今回は花結いの章の話……ではなく一年に数回起こる誰かとのイチャラブを書きたいという発作が起きました。
という訳で今回のメインはひなたと前回に引き続き海となっております。
時系列的には国土亜弥が参戦、赤嶺ちゃんとの一騎打ち終了後、ひなたの誕生日会終了後、防人組参戦前となっています
海SIDE
ある日のこと、僕はため息を付いていた。
「どうかしたんですか?海くん」
隣にいるお姉ちゃんが心配そうにしていた。
「ため息をつくと幸せが逃げちゃいますよ」
いや、ため息の原因はお姉ちゃんと言うか……この現状というべきか……
「本当に明日には取れるんだよね」
「はい、そうみたいですよ」
僕とお姉ちゃんは手を握ったまま離れることが出来なかった。そもそもの原因は赤嶺だったりする
数時間前
買い物に出かけているとお姉ちゃんと出くわした。
「お姉ちゃん、一人?」
「はい、海くんは買い物ですか?」
「そんなところ……それにしても」
お姉ちゃんが一人でいるところは珍しいな……いつもだったら若葉さんと一緒にいるのに……
「それにしても……なんですか?」
「いや、なんでもないけど……」
「おかしな海くん……海くん、聞きたいことがあるのですが」
「聞きたいこと?」
一体何の話だろうと思っていると突然突風が起き、気がつくと僕らの前に赤嶺がいた。
「やっほ~海くん、久しぶりだね」
「何しに来た?」
「警戒心丸出しだね……今回は搦手を使おうと思ってね……行っちゃって!」
赤嶺がそう指示を出した瞬間、変わった姿の精霊が現れ、こっちに向かってきた。僕は避けようとするがお姉ちゃんが狙われると思い、咄嗟に庇った。
「いたっ……くない?」
「これは……」
気がつくと僕とお姉ちゃんの手がくっついていた。これは……赤嶺が僕の動きを封じて出撃させないように……
「……失敗しちゃった。えへっ」
可愛く言う赤嶺。いや、失敗って……
「本当だったら海くんと私をくっつかせようと思ったのに、上里ひなたとくっついちゃったか……」
「赤嶺さんはまだ海君のことを諦めてないんですね」
「とりあえず失敗ならどうにかしてくれないか?」
「そうだね~って言いたいけど……ごめんね~それはすぐに解けないようになってるの」
こいつ……
「解除条件は一日経たないと駄目なんだ。ごめんね」
赤嶺はそう言い残して姿を消すのであった。本当にこいつは……
「さて海くん、どうしましょうか?」
「とりあえずみんなに相談しないとな」
みんなに相談した結果、一日経てば元に戻るとのことで僕とお姉ちゃんが我慢することとなった。後は宿舎の空いてる部屋で過ごすこととなった。同室の相方に迷惑がかかるからとお姉ちゃんがそういうからだった。
「赤嶺さんは嘘はつかないと思いますよ」
「それはそうだけどさ……」
赤嶺の場合は確かに嘘をつくということはなさそうだけど……信じていいんだよな……
「所で海くん、気になったことがあるのですが」
「何?」
「お風呂どうしましょうか?」
笑顔でそう告げるお姉ちゃん。考えてみればそうだよな……どうしよう……
「……僕の腕を切り落とすのと目を潰すのどっちがいいだろう?」
「発想が物騒ですよ」
いやだってお姉ちゃんと呼んでいるとはいえ、本当の姉弟という訳じゃないし……というかお互い年頃だし……
「私は気にしないよ」
「お姉ちゃん、僕は男の子だよ……」
「えぇ分かっていますよ。信頼できる男の子だって……襲ったりしないって信じていますから」
何というか僕はなんでこう信頼されているのだろうか……だけどここで変に駄々をこねるよりかは諦めたほうがいいな
着ている服は鋏で切ることにした。まぁ元に戻ったら僕が直すからいい。あとは……
「本当に気にしなくていいのに……」
「気にするからね……」
僕は目隠しをしながらお姉ちゃんとお風呂に入ることになった。やっぱり男として恋人以外の裸を見ることは出来ない……
「あっちの世界の私とは一緒にお風呂に入ったりはしなかったんですか?」
「したことないからね。普通に」
「それじゃ今度あちらの私と話す機会があったら話してみますね」
何でそうなるんだよ……というかお風呂くらい一日休んでも良かったんじゃ……
ため息を付きつつ僕は諦めながら一緒にお風呂に入るのであった。
それから特に問題はなく、お姉ちゃんと一緒のベッドに寝ることとなった。
「海くん、狭くないですか?」
「大丈夫……」
「そうですか……」
何というか沈黙が続くな……そういえばお姉ちゃんが僕に聞きたいことがあるって言ってたけど……
「ねぇ、お姉ちゃん。そういえば聞きたいことって?」
「聞きたいこと……そういえば忘れてました」
忘れていたのかよ……
「これは私の誕生日の時に園子さんから聞いたことなんですが……本来は他の人に話すべきことではないって言われているんですが、園子さん曰く海くん、桔梗くん、姫野さん、友海ちゃん、牡丹ちゃん、灯華さんには話しても大丈夫そうです」
「何?」
「私たちはすべてが終わった後、この世界での出来事……思い出についてです」
「……もしかして忘れてしまうかもしれないってこと?」
「知っていたんですか?」
「知っていたと言うよりかは何となくそう思って……何で僕らだけには話していいの?」
「これはあくまで想像ですが……海くん達は私たちがいた世界とは別の世界の住人……それも数多くある世界の中の存在するのが低い確率の世界から生まれた人間……例外的な存在だからです」
「例外……」
「例外な存在は記憶等が失わないと思って……」
そうなのかな?でも戻ってみないとこれははっきりしないよな……あれ?でも赤嶺も下手すれば例外的な存在だから記憶とか……深くは考えないようにするか
「私は園子さんからこの先の皆さんの未来について聞かされています……正直聞きたくないことが多かったですが……」
「お姉ちゃん、それでも……」
「分かっています。回避できるかどうかはわからない以上は聞くべきだと思いました」
お姉ちゃんは悲しそうな顔をしていた。何というかどの世界でもお姉ちゃんは無理をしてる気がするな……
僕はそっとお姉ちゃんの頭をなでた。
「くすぐったいですよ。海くん」
「ごめん……ただこうするべきかなって……」
「ふふふ、ありがとうございます」
こうして僕らは眠りにつき、翌朝、無事に離れることが出来たけど……一日中一緒にいてお姉ちゃんは本当に気にせずにいつもどおりだったな……
ひなたSIDE
海くんと離れられて本当に良かった。姉という立場としては大人の余裕を見せないと思っていましたが……
「お風呂とか……一緒に寝るのはやりすぎたかも……」
お互い年頃だと言うのに一緒にオフロに入ったり(海くんは目隠しをしてくれたけど)一緒に寝たりするのは正直言うとドキドキして頭がおかしくなりそうだった。
「海くんの手……暖かったな……私の将来の結婚相手は……」
海くんみたいな人だったら……なんてね
多少のイチャラブだったかな?
次回は防人組参戦回を書くかまたイチャラブにするか……イチャラブは書くとしたら海くんが犠牲になっているので桔梗と誰かですね……