桔梗SIDE
僕たちは今、愛媛奪還のため必死に戦っていた。赤嶺友奈の妨害があるだろうと思っていたけど、特に姿を見せず愛媛を難なく開放できたけど……
「妙だな」
「桔梗もやっぱりそう思う?泳がされてる感じがするよね~」
雪花も同じことを感じていたみたいだった。何かの目的があって攻撃を仕掛けてこないのか……
それに気になることがある。それは海との関係についてだ。あいつは会ったことがないって言うけど、赤嶺友奈はどうにも海に執着している。過去になにかあったっていうのか?
「赤嶺友奈が動きを見せないとは言え、今のうちに愛媛奪還を進めれば先手を打てるはずだ」
若葉の言うとおりでもある。動きを見せない以上奪還に集中できる。
「それじゃ一気に終わらせるか」
僕は大鎌を構え、バーテックスの群れに突っ込んでいくのであった。
「流石にやるな~もう半分以上奪還されちゃったか」
「あの動かなくていいのかな?」
「いいの。元々これが出来上がるまで奪われる予定だったしね」
「精霊ですか……」
「まぁ完成したし、そろそろ動き出すよ。貴方は彼女の足止め頑張ってね」
「はい」
愛媛奪還のため、樹海に訪れると敵の姿がまったくなかった。隠れているなら気配くらい感じるが、それすらない
「なんか嵐の前の静けさって感じね」
「ということは敵がものすごい数で攻めてくるって感じかしら」
先輩と夏凛の二人がそんな事を話していると僕らの前に突風が吹き、いつの間に赤嶺友奈が現れていた。
「こんにちわ~みんな油断してないみたいだね~」
「こんにちわ。赤嶺ちゃん」
「結城ちゃんは元気だな~私はちょっと低血圧気味なんだ~」
「いや、友奈。呑気に敵と話してないで……」
海いわくこの間の誕生日でどうにも仲良くなったみたいだけど、今は別だ。僕らは武器を構えると赤嶺友奈は笑みを浮かべた。
「残念だけど、今回は趣向を変えさせてもらうよ~えい!!」
赤嶺友奈が指を鳴らした瞬間、突然僕は意識を失うのであった。
姫野SIDE
「こ、これは……」
赤嶺友奈が指を鳴らした瞬間、夏鈴ちゃん、須美ちゃん、桔梗くん、若葉ちゃん達西暦組(珠子ちゃん、歌野ちゃん以外)が動かなくなった。この感じ……精霊の力を感じる。
「何をしたの?」
「今からみんなに自分自身と戦ってもらうことになったの。戦うって言っても、自分自身との対話ってやつかな」
「普通に戦って勝てないからって、精神攻撃ってことね。だけど私には」
「神様には別の相手を用意してあるから安心して」
赤嶺友奈がそういった瞬間、突然何かが飛んできた。私は勾玉で弾いた瞬間、相手が誰なのか理解した。
私と千景ちゃんにそっくりで持っている武器は私と同じ勾玉……こういう世界だからあり得るのか。
「は、初めまして。守り神様ですよね」
「まさか姫野家の子を連れてくるなんてね。しかもそっちに……」
「何だかよく分からないですけど、仲間を……友達を守るためにはこちらに着いたほうがいいって……」
「戦わせて鍛えるって感じね。それだったら……相手してあげる」
海SIDE
四葉さんと四葉さんに似た人が戦いを始める中、赤嶺は僕に近づいてきた。
「やっほ~海くん」
「精神攻撃を仕掛けに来たのか?悪いけど僕はこういう攻撃は慣れてる。どっかの悪魔に心を読まれてはバカにされてるからな」
「知ってる。バニルさんだよね」
やっぱりこいつは僕がいた世界から来たのか?でも会ったことがない。友海と牡丹みたいに未来から来たっていう感じか?
「いい加減思い出してくれないから。教えてあげようと思ってね」
「パパに近づくな!!」
友海が後ろから攻撃を仕掛けようとするが、赤嶺は指を鳴らした瞬間、友海が動きを止めた。
「自分自身と対話しててね。あぁ因みに負けるとこの世界から脱落しちゃうから………それじゃ海くん、見せてあげる。私と貴方のつながりを……」