更点です。

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