TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~ 作:地味子好き
心の声の時だけ口調が男になります。
「来てしまった……」
目の前には長蛇の列がある。これが全部ISの適性検査を受けるための列か……。
「よし……」
空には太陽が輝いている。今の季節は夏。倒れないようにと注意しながら私は列に並んだ。
~数十分前~
朝食を食べ終えて俺は自分の部屋に戻る。
机の椅子に座って記憶を整理する。
俺の名前は
ふとズボンのポケットに手を入れるとなにやら折られた紙が入っている。
(なんだこれ?)
なにやら手紙の様だ。
⦅やぁやぁ。無事に転生したみたいだね。⦆
(ッ! 頭の中に直接!?)
手紙を開いた瞬間、さっき夢の中で聞いた声が聞こえる。
⦅早々警戒しないでくれよ。僕は神なんだ。それぐらい余裕さ。⦆
(なぁ、俺は物理的にも精神的にも傷つかない世界って言ったよな)
⦅うん、言ったね。だからこの世界にしたのさ。⦆
(どこがだよ! この世界めちゃくちゃ危険じゃないか!)
⦅あれー? そうだったかなぁ? 僕は主人公君がヒロインとイチャイチャしてるとこしか見てないからなー。⦆
(お前、確信犯だろ。でもなんで女なんだ? お約束だったらもう1人の男性操縦者とかが普通だろ?)
⦅僕も最初はそうしようと思ったんだけどね。でも
(お前とんだやべー奴だな)
⦅ふふふ。まぁ僕は君をかんさ……見守っているよ。⦆
そう言うと声がすぅと抜けていく。
(おい! お前今観察って言おうとしただろ!)
⦅ああ、言い忘れたけどこの会話が終わったら君は完全にこの世界に定着することになる。僕のささやかなプレゼントも付けておくよ。⦆
(おい! おい!)
俺の呼びかけを完全に無視してあの声は完全に頭から離れる。
(ええ……、どういうことだよ)
そう思いつつ服の支度をする。
「そういえば特典って何だろう。別に魔力とかそういうのない世界だしなぁ」
クローゼットを開け、
「あれ、私なんでいつものって分かるんだろう?」
ここで一人称が私になっている事にも気づいた。
(そうか、完全に定着ってそういうことなのか。前世の記憶とか、原作知識とかはあるけど口調とか行動とかそう言う記憶はこっちの天利冬香ってことか)
「私……完全に女の子になっちゃった……」
(常識的に考えて普通はこのままIS学園ルートだろう。……よし決めた! 俺は
そんなことを考えているうちに。時計を見るともう九時だ。スマホを取り、バッグを持ち会場に向かう。
「母さん。行ってきます」
「行ってらっしゃい」
母さんはいつも通りの優しい笑顔で私を見送ってくれた。
ーーーーーーーーーー
~会場~
「次の方」
受付の人に呼ばれ中に入ると、そこには日本製の二世代型IS「打鉄」が鎮座していた。
専用のスーツに着替えて、打鉄に乗り込む。
「はいそのままいてくださいね」
2、3分経つと今度は測定器の方に回される。
こちらも数分で終わる。
チラッと測定員の方を見るとなにやら顔を青くしブツブツと何かつぶやいていた。
(大丈夫か。この人)
そう思っているとその人がこっちに近づいて来て、ガシッと肩を掴む。
「ねぇ! あなたちょっと検査機の故障でうまく測れなかったの。ちょっとこっちに来てくれないかしら!?」
あからさまに息を荒くしてすごい剣幕で迫ってくる。
「え……ええ。いいですけど……」
「そう、ありがとう! 。じゃあ着替えてこの奥の部屋に行ってくれないかしら!」
「は、はい」
服を着替えて言われた通り、奥の部屋に入る。
次の瞬間バチィッ! と音がしてそこで私の意識は消えた。
2話目にしていきなりピンチになる冬香ちゃん。
転生編はこれで終わりで次回から接触編になります。
そう言えば冬香ちゃんの名前の元ネタ。わかる人には分かると思います。
「天〇〇香」で外見の元ネタと同じ世界って言えば察していただけると思います。
不定期更新で文字数も少ないですが頑張りたいと思います。