なのは視点でござる(´・ω・`)
なのは
私が休んだ日から4日ほどが経ち、私は魔法の修行とジュエルシードの探索をする日々が続いていた。
勿論学校にはあれから登校してはいるが、ここ最近の学校の授業は午前のみとなっている。
その理由は、花園君が行方不明になったのが原因であり、生徒の安全の為の処置であった。
もっとも、私にとってはそれが不幸中の幸い……といったら、花園君には悪いかもしれないが、魔法関係の事に多くの時間を割く事ができた。
あの日を境に、花園君や黒い魔導士の子に会う事はなかった。
その為、いつもと同じようにユーノ君と協力してジュエルシードを回収し、現在私が持っているジュエルシードは2つだ。
そして今夜、3つ目のジュエルシードを都心部で発見した時、事態は動き出した。
『結界内に僕達以外の反応がある』と、警戒したユーノ君が指し示した方角を見た時、
彼女達は現れ、私達に攻撃をしてきました。
《
「いきなりだね、レージングハート!」
《
突如上空から迫りくる魔力の刃を避けながら、私は上空へと飛翔する。
そして、ユーノ君は赤毛の狼を引き付けるようにチェーンバインドでサポートしてくれていた。
「なのは! こっちはまかせて!」
「チィ!フェイト、こっちの厄介な方はまかせな!」
地上ではユーノ君達が、空では私達がそれぞれ対峙する形となった。
1対1……実力差がいやでも出てしまう戦いだ。
普通に考えれば無謀なのかもしれない……でも、私はあの時とは違う。
それを証明するかのように、私は彼女へアクセルシューターを2つ放ち、反撃を開始する。
直線状に飛ぶアクセルシュターを見て、彼女は横にそれて避けようとするが、そうはいかない。
アクセルシューターは相手を追尾するホーミング弾だ。
まだ私の制御が甘くて、細かい制御はできないが、軌道をそらす位はできる。
「くっ、バルディッシュ」
《
そして、間合いの関係で避けきれないと判断した彼女は、以前と同じように突然消えた。
うん、やっぱり目では追えない速度だけど……あの子から感じる魔力の位置は僅かにだけどわかる。
――後ろだ!
《
「っ!」
『やっぱり』と私は防御魔法越しに、あの子が此方にデバイスを振るう姿を見た。
彼女が驚きの表情を浮かべる様子から、私がこの攻撃で終わると思ったようだけど……私は前までの私じゃない。
ユーノ君から魔法に対する方法を教えて貰って、私は先程の高速移動魔法の対処方法も教えて貰った。
そして、そのやり方も!
《
視界は一瞬にして切り替わり、私はあの子の背後へと移動した。
その後、私は先程のお返しとばかりに、レイジングハートを振るうが、彼女はデバイスの柄でレイジングハートを受け止めて防御した。
「……高速移動魔法まで」
「そうだよ。
あの時のままじゃ、何も変えられないから。
あなたに……フェイトちゃんに勝つために頑張ったんだよ」
「っ、私の名前……」
「うん、あの狼さんがそう呼んでたから」
私は少し後退し、彼女へ――フェイトちゃんと視線を合わせる。
お互いに相手の動きを警戒しつつも、私はフェイトちゃんへと質問を投げかけた。
「自己紹介がまだだったよね……私の名前は高町なのは。
ねぇ、フェイトちゃんはどうしてジュエルシードを集めるの?
あれはユーノ君が落とした、危険なモノなんだよ」
「……あなたには関係ない。
それよりも、彼がどこにるか答えて」
私の言葉は関係ないと切り捨てられた。
やはり話し合いで解決するのは難しいのかもしてない……なぜなら、フェイトちゃんの探している人物とは、恐らく花園君だからだ。
私はユーノ君の推測通りになってしまった、と確信してしまった。
それはつまり、花園君が何か良からぬ事に利用されてしまうという事だが……幸いな事にフェイトちゃんの言葉を聞く限り、花園君は無事な可能性が高い。
「……フェイトちゃんも行方を知らないんだね」
「……」
カチャリと、自分のデバイスを構え直したフェイトちゃんの姿を見て、やはりと思った。
花園君はまだフェイトちゃんに誘拐された訳じゃない。
でも、じゃあ一体どこに……そんな疑問が浮き上がるが、ここで問題が発生した。
お互いに手を出せずじまいだったジュエルシードが、徐々に魔力を練り上げ始めたのだ。
それをフェイトちゃんも感じ取ったのか、私達の視線はジェルシードへと向いた。
「バルディッシュ」
「レイジングハート」
争って事が大きくなる前に、ジュエルシードを封印する事はお互い賛成だった。
そして、私達の封印魔法によって、発動前のジュエルシードはあっさりと封印に成功した。
残る問題は、このジュエルシードをどちらが回収するかだが……。
「私はフェイトちゃんが何の目的でジュエルシードを集めているのか知らない。
それが悪い事なのか、良い事なのかもわからない……。
でも、関係ない人を巻き込んでまで叶えようとする願いは、間違っていると思う」
――だから。
「私はフェイトちゃんにジュエルシードを渡せない」
《
「あなたがどう思おうと関係ない……私にはジュエルシードが必要なんだ」
《
お互いに展開した魔力弾がぶつかり合い、周囲に煙が舞い上がった。
その後、お互いに魔力弾をまた打ち合い、高速移動魔法で避けるか、または防御魔法で布防ぐといった攻防が続き、戦いは均衡状態であった。
だが、その均衡も痺れを切らしたフェイトちゃんの行動で終わりを告げた。
なんと、フェイトちゃんは戦闘中に私を無視して、ジュエルシードの回収に動いたのだ。
「っ、レイジングハート」
《
そうはさせない。
その思いでフェイトちゃんに追いついた私は、先に回収させまいとデバイスを振るった。
そして、お互いがジュエルシードと向かい合う形で、それぞれのデバイスがジュエルシードに衝撃を与えた、まさにその時だった。
「っ!?」
「きゃあぁぁ!」
衝撃によって封印が解けたジュエルシードから、強烈な閃光と魔力波が炸裂し、私とフェイトちゃんは互いに吹き飛ばされた。
お互いに体とデバイスはボロボロになってしまい、もはや戦うどころの状態ではなくなっていた。
「なのは!」
「フェイト!」
駆け寄ってくれたユーノ君に少しだけかけて貰った回復魔法で立ち上がり、
私達は暴走直前のジュエルシードをどうするか考えていた。
アレの暴走を止めるにはデバイスが必要だが、私のレイジングハートもフェイトちゃんのバルディッシュもボロボロで、再封印が厳しい状態だ。
――どうしたらいいの?
打つ手が見つからない。
私がそう思った時だ。フェイトちゃんが突如ジュエルシードへ急接近しだした。
そして、有ろうことかジュエルシードを素手で掴み取ったのだ。
「なんて無茶を!」
ユーノ君の叫びも最もだ。
デバイスを使って封印するジュエルシードを、素手で掴んで無理やり魔力で封印しようとすればただでは済まない。
現に、フェイトちゃんの手は切り傷や酷い火傷を負っていった。
だが……流石というべきなのだろうか。
徐々にジュエルシードの力は弱まり、封印に成功してしまったのだ。
でも、代償は大きかったのか、フェイトちゃんはその場で気絶してしまった。
「フェイトちゃん!」
「来るな!」
心配して駆け寄ろうとしたが、人間の姿になった狼さんに止められてしまった。
強く睨まれ、その場で立ち尽くす私とユーノ君を後目に、狼さんがフェイトちゃんを抱え
て空へ飛ぼうとした時だ。
私は何かが起こるような気配を感じ取った。
そして、それはここにいる全員が感じ取ったようで、お互いがお互いに何かしたのかと警戒した時、突如海鳴市の上空に複数のジュエルシードの魔力が発生しました。
――これは、まさか……。
「チィ! あのガキんちょ、何てタイミングで出てくるんだい!?」
「ユーノ君……コレって」
「……多分、彼が転移したものだと思う」
その言葉を聞き、私達の表情は優れなった。
何故ならお互いがお互いに消耗しきった後に、ジュエルシードを複数持った花園君を感知したのだ。
本来なら彼からジュエルシードを回収しなければならないが、私達にはその術がない。
デバイスが壊れ、ユーノ君はもう魔力の限界が来てしまっている。
――まさか、この時を狙って?
私の中でそんな疑問がふと浮かんでしまった。
でも、それなら私達の所ではなく、何故あんな上空にいるのだろう……。
そんな疑問を思いながら、私はユーノ君の結界魔法が徐々に溶けていく景気を見つめるのでした。
6年ぶりぐらいにリリなの1話を見たでござる。
1話の途中で「このシーンだけぬるぬる動くぞ」と思ったでござる(´・ω・`)