桔梗side
樹海で僕と海は向き合った。確かにここなら全力を出しても問題はないけど……
「みんなが見てる前か……」
「手加減とかできそうにないですね」
「する気だったのか?」
「まさか……本気でやりますよ!!借りますよ!!若葉さん!」
海は若葉の武器を取り出し、切りかかってくる。僕は槍で斬撃を防ぐ。本気でやるっていうことなら……
「槍とか銃とかじゃなく……こっちだろうな」
僕は大鎌を取り出し、陰のような姿で海を切りつけていった。海は先輩の大剣で攻撃を防いでいくが、僕は大きく振った瞬間、海の大剣を弾き飛ばした
「防ぐだけで……僕を倒せると思うなよ!!」
「倒せると思っていない!!借りますよ!!桔梗さん!!」
海は僕の鎌を取り出し、同じように陰になって、僕とぶつかり合った
友海side
パパたちの戦い。お互い譲れないからこそのものなんだろうけど……
「パパ……」
私は心配でしょうがなかった。パパが無理をして倒れなければいいと思っていた。
「牡丹。ちゃんと見届けよう。お父様たちの……戦いを」
「うん」
海side
桔梗さんと何度もぶつかり合う。だけど明らかに僕のほうが押されている。僕の力は借り物の力。本来の使用者みたいに扱うことができない。
「それでも……僕は…」
「それでもお前は……どうしたいんだ!!」
桔梗さんは距離を置き、両手をかざした。手の先から力が集まっていく
「僕は辛い未来を知っているからこそ……変えたいんだ!どんな世界でも……」
「誰かがそれを望んでいるのか?望んでいないことでもお前は……」
望む望まないことは関係ない。僕がそうしたいから……
「天神刀!!」
真っ赤な刀から放たれる炎を僕は受けるのみだった。こんな所でまだ負けるつもりはない。だからこそ……
「はあああああああああああああああああああ!!」
体中から力があふれ出した。まだ僕は諦めない。最後まであがきたいから……
赤嶺side
海くんの姿が変わり始めた。あれは満開の姿?でも切り札を使ったときと似ている
「あの姿は……」
「待って、友海、あれって……」
「まだパパは行き着いてないのに……」
「ちょっと未来組は何か知ってるの?」
「あれはパパの全力の姿……全部混ぜ合わせた姿なの……」
まさか海君は……満開と切り札を混ぜ合わせた?海君は高嶋友奈の切り札と結城友奈の満開を混ぜた姿に変わり、桔梗君に迫った
桔梗side
お互いの全力がぶつかり合い、爆発が起きると……僕はボロボロになりながらも立っていた。海は……
「……もう動けないですよ……」
倒れたまま、満足そうにしていた。お前の全力……見せてもらったよ
「決着でいいのか?」
「はい……」
海も満足そうにしている。お互いの気持ちも分かった。だからこそ海が出した答えがこれなんだろうな。
すると赤嶺が僕らのとこに来ると……
「海君、きっと運命は変えられるよ。この海君なら……見せてくれるはずだから……見られなかったものを」
赤嶺も満足にしていると、あることを告げた。
「みんなに全部話すね。今回の事件の真実を……」
部室に戻ると赤嶺は語った。今回の事件の真実。それはいつか来るであろう出来事に向けての演習みたいなものだった。
「いつかくるかもしれない出来事?」
「それが何なのか分からないけど、造反神は元々造反なんてしてなかった。勇者たちを鍛えておきたかったんだよ。私はそう聞かされた」
「それじゃ赤嶺の世界の僕を復活させるって言うことは?」
「ちょっとした理由がほしかったからね……でもそれができたらいいかなって思っていたけど……」
全部神様が僕ら人類を試したって言うことか……
「でも見られてよかったよ。海君の可能性と桔梗君の本気を……これならあなたたちは運命を変えられる」
赤嶺は何だか嬉しそうにしていた。こいつの未来は一体どんなものなんだろうか?
すると地響きが鳴り響いた。
「最後の試練だよ。造反神に勝って見せて」
僕らは樹海へ行くとそこには円盤型のバーテックス。造反神。天の神を模した姿だ。
「本気の姿って言うことか?」
「だとしても僕らは負けるつもりはないですよ」
「そうだな……海!!」
「はい!!」
僕らは造反神へと向かっていくのであった。
次回、最終回となります