TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~ 作:地味子好き
目を覚ますとそこはIS学園の保健室だった。
「ん?起きたか。冬香。」
目線を動かすと、千冬さんがいた。
「千冬さん・・・。私は・・。」
「ああ、倒れた後すぐここに運び込まれてな・・・・、今は1時だ。」
ちらりと時計を見る。
(倒れたのが8時ごろだから・・5時間は寝ていたのか・・。)
「もう17時間になるな・・・。」
「へ?17時間・・?」
「そうだ。今は
千冬さんが部屋のカーテンを開けるとまぶしい光が入ってくる。
「さて・・・意識が戻ったことだし、早速だが話を聞かせてもらおう。」
脇に置いてあった調書らしきクリップボードを取る。
「あの時何があった?」
机にボイスレコーダーを置き、スイッチもオンにする。
「途中から頭痛がしたんです。」
「頭痛・・か。」
「ええ。頭の中に何かが入ってくる・・・そんな感覚と一緒に。」
「原因に見当はついているか?」
「・・・原因はあのカチューシャだと思います。」
「そうだろうな。君が寝ている間にアレを解析してもらったんだが・・・」
「どうだったんです?」
「ブルーティアーズのBT兵器に搭載されている脳波受信装置と同じものが入っていた。」
「・・・?つまりどういうことです?」
「あれをつけている間は他人の考えやBT兵器の動きが分かるようになるということだ。」
(・・つまりニュータイプって事じゃねーか!)
私は必死にその時のことを思い出そうとする。だが、うまく記憶が出てこない。
「・・・千冬さん。私あの時の記憶があまり思い出せないんですけど・・。」
「一種の障害だな。これも解析の結果なのだが、アレは脳にダメージを与えるらしい。」
「脳にダメージ・・・。」
「ああ・・・。でもこちらで全てを解析できた訳ではないがな・・・。」
キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴る。
「そろそろ昼休みが終わるな・・・。見た所大丈夫そうだが・・今日は午後も休むと良い。HRが終わったら迎えに来る。」
千冬さんは席を立ち、ドアへ向かう。
「千冬さん。ありがとうございます。」
私はそう言ってほほ笑んだ。そのままベットへ体を倒し、瞼を閉じる。まだ少し眠気がある。
(もうひと眠りしようか・・・。)
私は眠りについた。
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~昨夜・学園寮~
シャワーでぬれた金髪が揺れている。
「明らかに・・・動きがおかしかった・・。」
セシリア・オルコットはシャワールームで一人、彼女について考えていた。
(動きが少し単調になったかと思ったら・・・あれは明らかにビットの動きを読んでいた・・いえ、動きが見えていたと言った方が良いかもしれませんね・・。)
「名前、聞いていませんでしたわね・・・それにしても、あの人は大丈夫でしょうか?」
キュと水を止め、バスタオルを取る。
「あの倒れ方は明らかにおかしかったですわ・・・、はぁ名前さえ分かれば本国を通じてお見舞いできましたのに・・。」
彼女の眼はどこか遠い空を見るような目で鏡を見つめる。
「私は、あの人を超えなければなりませんね・・。」
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~午後5時・学園寮~
「ここかぁ・・・」
千冬さんに連れられて来た部屋は見慣れぬ番号である。
つまり「1025室」ではないのだ。どうやら箒の代わりに一夏という最悪のルートは回避できたらしい。
「天利、一応お前は日本代表候補生という立場になっている。」
「ん?いきなりどうしたんです?」
「いや、何でもない。ルームメイトと頑張ってくれよ。」
そう言って千冬さんは去っていく。
「どうしたんだろう?」
そう思いつつドアノブを回す。
「失礼します・・・。」
部屋に入るとカタカタとタイピング音が聞こえる。
近づくと、こちらに気づいたようでヘッドホンをとりこちらに振り向く。
「あなたが私のルームメイト・・?」
彼女はそう言う。短く切った青い髪。IS用ディスプレイを兼ねた眼鏡。そう彼女は・・・
「うん・・よろしくね。
少し遅くなりました・・。
入学編は次回の対一夏戦で終わりになります。
おや?セシリアの様子が・・・?
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