TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~ 作:地味子好き
夏の眩しい朝日が部屋に入り込み-私は目を覚ました。
「ふわぁ~。んにゃ…今何時だろ?」
ああ!自己紹介がまだでしたね!初めまして!私の名前は
高校を卒業して今は専業主婦。でも今日は義妹も一緒に家族旅行に来ています!
真っ黒い砂浜!真っ赤な海!なんていい景色なんでしょう!
「あ!もうこんな時間…って旅行先なんだから気にする必要もない…か」
今は朝の7時、隣では私の可愛いお嫁さんが寝息を立てている。
確か朝食は8時からだったはず。でも、早く起きたから朝風呂にでも行こうかな……
そんなことを考えつつ私は浴衣を整えお風呂の準備。
「うーん…あ!ふゆちゃん!起きてたの?」
「おはよう、
「えへへ大丈夫!それよりもお風呂?束さんも行きたい~!」
「そういうと思ったから準備しておいたよ。」
「おおぉ~!さすが束さんのお嫁さんだね!」
束は寝起きがとても強い。寝ぼけたり眠そうにしたりなんかしてるとことは見たことがない。
「それじゃあ、れっつご~!」
扉を開け、廊下に出ると隣の部屋に泊まっている義妹がいた。
「ああ、箒ちゃん!」
「姉さん、それに冬香も。二人も朝風呂に?」
「うん。箒も?」
私がそう聞くと箒は嬉しそうに答える。
「ああ。冬香とこうして旅行するのも修学旅行以来だからな…」
「そうだね。修学旅行…修学旅行?」
「どうした?みんなで行っただろう?京都に。」
そうだ。私は京都に行った、みんなで行った。
私と……箒と………あと………あと………
「あ、ああ。誰?誰なの?私は誰?私は………篠ノ之じゃない………」
ぐにゃり、世界は回る。何もなかったころから同じように。
そうして私は………
~~~~~
「私は違う!」
滝のような汗と共に私は最悪の目覚めを迎えた。
周りを見渡すと誰もいない。
それにここは……どうやら私の部屋ではないようだ…。
それもそうだ。私は確か夜風を浴び
時計は11時を差していた。窓の外は暗いということは今は夜。さほど時間は経っていない。
「はぁ…まさか貧血で倒れるなんてなぁ…」
今までそんなことはなかったのだが…食生活の乱れ?
うーん、原因はよくわからない。しかし、体はもう十分に動く。
「とりあえず、千冬さんとか山田先生とか見つけないと…」
寝かされていた布団から立ち上がり、廊下へ出る。
ええと確か……教員用の部屋はこっちだったはずだ。
「すみません。織斑先生いますか?」
扉をコンコンコンと3回ノックする。
ガチャ-と開けて出てきたのは一夏君のほうだった。
「あれ、君は…」
「天利です。同じクラスの。ええと、織斑先生います?」
「千冬姉?ええっとついさっき外に出ていったきりで……」
「そうですか…ありがとう。織斑くん。」
「ええと、何だったら待ってるか?この部屋で。今ちょっと人がいるんだが…」
ふむ、と言うことはマッサージの下りだろうか?
ん?そしたら千冬さんはビールを飲みながらヒロインズと喋ってるはず……いや、私のせいか。
「ッ!?」
いきなり猛烈なめまいが襲った。
「うわ、だ、大丈夫!?」
「どうした!一夏……って誰だその女は!」
出てきたのは声からしてラウラちゃんのようだ。
「だ、大丈夫……ありがとう。織斑くん……」
「やっぱり中で休んでたほうがいいって」
馬鹿な、私があの中に入ったら箒への申し訳の無さとヒロインズからの視線で胃に穴が開く。
と言うか私同じクラスなのにラウラちゃんにすら認知されてないのか…
「…ふう、もう大丈夫だから、ごめんね。織斑君も、ボーデヴィッヒさんも」
私はそう言って一夏くんの手を半ば強引に振りほどき、先ほどの部屋の帰路へ着く。
一瞬だけ襲ったあの猛烈なめまいは何だったんだろうか。
歩けば歩くほどに嘘のように
「冬香!」
もう少しでさっきいた部屋…と言うところで千冬さんを見つけた。
「冬香、大丈夫か!?」
そういうと千冬さんはいきなり私の体を抱きしめた。
「ちょ、千冬さん!?」
「冬香、すまん…すまん…」
千冬さんはそう呟くばかりで意思疎通が私たちの間でとれていない。
「とりあえず、部屋に入りましょ?」
そういって私は起きた部屋に戻るのである。
「それで、なんでいきなり抱きしめたり?」
私がそうやって聞くと千冬さんはきょとんとした顔をする。
「もう…大丈夫なのか?」
「全く、貧血で倒れたくらいで心配し過ぎですよ。これくらいで私が死ぬとでも?」
「あっ…いや、何だ。まぁ少し取り乱した。すまんな。」
私がそういうとワンテンポ置いて千冬さんが話す。何かを察したかのように。
「それで、体のほうは?貧血なのか?」
「今まで全然なかったんですけど、でももう大丈夫です!明日も参加できます!」
「そうか…しかし、今夜くらいは安静にな。この部屋で寝ると良い。」
良かった、千冬さんは安堵の表情を浮かべている。やっぱり千冬さんはコウでなくちゃいけない。
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
千冬さんは立ち上がって、そして私のほうに近づく。
そして胸に私の顔を埋めさせ、また抱きしめた。
「!?」
「冬香、辛くなったら私にいつでも言え。私が必ず力になる。」
…もう。優しいなぁ千冬さん。
「千冬さん。ありがとう。」
私はそう言ってちょっとだけ甘えることにした。
今までの流れとは打って変わった臨海学校編。一日目が終わりました。
作者の書きたいことマックスで行きます。
意見、感想、よろしければお願いします。
ちなみに補足
冬香→束のせいで倒れたのは本当に貧血のせいだと思っている。起きた後、見ていた夢の内容は覚えていない。
なんで千冬がこんなことをするのかよく分かっていない。