海SIDE
「注目~2月といえば~」
部室でまったりとしていた僕らだったけど、突然そのっちが何かを始めようとしていた。
「2月……節分だな」
「ご先祖様、違うよ~」
「そうね、2月といえばアレよね」
風先輩もそのっちが何を言いたいのかわかっているみたいだな。まぁ僕もなんとなく想像がついている
「分かった。針供養だな」
なんで針供養なんだよ。若葉さんって意外と抜けている
「若葉、あんたね……バレンタインよ。乙女の祭典よ!!」
「若葉ちゃん、毎年あげてるのに」
「すまない。もらってばかりだから思いつかなかったんだ」
「まぁ若葉って後輩女子とかからいっぱいもらってそうよね」
雪花さんの言うとおり、若葉さんって男性より女性……特に年下の子に人気とかありそうだな。
それにしてもバレンタインか……
「折角のバレンタインだからみんなでチョコを渡そう~」
そのっち(小)がそう言うけど、そのみんなって僕と桔梗さんも入ってるのか?いや女性が男性にチョコを渡すのは日本独自の風習だから、別に気にしなくていいけど……
「因みにチョコをあげるのは二人~一人はお世話になってる人に、もう一人は本命にあげてもいいんだよ~」
「あと一つは誰にも上げたことのない人限定で」
なるほど勇者たちの絆を深める感じなイベントとしてはいいかも………いや、これ碌でもない企画だよな。特に本命の人が誰にあげるのかが物凄く気になることじゃ……
「面白いイベントね~因みに園子ちゃん、二人限定なの?」
「そうだよ~ひめちゃん」
「そっか~」
姫野さんは何だか残念そうにしているけど、どうしたんだ?
その日の夜、僕と桔梗さんは部屋であることを話していた。それは誰にチョコを上げるかではなく、
「こういうのはやっぱり手作りとかのほうが良いのか?」
「どうでしょう?売っているものでもいいんじゃないんですか?そのっちは特に指定はしてないし……」
「でもこういったイベント何だし、手作りの方が良いんじゃないかって思うけど……」
「桔梗さんは誰に……いや、決まってますよね。東郷と須美の二人ですか?」
「一応あの二人同一人物だからな……まぁそこら辺は秘密だ。お前は?」
僕は……もう決まってる。上げたほうが良いよな……だったら手作りのほうが良いよな。でも……
「桔梗さん、チョコ作りの経験は?」
「ないな。作る機会はなかったし……」
う~ん、僕も作る機会なかったな。誰かに教わったほうが良いかもしれないけど……そういうの詳しそうなのって……
「一人、得意そうな人がいますね」
「誰だ?」
「友奈さんです」
「高奈か……料理できるのか?」
桔梗さんは知らないけど、僕がいた世界では結構お菓子作りをやっていたりして、たまに僕らの所に持ってきてくれている。先輩的にいうなら女子力が意外と高い。
僕は早速連絡を取ってみるのであった。
友奈さんに連絡を取るとOKをもらえ、僕らは友奈さんの部屋を訪れるとそこには千景さんも来ていた。
「千景さんも教わりに来たんですか?」
「違うわ。偶々遊びに来ていただけよ」
「高奈、悪いな。急に頼み込んで」
「ううん、大丈夫だよ。でも私そこまで得意ってわけじゃないんだけど、お菓子作りの方見ながらでもいいかな?」
「それでも十分ですよ。助かります」
「えへへ~何だか海くんに頼りにされて嬉しいから頑張るよ」
僕らは友奈さんにチョコ作りを教わるのであった。とはいえ千景さんの目線が少し痛かったけど……
次回もバレンタインイベントになります。因みにネタバレ的な事を言うと桔梗、海の二人は本命には渡しません