花結いのきらめき・二人の勇者の章   作:水甲

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今回は6月誕生日イベントの最後とちょっとしたオリジナルの話になります


06 

桔梗SIDE

 

夏凛と若葉のプレゼントである鍛錬は何とか終わった。まさか最後は僕、夏凛、若葉の三人で他の勇者全員と模擬戦することになるとは思っていなかった。

 

「皆強すぎだろ。というか僕も鍛錬不足かな」

 

「桔梗、お前の世界はもう平和なんだから戦う必要はない。鍛錬不足もしょうがないと思うが……」

 

若葉がそう言うけど、ちょっと鍛え直したほうがいいかもしれないな。今後の事を考えて、ちょっと鍛えたほうがいいな

 

「これで若葉ちゃんたちのプレゼントである鍛錬は終わりですね。あとは皆でケーキでも食べましょう」

 

ひなたがそう言い、僕らは部室に戻り皆にお祝いをしてもらったのであった。こうやって皆に誕生日を祝ってもらうのも悪くないな。ただ贅沢を言えば美森と二人っきりで祝いたかったな。元の世界に戻ったら言ってみるか

 

そんなこと思いながら寮の部屋に戻ろうとした時、美森に声をかけられた。

 

「桔梗くん」

 

「美森。何だ?」

 

「東郷って呼んでほしいのだけど……でも癖なんだよね」

 

気をつけてるつもりなんだけど、やっぱり名前で呼んでしまうな。

 

「それで何か用か?」

 

「うん、これ友奈ちゃんとプレゼント買ってきたんだけど、何故か風先輩に私が渡したほうがいいって言われたんだけど……」

 

いや、確かにプレゼントもらうのは美森からだったら嬉しいけど、でもこっちでは恋人同士ってわけじゃないし……これって浮気にならないよな。まぁこっちに知り合いがいるわけないから、あんまり気にしない方が良いかもしれないな。

 

「ありがとうな。開けてみてもいいか?」

 

「うん」

 

僕は早速プレゼントが何なのか見てみると、プレゼントはスケッチブックだった。

 

「前に絵を描くのが好きだって聞いたから、スケッチブックにしてみたんだけど……」

 

「ありがとう。嬉しいよ」

 

僕がそう言うと美森は顔を赤らめながら微笑むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寮の部屋に戻ると何故か海が疲れた顔をしていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「いや、桔梗さんが帰ってくる前に、変な女の子が来てたんですけど……いろいろと言われて疲れましたよ」

 

変な女の子?誰だ一体?もしかしてこの世界に他の勇者がいるのか?

 

「それで桔梗さんに伝言預かってるんですけど、えっと、『別の世界に来たからって、浮気はだめだよ。あとで言いつけとくから』ですって……あの浮気って……」

 

ちょっと待て、浮気したつもりは……いやさっき美森にプレゼントを貰ったときのことを言ってるのか?だけど周りには僕と美森しかいなかった。まさかと思うが……

 

「なぁ、その女の子って、こう神秘的というか……見た目の割に何だか偉そうな感じだったか?」

 

「そんな感じでしたね。何者なんですか?」

 

「そいつが僕らの世界の天の神なんだよ。平和になって四国以外の大地を作り直すためにちょくちょく天の世界から来るんだけど……こっちに来れたのか」

 

「何だか神様って何処の世界でも自由なんですね」

 

海は誰か思い当たるのか、苦笑いを浮かべていた。そういえばこいつも神様と交流があったんだっけ?

というか美森に報告するって言っていたな………やばい、帰りたくない。絶対に怒られる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海SIDE

 

 

誕生日会から数日後、ここ暫くの間は僕らは造反神に支配された土地の開放を行っていた。それにしてもこちら側の造反神のバーテックスはあっちと比べてそこまで強くない。ただ数が多いだけだ。

 

「これも世界の違いってやつなのかな?」

 

「何を独り言言ってるの?」

 

「今は戦いに集中しろ」

 

千景さんと桔梗さんの二人に注意されてしまった。今回の戦いは分担して敵を撃退していく作戦になり、僕ら三人で敵を撃退していった。

 

「悪い悪い。それじゃ借りますよ。雪花さん!!」

 

僕は雪花さんの槍を取り出し、迫りくるバーテックスに向かって槍を投げつけ串刺しにしていった。

 

「敵が多いな。海!!一気に殲滅できるような事はできないか?」

 

「満開を使えれば何とか出来るんだけど、こっちだと発動しなくって……僕自身の切り札はそういう戦い方に向かないんです。だけど……」

 

僕は桔梗さんの大鎌を取り出した。こういう敵の多い場合は桔梗さんの武器の特性を使えば……

 

「なるほどな。それじゃ同時に行くぞ」

 

僕と桔梗さんは物凄い速さでバーテックスを切り刻んでいった。こういう時にはスピードを活かして倒すほうが一番だな

 

「大型が来るわ」

 

千景さんがそう言った瞬間、大きな魚型のバーテックスが現れた。こういう時は……

 

「借りますよ。千景さん」

 

僕は一気に接近し、大型バーテックスの顔面を大鎌で切りつけた。

 

「とどめは……」

 

「私達が!!」

 

僕が切りつけたと同時に桔梗さんと千景さんが同時に大鎌を振り下ろし、大型を撃退したのだった。

あの大型がこの土地を支配していたボスだったのか、樹海が解けると同時に元の土地に戻っていた。

 

「これで今回の作戦は終了だな。皆の所に戻るか」

 

「えぇ……」

 

二人が変身を解く中、僕はある事に気がついた。そういえばこの二人の武器って……

 

「気になっていたんだけど、桔梗さんと千景さんって何で同じ武器なんですか?」

 

「どういうこと?」

 

「いや、時代は違うけど、似たような武器を使うのは珍しいなって……」

 

僕みたいにみんなの武器を使えるという特典を貰っているわけじゃないのに、何で似たような武器なのか気になった

 

「偶然じゃないのか?」

 

「それならいいですけど……まさか二人が先祖と子孫という関係だったりしてと思ったんですけど………そんなことないですよ」

 

僕がそう告げた瞬間、何故か場が凍りつくのであった。何だろう?余計なことを言ったのか

 

 




次回からは桔梗と千景の関係性についてやります。完全にオリスト+オリジナル設定ですね

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