花結いのきらめき・二人の勇者の章   作:水甲

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最終章を書こうと思い、いろいろと飛ばしながらの話となります


始まりとしては誰が残るか誰が帰るべきかの選択の話となります


最終章
57


桔梗side

 

四国の地を全て奪還することができ、赤嶺とその協力者である四葉を捕縛したが、赤嶺から聞かされた世界の真実……そして元の世界に帰れば、この世界での出来事を忘れてしまうということ……

 

「まぁ記憶が消えないままでいられるのは、特殊な方法で召還された、桔梗君、海君、灯華ちゃん、姫野、四葉ちゃん、未来から来た二人だけだね」

 

「何で僕らだけ?」

 

「桔梗君たちはこの世界とは別の世界の人間。まぁ正直な話、神樹様や天の神、造反神とは別の神様の加護を大きく受けているからね」

 

「僕は加護を受けているわけじゃ……」

 

「天神刀。それが加護……ううん、天の神の力そのものなんだよ。だからこそ……」

 

天神刀……確かにそうかもしれないけど……

 

「姫野ちゃんたちはわかっているよね。元々そういった素質があるっていうことを……」

 

「えぇ、そうね」

 

「私も……そうですよね」

 

「海君は……」

 

「僕は精霊の影響が大きいってことだよな。何となくわかっていたけど……」

 

「あの、私は……」

 

「灯華ちゃんは新たな可能性を宿した存在だからね。神様に近いことをしたことが理由でね」

 

魔王システムのことか……あれも言うなれば神様に近づこうとした副産物みたいなものだよな

 

「それを踏まえたうえで、選択したほうがいいよ」

 

そして僕らはみんなの意見を聞くことになった。残るべきと決めたのは、高奈、千影、雪花、須美、園子(小)、勇者部面々、雀。

そして……

 

「私は神様みたいなもの。悪いけど、私はみんなの決定に従うから……」

 

「私もご先祖様と同じで……」

 

姫野の二人はそう告げた。この二人らしいというべきだろうか……

 

「私は……残りたい。できる限りのことがあるなら、最後までやれることをしてから……」

 

灯華は決意した顔でそう告げた。できる限りのことか……

 

「私は……残りたい。みんなのことを救いたいから……」

 

「でも友海、私たちは知ってるはずだよ。みんながやってきたことを……それが全部後悔してなかったことを……」

 

「変えられるなら、変えたいから……意見割れちゃったね。牡丹」

 

「うん、でも……」

 

未来から来た二人の選択も聞き終え、残ったのは僕と海だけか……

 

「僕は帰るべきだ。このままこの世界にいたら、ずっとここにいたいって思い始めて……いつか帰ることを忘れてしまうから……」

 

「桔梗……あんたらしい答えだね」

 

「海君、あなたは?」

 

赤嶺の問いかけに、海は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海side

 

「僕は残る」

 

僕の答えを聞き、桔梗さんは更に問いかけを続けた

 

「何でだ?」

 

「僕はこの場にいる勇者たちの運命を知っているし、誰がどのようにって言うことも知ってるからこそ……もしも記憶を残せる方法があるなら……最後まで探し続けたいから……」

 

「海……」

 

意見が割れてしまった。みんな、どうするべきか考え始めていると、赤嶺があることを告げた

 

「それだったら、お互いぶつかり合ったら?話し合いだけじゃ進まないならね」

 

「互いにぶつかり合って、消耗したところを狙うということじゃないだろうな」

 

若葉さんがそう言うけど、赤嶺は首を横に振った

 

「今更そういうことはしないよ。ただみんなならそうするだろうなって思ったんだよ」

 

ぶつかり合うか……たまにはそういうのも悪くはないな

 

「桔梗さん」

 

「あぁ、みんな、できればコレは僕と海の二人だけでやらしてほしい」

 

「あんたらが代表してって……」

 

「それで私たちが納得できるのかしら?」

 

「正直、どうなるか分からないけど、でもこれは僕らがやるべきことだから」

 

「みんな、悪いけど……」

 

「いいわ。あんたら二人に任せるわ。ただしどっちも本気でね」

 

「「はい」」

 

僕らが戦うことが決まると、赤嶺は指を鳴らした

 

「それだったらふさわしい場所で……普通の場所だとかなりやばいことになるからね……影響が出ないところで戦ってもらうよ」

 




海は西暦組と銀の最後を知っているからこそ、残りたいと願い、桔梗は忘れてしまうことを恐れているからこその選択です

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