花結いのきらめき・二人の勇者の章   作:水甲

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今回から海水浴イベントとなります


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海SIDE

 

新種バーテックス、キキョウとチカゲが現れてから数日が経った。あれから二人は姿を見せなかった。桔梗さんが言うにはどこかで力を蓄えているのではないかということだった。だとしたら本気で厄介だな。

 

そんな中、僕らは勇者部に集められていた。

 

「今回、皆さんを呼び出したのは、新たな神託がありました」

 

「神託?またどこか解放するのか?」

 

また新しい場所の解放か……確かにあの二人を探すことよりも今自分たちが出来ることをやったほうがいいな。

 

「いいえ、今回は防衛戦になります」

 

「先日解放した場所を敵が取り返しに来るみたいです」

 

この間解放した場所って、海岸だっけ?奴らにとってそこまで重要な場所なのかな?

 

「守りって、私は攻めるほうが得意なんだけどな~」

 

「銀、ちゃんと話を聞きましょう」

 

「それでお姉ちゃん、水都さん、作戦は?」

 

「ひなたさんと話して、先にこちらから攻撃を仕掛けた方がいいということになりました」

 

「なるほど、有効な手だな。わざわざあっちの準備が終わるのを待つのは馬鹿馬鹿しいな」

 

「おまけに油断もしてるだろうしね」

 

桔梗さんと雪花さんの二人が言う中、更に話が進んだ。

 

「そこで陣地として海辺で野営を行います」

 

「あの、野営って?」

 

「いっつん~野営って言うのはお泊りだよ~」

 

「わ~い、お泊り~」

 

ダブルそのっちが嬉しそうに言っていた。まぁ野営って言うなればキャンプみたいなものだしな

 

「おっ、キャンプか。それだったらタマに任せタマえ」

 

 

「それに海って、海水浴もできるんだよね」

 

「友奈ちゃん、遊びに行くんじゃないんだよ。でも……海水浴も……出来るんですよね?」

 

みんなが海水浴の話に盛り上がる中、桔梗さんが僕の肩を叩き、部室から出るように促した。

 

何だろう?何か大切な話でもあるのかと思い、一緒に部室に出た。

 

「悪いな。海」

 

「いえ、それで部室から出た理由は?」

 

「いや、皆が海水浴の話で盛り上がってるから、多分自然に水着の話になるだろうから……ちょっと……」

 

あぁ、何だか居づらくなるから部室から出たのか。確かに中学生からしてみれば女子の水着の話は聞いていて恥ずかしくなるからな。でも……

 

「桔梗さん、どんだけ純情なんですか?」

 

「お前はどうなんだよ!?」

 

「僕は……水着ぐらいでは……」

 

あっちで水着以上に刺激のある夢を見せてもらったりしているから、耐性ついてるのかな?

 

「お前……凄いな……でも、確かに一緒にお風呂に入ったりしてるくらいだもんな」

 

「そんなにすごくはないですよ。というか風呂の件は………」

 

「何をしてるの?」

 

気がつくと千景さんと友奈さんの二人が僕らの後ろにいた。一体どうしたんだ?

 

「二人共、廊下で何してるの?部室に戻らないの?」

 

「いや……ちょっとな」

 

「桔梗さんいわく男にはちょっと刺激が強いからって……」

 

「おまっ!?」

 

特に隠す必要がないから話したのだけど、友奈さんは苦笑いをしていた。

 

「あ~ごめんね。二人のこと気を使わなくって……」

 

「いや、大丈夫だけど……高嶋と千景はどうしたんだ?話が終わったんなら部室に戻るけど……」

 

「え、えっと……」

 

「別に……ちょっと海で遊ぶっていうのに興味がなかっただけよ」

 

海に興味がないって言うけど、何だか嘘っぽいな……でも、何だか少しだけ心当たりがある。傷のことかな?

 

「あの……千景さん、もしかして傷のこと気にしてます?」

 

「!?」

 

「「傷?」」

 

桔梗さんと友奈さんは何のことか分からないみたいだった。というかこっちの友奈さんって傷のこと知らないんだ。

 

「……なんでそのことを知ってるの?」

 

「ちょっとした事情で……」

 

「…………あんまりそういうことを言ってほしくはないわ。ただ貴方が思っているとおりよ」

 

千景さんはそう言い残して、僕らと別れるのであった。うん、余計なこといったかな?

 

「ねぇ、海くん。郡ちゃんの傷って?」

 

「ちょっと詳しくは話せないんですけど……」

 

「というか何でお前はそういう事を知ってるんだ?」

 

「そ、それは……ちょっとした事情で……」

 

あの時は友奈さんが教えてくれたのだけど、流石にお風呂の一件を話すのはまずいと思うので、話さない方が良いと思う僕であった。


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