TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~ 作:地味子好き
「あれ、メールが来てる」
運動会の翌日、いつもより遅く起きた私がケータイを確認すると一通のメールが来ていた。
メールのアイコンをタップし、文面を開く。
「相川さん…?」
メールの差出人は同じクラスの相川清香だった。
内容は、と言えば昨日の打ち上げをやりたいので、その下準備に付き合ってほしいとのことだった。
どうやって私のアドレスを知ったのかと思うところはあるが、おおかたのほほんさんあたりに聞いたのだろう。
見知らぬ番号からの不在着信も三件ほど来ていた。
私はすぐさまその着信をタップし、電話をかける。
「あ、もしもし。天利です」
『あー天利さん!ごめんね。突然』
「いえ、打ち上げの準備ですよね?」
『そうなの。悪いんだけど、レゾナンスまで来てくれない?場所は6階のカフェで落ち合おう』
「わかりました。すぐ行きます」
そう言って私は電話を切り、外出用の服に着替える。
リビングに簪はおらず、シンとしている。
確か、昨日弐式用の防御パッケージ『不動岩山』のテストがあると言っていた。
一夏と楯無さんのデートは……うん、多分私がいなくてもいいだろう。いや、むしろ私がいる方が異質なんだ。
今更こう考えても、いろいろと遅すぎるかもしれないが私は、あくまで異物。
「さて、行きますか」
天気予報を確認すると今日も28度には上がるらしい。まだまだ夏の暑さは残っているようだった。
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大型ショッピングモール『レゾナンス』の6階の一番東端にあるカフェはおしゃれな雰囲気と昔ながらのメニューでそれなりに人気のある店だった。
私も複数回利用したことがあるが午前10時の開店以降、閉店まで基本的に人が一人もいないということはないくらいだった。
が、しかし。今日が月曜と言うことを鑑みても異様だった。
六階のエレベーターからこっちに来るまで、まるで営業していないかのような静けさだった。
今は昼の13時。主婦やサラリーマンが昼食を取っていてもおかしくない時間である。
それでいて誰一人として人の姿を見ないのはおかしい。
しかし、私は指定されたカフェの店内へと入ってゆく。
入口からまっすぐ進んだ、全面ガラス張りの席に、人の姿があった。
しかし、それは相川さんではない。
その黄金色の髪に、真っ赤な瞳。雰囲気も相まってその姿はまさに
「わざわざ呼び出してごめんなさいね。これが一番早い手段だったのよ」
「スコール・ミューゼル!」
口にしていたコーヒーフロートをテーブルへ置き、ゆったりとスコールはこちらを向く。
「そう身構えないで頂戴。だましたことは謝るわ。……立ってないで座ったらどう?」
そう言われた私は、いつでも黒薊を展開できるように構えながらも彼女の言うとおりに体面の座席へ座る。
「二人きりで話したかったのよ。その為にフロアを全部貸し切りにしたわ」
「なんのつもりで私を」
「招待状を届けに来たのよ。私たち、亡国機業へのね」
そう言ったスコールは丁寧にもバッグから蝋で封がなされた便箋を取り出す。
「私が、本気で参加するって考えてるんですか?私は、あなた達に何回も殺されかけたんですよ!」
「そう怒らないで。もちろん、簡単に参加してくれるとは考えてないわ。それと、貴女も何か頼んだらどう?」
パッと立てかけてあったメニュー表をこちらに渡す。
「安心して、なんて信じられないかもしれないけどあなたを殺すつもりはないわ。篠ノ之博士に私たちが殺される」
スコールは冗談を言うように笑っていた。亡国は既に私と束さんの事も調べ上げているようだった。
角谷奈津美という人物が私であるということを知っていたように、またそれも亡国にとっては簡単な調べものに過ぎなかったのだろう。
私は適当にコーヒーとフレンチトーストのセットを頼んだ。
「私の姪、学校では良くやっているかしら?」
今までの流れとは打って変わって、スコールはダリル・ケイシーを話題に挙げた。
殆どかかわったことはなかったが多くの生徒から尊敬されまた虜にしていた。
「私は殆ど関わってませんが、人気だと思いますよ」
そうこう話をしているうちに料理が運ばれてきた。
「じゃあ、私は帰らせてもらうわね」
それと同時に彼女はそう言って立ち上がった。
そして私にこう言った。
「その招待状は
今回はいつもよりも結構短いです。
次回から修学旅行編になります。
原作に追いつく前にぜひとも13巻が出てほしいけどなぁ……。
キャラとISと世界観の詳細設定載っけた設定資料集とかも出してほしい。
感想評価よろしくお願いします