TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~   作:地味子好き

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文化祭編③

「ふっ、嬉しいぞ。またお前とやりあえるとはな」

 

「また…?」

 

おかしい、少なくとも私はマドカとは一回も…

 

ドクン…ドクン…と鼓動が早くなる。

 

「何…何…これ?」

 

フラッシュバックする記憶、よみがえる熱の感覚、熱さに身体が拒絶し、全身を襲うあの痛み。

 

「…っ!はぁ…はぁ…」

 

こみ上げる濁流を必死になって食い止める。

 

「さぁ、ISを展開しろ」

 

マドカはギッとこちらを睨みつける。

 

しかし、今の私にはどうすることもできない。

 

肝心のIS…黒薊は手元にないのだから。

 

「…そうか、あの機体を持っていないのか」

 

どうすることもできない私を見たマドカはそう言い放つ。

 

「ならば…ここで死ね!」

 

そう言ってIS―『サイレント・ゼフィルス』を展開した。

 

紫色のその羽根は美しく、だが儚げな印象を与える。

 

(どうすればいい…?千冬さんを…ダメ、間に合わない。ああ、なんでこんな時に限って黒薊が…!)

 

万事休す―その単語が脳に浮かぶ。しかし、その時だった。

 

 

《…を使って…》

 

 

「!?」

 

どこからか何か『声』のようなものが聞こえる。

 

 

《私を…使って!》

 

 

その声は次第に大きくなる。

 

 

《私の名を呼んで!私を使って!》

 

 

その声が完全に聞こえた時、私の頭の中にとある単語が現れた。

 

(まさか、死に際の幻聴…いや、もう方法はこれしかない!)

 

「この一撃で終わりにしてやる!天利冬香!」

 

「ああもう!一か八か!来て…()()!」

 

そう叫んだ瞬間、私の周りを光の粒子が包み込む。

 

コンマ一秒ほどの短い時間で、それは私の鎧と新たな剣をもたらした。

 

世界で二番目に開発された、第1世代型IS。全身を包み込む桜色の装甲。その右手には対IS用刀『雪片』が握られていた。

 

「なっ…何故、何故だ!何故貴様がソレを動かせる!」

 

眼前のマドカは明らかな動揺を見せる。理由は明確だった。

 

世界最強の専用機、それは紛れもなく織斑千冬本人にしか動かせない。

 

「貴様が…織斑千冬とでもいうのか!?」

 

「分からない…けどッ!これで貴女と戦える!」

 

そして私は、『雪片』をマドカへ向けた。

 

 

 

~~~~~

 

 

「織斑先生!地下から新しい高エネルギー反応!」

 

学園の中心にある管制室で真耶はそう叫んだ。

 

「何!?」

 

数分前に現れた未知のIS反応。学園の端という不自然な場所は専用機持ち(勝手に起動しそうな馬鹿ども)ではないことは明らかだった。

 

―敵の襲来その可能性が高い今対処できる人材を急行させなければなかった。

 

「地上に転移した…?嘘…これって…」

 

モニターを見ていた真耶はそう呟く。

 

「何が起こって…!?」

 

それと同時にモニターを覗き込んだ千冬も一瞬、言葉を失った。

 

「何故だ!何故、アレを…山田先生!後は頼んだ!」

 

千冬はそう言って部屋を駆けだした。

 

「ま、待ってください織斑先生…って今度は何!?」

 

真耶が千冬を追おうとしたとき、今度は更衣室に新たなISの反応が現れた。

 

「ああもう!次から次へと!更識さん!聞こえてますね!」

 

『ええ。ばっちりよ。』

 

シンデレラ…織斑一夏を孤立させ逆にそれを餌にする劇に見せかけた欺瞞工作。

 

先ほどのは予測できなかったが…今度は敵が餌に引っかかったようであった。

 

 

 

~~~~~

 

「何故だ!何故!」

 

「だからわかんないって言ってるでしょ!」

 

迫りくるサイレント・ゼフィルスのビットのレーザーを回避する。

 

半ば錯乱のような状態にあるマドカの操作はかなりスキが目立つ。

 

ビットの操作は精神状態に直結するものだ。

 

(でも、見えるッ!)

 

暮桜の能力…かは定かではないがビットの位置、砲口が手に取るように理解できた。

 

それは黒薊のような未来のビジョンではない。『感覚』。唯、それだけだった。

 

暮桜のスラスターを全開放し、ソレを取り込む。

 

そして再圧縮し…一気に加速!

 

「なッ…だが瞬時加速ごとき!」

 

サイレント・ゼフィルスのビットがこちらに砲口を向ける。

 

しかし、それは無意味と化した。

 

「はあッ!」

 

脚部に装備されたスラスターで急激な方向転換。

 

それによって生み出された慣性エネルギーを用いて、一気に曲がる。

 

「一つ…二つ…三つッ!」

 

それを繰り返し、ほぼ全方位に展開されていたビットを切り落とす。

 

そして四つ目のビットを半ば蹴り落とすように破壊し、暮桜をサイレント・ゼフィルスへ向けた。

 

「クッ…シールドビット!」

 

「邪魔だぁぁぁぁ!」

 

進路をふさぐように展開されたシールドビット。しかし、私の前にとってそれは無意味を表していた。

 

展開された二機のシールドビットは無残にも雪片に切り捨てられた。

 

「零落…白夜ぁぁ!」

 

そして眼前のサイレント・ゼフィルスへ一撃を…振り下ろした。

 

「あ、ああ…」

 

SEの消失したサイレント・ゼフィルスは粒子となって宙へ散る。

 

そのあとに響くのは、マドカの絶望の声。

 

「何故…何故私は…」

 

それと同時に私の『暮桜』も実体ではなくなった。

 

一体なぜ暮桜が、その疑問も残っていたが…今やることは一つだった。

 

「…殺せ。貴様に負けた私に、もはや織斑千冬を求めることなど…」

 

織斑マドカは…ただ家族と認めてもらいたかった。

 

唯、それだけだったのだ。その為に、世界を捨てる覚悟までした。

 

だったら私がすることは一つしかなかった。

 

「貴様、何を!?」

 

彼女のその、千冬さんなんかよりもずっと小柄な体躯を、唯しっかりと抱きしめることだった。

 

「待て、何をやっている!私は貴様を殺そうとしていたんだぞ!こんなの狂っている!」

 

「…狂ってるのはこの世界のほうだよ。マドカ。貴女が貴女として生きられない、この世界。」

 

「何を…」

 

「大丈夫、たとえ千冬さんが貴女の事を認めなくても…私は貴女を見つめるから。」

 

そっと、私の胸に埋めた彼女の頭に手を乗せた。

 

「ふざけるな…ふざけるな…お前は…お前は」

 

マドカの目から、そっと涙が零れ落ちた。

 

 

 

~~~~~

 

 

「冬香…!」

 

数分後に千冬が駆け付けた時、すべてが終わっていた。そこにあるのはIS同士の戦闘ではない。

 

ただ、天利冬香と言う少女が、千冬の『イモウト』を…抱きしめていた。

 

 

「千冬さん…」

 

 

彼女はにこりと優しい笑みを浮かべた。

 

 

「冬香…お前は…」

 

 

お前は一体何者なんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




え、何この駄文(読み返して)若干スランプ気味です。書きたいことが書けない。


と、言う訳で少し息抜きと言いますか、適当に考えた二次創作を投稿しました。

『実験体29号「織斑チナツ」』と言う作品なのでよかったら読んでみてください。

あ、この話で文化祭の話が終わると言いましたが次回に続きます。

ちなみにマドカは個人的にはマリーダさんポジだと思います。

以下、深夜テンションで書き上げた怪文書

一応リョナ注意なので読みたくない方はここで切ってください。

IFルートみたいなものです。





フラッシュバックする記憶、よみがえる熱の感覚、熱さに身体が拒絶し、全身を襲うあの痛み。

「あ、ああ。ああああああああ!!!」

鮮明に、鮮明に体全体がその痛みを、その記憶を思い出す。そして胃が、腸が、脳がそれを拒否した。

「お゛ぇっ、げぼっ…お゛ぇっ…」

喉から口に、異物がこみ上げる。体の外と内から襲い掛かる灼ける様な痛み。

それに耐えることが出来なかった私は、胃の中身を地面にまき散らした。

「…くっ、はははははは!無様だなぁ…天利冬香。」

その私の姿を見てマドカは嗤っていた。

「まさか、織斑千冬の懐刀が…こんなにも弱いとは…」

「ぁ…」

マドカは私の髪をつかみ、腹に拳を叩き込んだ。

「ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!」

「がっ…ごっ…あ゛ぁ…!」

何度も、何度も、何度も。私が、抵抗する暇も、考える暇も与えられず。

「何故だ!何故私が選ばれず、貴様が選ばれたのだ!」

ただひたすらにマドカの拳を受けていた。

そして拳の先は腹から、より下へ移る。

「そうか…だったら、壊せばいいんだ。お前のことを。そうすれば…」

「ぎぃぃぃぃあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

ドンとマドカはその足で私の下腹部…子宮を踏みつけた。

言葉にすることのできない痺れる痛みが身体全体を襲う。

「ぁ…」

もう、痛いという言葉をいう気力さえ残っていない。

「ふはははははッ!これは痛快だな!」

ゴスッ!ゴスッ!とその足はとどまること知らない。

「成程…お前を織斑千冬が気に入る訳だ…」


もう抵抗することのできない私を彼女はまるでゴミを見るような目で見つめていた。

…しかし、私にはその裏に彼女が悦を浮かべているようにも思えた。













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