花結いのきらめき・二人の勇者の章   作:水甲

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海SIDE

 

僕、友奈、東郷、そのっち、雪さん、モモさんと一緒にショッピングモールに来ていた。

 

「何でショッピングモール?」

 

「こういった人が集まる場所なら情報が集まりやすい。それにちょっとした不審な行動をしているものも見つかるかもしれない」

 

不審な行動か……見る限りはみんな普通な感じだけど、するとそのっちがあることに気がついた

 

「それだったらあの人達かな?」

 

そのっちが指を指したほうを見るとそこには黒服の男が歩き回っては立ち止まり、メモをしている。確かに怪しい気がするけど……

 

「もしかしてお仲間かな~」

 

「仲間って勇者の?」

 

モモさん、そのっちの言う仲間は意味が違うんだけど……すると雪さんが確かめに行き、男の一人にぶつかり、ころんだ。すると男は雪さんを助けようとせず、すぐにその場を立ち去り、代わりに周りにいた人たちが雪さんを助けに入った。

その隙にモモさんが直ぐ様男を追いかけていった。

 

「一瞬でいなくなったよ!」

 

「そういったプロだからじゃないかな?」

 

「あとはモモの帰りを待つだけだが、さっきのでわかったことがある。この世界の人々はみんな優しい……」

 

「まぁ基本的には悪人っていうのはいないからな」

 

とはいえ悪人がいないからとはいえ、ちょっとした考えの違いがあるからな……

しばらくしてモモさんが戻ってきた。モモさんは不思議そうな顔をしていた。

 

「すみません。師匠。尾行に失敗したのですけど、友奈ちゃんは……一緒にいました?」

 

「あぁ、いたが」

 

「さっきの男たちが友奈ちゃんと似た子と話していたんですが……」

 

友奈と似た子?それに怪しい奴らと話していると言うと……

 

「もしかしたら……」

 

「あぁ、一度戻るぞ」

 

とりあえず僕らは一旦部室に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部室に戻るとモモさんは友奈さんに話を聞いていた。

 

「えっ?私はそんなところに行ってないよ」

 

「でも確かにこの目で……」

 

友奈さんを疑っているみたいだけど、まぁツキカゲメンバーは彼女のことを知らないからな……

 

「モモ……」

 

「はい、失礼します」

 

モモさんは友奈さんの首筋を舐めた。その瞬間、千景さんから殺気が漏れ出した。

 

「……海」

 

「はいはい」

 

僕は先輩に頼まれ、千景さんをワイヤーで縛り上げた。

 

「ちょっと離しなさい!あの女……」

 

「良いからおとなしくしてましょう。千景さん」

 

この場で暴れだしたら、部室が倒壊しかけないからな……

 

モモさんが確かめた結果、嘘はついてないことが分かった。

 

「でも友奈ちゃんにそっくりな子がいた事は真実です」

 

「……だとしたら赤嶺だろ」

 

「またなにか企んでるのか?」

 

「赤嶺?というかそっくりなやつがまだいるの」

 

楓さんがそんな事を言うけど、まぁそういった世界だから仕方ないことなんだけど……

 

「初芽」

 

「はい、パソコンをお借りしてもいいですか?」

 

「いいですけど、何を?」

 

「さっき男と接触した際に小型の発振器をつけておいた。これを使って居場所を確認すれば……」

 

初芽さんがパソコンで居場所の確認をしていると、その場所が判明した。そこは……

 

「ここって、大赦……どうして……」

 

不穏分子の居場所が大赦にいるという事を知り、亜弥はショックを受けていた。でも他のメンバーも

 

「待って、隠し事はするけど基本的には世界平和を願う団体よ!」

 

「僕と灯華がいた世界ではちょっと違うけどな」

 

「はい、色々とやばいことをしようとした人がいましたから……」

 

桔梗さんたちはそう言うけど、とりあえずこっちではそういう事を考える人はいないかもしれない

 

とりあえず今後どうするか話し合うことになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話し合いをしているうちにバーテックスが出現し、僕らは戦うことになったが、ツキカゲメンバーの協力を得て、何とか撃退し、例の不穏分子が0時に大橋の近くに集まると情報得た僕らは、大橋に来ていた。

 

「見つけた!」

 

大橋にたどり着くと、赤嶺と神官数名が集まっているのを見つめた。

 

「あれ?どうしてここに?」

 

「あ、あなたは初代勇者!?乃木若葉様!?」

 

神官たちが若葉さんを見て、ひざまついていた。何というか初代勇者ってだけで凄いな……

 

「勇者全員……どうしてここに?」

 

「お前の悪巧みもここまでだ」

 

「悪巧み?これはただのパーティーだよ」

 

明らかにパーティーには見えないんだけど……

 

「赤嶺ちゃん、本当のことを言って、私達はちゃんと調査をしたんだよ」

 

「調査?それこそ嘘じゃない?あなた達にはそんなことできないはずだけど」

 

「なんでよ!」

 

「脳筋だから」

 

赤嶺の言葉がその場にいたほぼ全員に突き刺さっていた。いやまぁ確かに脳筋はおおいけど……

 

「私達がその調査を行ったんだ」

 

「誰?新しい勇者が来たことは聞いてないけど」

 

「勇者ではなくツキカゲだ。諜報活動に関しては特化しているつもりだ」

 

雪さんがそう言うと、赤嶺が驚いた顔をしていた。

 

「なるほどね。確かにそういったことが得意な人がいたらバレちゃうか。でも私は悪いことはしてないよ。調査したのならわかってるよね。食料の流通とかそういった些細なことしか調べてないよ」

 

確かにここまでの調べた結果はそういうものだったけど……言われてみれば悪いことは……

 

「いや、僕と灯華には覚えがある」

 

「そういうことの裏で、何か企んでいるんだよね。もしかして世界の真実をみんなに教えるとか」

 

「……あぁなるほどね。君たちはそうだったね。それ正解だよ。境界の世界から来た人たち。でも勇者たちには神官たちを攻撃することはできないよ」

 

「……僕らだと攻撃したら殺しちゃうからか」

 

「加減とかできないよね。それに桔梗くんや海くんに対しては女性神官は攻撃はできないよね。何せ、男女平等主義みたいなものを持ってるから」

 

「くっ!?」

 

みんながうかつに動けない中、僕はというと、ちょっと後ろに下がり、軽く跳んでいた。

 

「あの何してるの?」

 

五恵さんが僕の行動を疑問に思っていた。僕はと言うと……

 

「ん?ちょっと準備体操をして……」

 

とりあえず僕は思いっきり駆け出し、女性神官に思いっきりドロップキックを喰らわした。

それを見たその場にいた全員は……

 

『えぇーーーー』

 

思いっきり引かれていた。すると友海と牡丹は

 

「パパ、やって大丈夫?」

 

「多少加減に失敗するかもしれないですけど、骨折程度ですから大丈夫ですよね」

 

「あぁ」

 

「いや、海くん、何をしてるの?女性相手に手を挙げるなんて」

 

「いや、赤嶺は知らないのか?だったら教えてやるよ。ある人が教えてくれたんだ。真の男女平等主義者なら女性に対してドロップキックをぶちかませって」

 

「……忘れてたよ。あの人のことを思いっきり信頼してたんだっけ?」

 

「と、とりあえず海、友海、牡丹は対人戦になれているなら、協力する」

 

「分かりました。雪さん」

 

「はぁ、何だか面倒事になってきたね。とりあえず私はここで逃げるかな……」

 

逃げようとした赤嶺をモモさんが咄嗟に手を掴み、舐めた。

 

「ひゃ!?何?」

 

「……赤嶺ちゃん、もしかして……」

 

「もうここで撤退」

 

とりあえず僕らは残った神官をボコボコにするのであった。


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