海SIDE
愛媛奪還作戦も大詰めになり、僕らは気合を入れ直す形で特訓をすることにした。
「いっくよ~爆裂勇者パンチ!!」
友海が放ったパンチが地面を大きく抉った。何というか許可された場所とは言え、環境破壊じゃないのかこれ?
「パパ、どうだった?」
「すごいけど……怒られないよな」
「まぁ程々にと言われてますが、友海ちゃんの必殺技は樹海以外では使えませんね」
「えぇ~もう少し発射速度と威力を強めたいのに~」
何というかめぐみん、未来の弟子がものすごい爆裂狂になっていて父親として心配なんだけど……
「海くんはどうですか?特訓?」
「お姉ちゃん、それなりだね。前に編み出した必殺技はうまく繋げられるようになったけど……もう一つの……」
僕は切り札を発動するが、この世界じゃ自分自身のものしか使えないから、新しいものを考えないと……
「まぁ実践でなんとかするしかないよな」
僕は武器を切り替え続けるが、なんとかなるのか心配だ。
「とりあえず今は訓練に集中して下さい。次の神託が来た瞬間に戦いが始まるので」
「次のか……赤嶺と残ったキキョウと姫野さんに似た女の子と一気に来そうだな」
何というか最終決戦に近いけど、その三人を倒してもまだ造反神が残ってる。戦いはまだ終わらないか
四葉SIDE
「まさか子孫と戦うことになるとはね~」
私は灯華に訓練に付き合ってもらいながら、彼女について考えていた。まさか子孫と戦うことになるなんて……彼女自身、何だか自分を鍛えるためにって感じがするけど……
「何だか待っているだけで申し訳ないです。本当なら……」
灯華はこわれた端末を見つめた。彼女自身戦いたいのだろうけど、力がない。待っているのも辛いか……
「大丈夫よ。きっといつか必要になる時が来るわ」
「そうでしょうか?」
「守り神様が言うのだから大丈夫よ」
「ふふ、ありがとうございます。姫野さん」
灯華が笑顔になった。やっぱり女の子は笑顔が一番よね。さて、私はこれを起動できるようにしないとね。
あの戦いで作り出した3つの武器を合わせた剣がきっと役に立つはずだから……
桔梗SIDE
「ハアアアアアアアアア!!」
僕は千景と訓練をしていた。僕の攻撃を千景は受けきると、ため息を付いていた。
「張り切っているわね」
「奪還作戦も大詰めだからな。張り切るさ。それに……」
僕は天神刀を取り出し、見つめた。きっと次の戦いで必要になるはずだ。だからこそ……
「きっと僕が次の戦いで切り札になるかもしれないからね」
「切り札……ね。頑張りすぎてあなたの大切な人を悲しませないでね」
「千景、気づいてるのか?」
「さぁてね」
僕の大切な人って美森か?それとも牡丹か?いや、どっちも大切だよな。千景の言うとおり悲しませないようにしないとな
「続ける?」
「お願いします」
僕は更に訓練を続けるのであった。
赤嶺SIDE
「ふふ~ん、順調順調」
「機嫌がいいな」
私があるものを見つめているとキキョウが声をかけてきた。そんなに機嫌がいいように見えてるかしら?
「次の戦いは激しいものになるからね。この子も完璧に仕上げないと。貴方の方は?」
「俺の方は大丈夫だ。造反神が力を与えてくれた」
キキョウは黒い炎を纏った刀を取り出してみせた。あちらの世界の天の神と大赦が与えた最強の刀と同じ力を持ったもの……
「本当に激しいものになるね」
私はそういいながら、バーテックスを見つめるのであった。
短めですが、今回はこれで終わりです