牡丹side
気がつくと勇者部の部室に来ていた。何が起きているのか分からないけど、もしかして前の造反神の関係かと思った。
「牡丹と友海の二人も来たみたいね」
「うん、お久しぶりです」
友海がそう言うけど、久しぶりでいいのかな?こっちのみんなは前回からどれくらいの時間が経っているんだろう?
「二人からしてみれば、久しぶり…………二人と言うより特殊組はだね」
「赤嶺さん、久しぶり」
赤嶺さんもいるけど、今回は味方側らしい。
するとまばゆい光が現れ、そこから二人の少女が現れた。一人はお父様の世界の友海の父親…………上里海(女子)ともう一人は…………みゆ!?
「ここは…………なるほど以前聞いた造反神の…………」
「んん、あれここどこ?」
「新しい子達だね。赤嶺ちゃんの知りあい?」
「ううん、見覚えがないね」
「お二人は知り合いですか?」
ひなたさんがそう訪ねてきた。私は説明しようとした瞬間、みゆが…………
「ママ~」
園子さんに抱きついてそんなことを言った。私と友海は固まった。
「ママ?えっと誰かと間違えてない~」
「ううん、ママだよね。こっちの人は友海お姉ちゃんのママだよね」
友奈おば様を指差してそう告げるみゆ。みゆの発言で私、友海、赤嶺さん、海さん以外の全員が固まった。
桔梗side
海から改めて友海達の事を聞くことになった。
聞き終えてかなりややこしい。
友海→海と結城友奈の娘。
牡丹→海の世界の僕と東郷の娘。
海(女子)→僕の世界の上里海。中一で大赦の巫女
みゆ→別の世界線で海と園子が結婚して出来た娘。勇者と巫女の素質を持ったハイブリッドな子
「えっと、ややこしいけど、海は色々と手を出してるってこと?」
「先輩、お願いですから変なことを言わないでください!!」
「にしてもお前たち特殊組は前の戦いから少し時間が経っている感じなのか?」
若葉の質問に僕は頷いた。僕は前の戦いの後、勇者部にとってかなりきつい戦いを経験している。あの時は海と海の仲間の助けがあってなんとか出来た。
「色々とあったけど、その色々のお陰で今は凄く平和だ」
「僕の方は桔梗さんみたいにきつい戦いは…………多くあったけど、色々とあって僕の世界の天の神はもう人類を襲うことは無くなったかな」
「お二人はかなり大変な思いをしたみたいですね。因みに海くんの言う天の神が人類を襲わないと言うのは?もしかしたら…………」
ひなたの言いたいことは分かる。もしもこの世界の記憶を維持できたら、自分達の時に活かせるかもしれない。
僕も気になっていた。海はどんな風に和解したのか…………
「………………あまり信じられないことかもしれないし、参考にできないですけど、僕の世界の天の神は、ある魔導師に恐れて、和解と言うか逃げたと言うか…………」
うん、意味が分からないけど、ある魔導師って…………あいつか?
「神が恐れる?」
ひなたも意味が分からないみたいだな。すると友海が手をあげて、
「私の師匠だよ。凄くかっこよくって、綺麗で大人っぽくって、パパが絶対的な信頼を得てる人だよ。街の人には神が恐れた存在って呼ばれてるよ」
「は、はぁ」
友海の説明で更に困惑してないか?と言うかあいつだよな。確かにあの時、天の神が作ったシステムに大ダメージ与えてるし…………
「詳しくは言えないけど、まぁ、神が恐れた魔導師がいるのは確かだね。友海と赤嶺が使ってる爆裂勇者パンチもそいつの影響だし」
「まぁ、あの子は極めてるからこそだね。でもあの子がそんな重要な鍵になってるなんてね…………」
赤嶺も知ってるのか…………
そういえばこの場にあの三人がいないけど、遅れてるのか?
そんなことを思っているとアラームが鳴り響いた。
あの三人は次回登場します。三人と言うか二人と一体と言うか…………
そして神が恐れた存在…………出すかどうか迷っています