花結いのきらめき・二人の勇者の章   作:水甲

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海SIDE

 

超大型を一体倒した僕らは、次の戦いが愛媛奪還の決戦になると思い、今まで以上に訓練を積んでいた。

そんな中、樹だけが何だか張り切っていた。

 

「海さん、お聞きしたいことが……」

 

「聞きたいこと?」

 

「はい、実は……」

 

樹は自分の武器の可能性を更に高めるために色んなことを試していた。ワイヤーを束ねて拳にしたり、鞭にしたり、盾にしたり、有線付きの槍にしたりいろいろと試していたけど、まだ他にできることがないか僕に聞いてきたみたいだ。

 

「話はわかったけど、何で僕なんだ?他にもみんなにいろいろと聞いて……」

 

「海さんは私達の武器をすべて使えるじゃないですか。だからもしかしたら私以上にこの武器について何か使い道があるんじゃないかって思って……」

 

気合い入りまくりだな。僕は樹の武器を取り出した。

 

「僕はまだ練習不足だから樹みたいに難しい操作はできないけど……」

 

目の前に有る的をワイヤーで縛り上げ、一気に切り裂いた。

 

「拘束して攻撃っていう感じになるな。それはお前のほうがよく分かってるだろ」

 

「はい……」

 

「あとは……まぁ単純な動きだけど……」

 

僕は生太刀と白月を取り出し、ワイヤーで柄を縛り、目の前の的に突き刺した。

 

「こんな感じで他の武器と組み合わせるくらいかな」

 

「他の武器と……」

 

とはいえ現状3つしか同時に取り出すことができないから、これが限界だけど……でも樹ならあれを伝授してもいいかな

 

「もし樹が良ければ、僕との合体攻撃があるんだけど」

 

「海さんとの合体攻撃……」

 

僕は簡単に樹に説明した。これはあっちの世界で僕が編み出した『勇者乱舞弐式』の応用でも有る。うまくやればかなりの威力を引き出せるはずだ

 

「と言う感じだけど……どうかな?」

 

「海さん、やってみます」

 

「それじゃ早速練習だな」

 

僕は樹と合体攻撃を訓練するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日が経ち、ついに決戦の日を迎えた。僕らは樹海へと訪れるとそこにはバーテックスの群れとその中心に超大型の存在があった。

 

「やっほ~ついに決戦だね~」

 

「赤嶺!!」

 

「あれ?桔梗くんに珠子ちゃんはもう回復したんだ。ちょっと足りなくなるけどいいよね」

 

赤嶺がそう告げた瞬間、何体もの精霊が現れ、僕らに張り付くと身動きができなくされた。これはトリモチ!?

 

「勇者専用の捕獲精霊。動きさえ止めれば……」

 

赤嶺がゆっくりと拳を構えた瞬間、どこからともなくワイヤーが飛んできて赤嶺に向かって攻撃を仕掛けた。

 

「樹!?」

 

「どうして樹ちゃんだけ取り逃がしたの?」

 

「言ったでしょ。足りなくなるって、てっきり今回の戦いは桔梗くんと珠子ちゃんの二人は参加しないと思ってたんだけど、復活してるからね。一番戦力的に要らない子だけを避けてたんだ。それに海くんは特別に二体付きでね」

 

「海くんに拘らなければよかったんじゃないんですか?」

 

「そうだけど、でも彼女は簡単に攻略できるからね。勇者パンチ!!」

 

赤嶺が勇者パンチを喰らわせようとしたが、その瞬間樹がワイヤーを束ねて盾にして防いだ。

 

「防いだ!?」

 

「行きます!!」

 

拳、鞭、槍へとワイヤーの形を変え、赤嶺に喰らわしていった。赤嶺は防御していくがこのまま行けば押し通せる。

 

「やるね。甘く見ていたよ。だけど……これは防げないよ!!爆裂!!」

 

「させないよ!!爆裂!!」

 

「「勇者パンチ!!」」

 

友海と赤嶺の爆裂勇者パンチが同時に放たれ、攻撃を防ぎきった。捕縛って言っても短時間だけだから抜け出すこともできたのか

 

「海さん!!」

 

「あぁ、切り札発動!!七人ミサキ!!」

 

切り札を発動させ、七人の僕が現れ、それぞれ西暦組の武器を持たせた。

 

「数を多くしていくのは予想できたよ!!行け!バーテックス!!」

 

超大型が僕に向かっていくが、七人の僕らは持っていた武器を上に放り投げた。赤嶺も含めた全員が何をしているのか驚いていたが、樹だけは理解してくれた。

 

樹は投げた武器をワイヤーで縛り上げ、超大型に向かって攻撃を仕掛けていき、撃退した。

 

「これぞ。合体攻撃『勇者乱舞参式』ってとこかな?」

 

「うまく行ってよかったです」

 

「樹の頑張りがあったからな」

 

「ふ~ん、やるね……でもこれで私は負けたとは思ってないよ。天下分け目の決戦だからね。こっちも切り札を使わしてもらうよ」

 

赤嶺が指を鳴らした瞬間、どこからともなく黒い炎が僕らに襲いかかってきた。僕らはそれぞれ避けていくと赤嶺の隣にはキキョウが立っていたけど、その手には黒い天神刀が握られていた。

 

「お前、その刀は……」

 

「天下分け目の戦いにふさわしいだろ。桔梗、それに牡丹」

 

 

 

 

 

 


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