TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~   作:地味子好き

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学園編⑦

「天利。大丈夫か!?」

 

ISを解除しアリーナへ戻ると千冬さんが向かってきた。

 

「千冬さん。」

 

私は千冬さんのほうに足を進めようとする。

 

「あっ…。」

 

どたっと私は地面に倒れた。

 

「天利!」

 

「大丈夫…っです。」

 

起き上がるとまだ頭がくらくらする。

 

「天利…。」

 

千冬さんからの視線が私に刺さる。

 

「…そんな目で見ないでください。私は大丈夫ですから…。」

 

歩こうとするがうまく足が動かず千冬さんへもたれかかる。

 

「冬香……すまない…一夏たちを助けるために…。」

 

その言葉を最後に私の意識はなくなった…。

 

 

 

-----

 

「ん…んぁ…。」

 

ある種情けない声を出し、私は目を覚ました。

 

「…へ?」

 

そして素っ頓狂な声を上げる。

 

私がいるのはベッドの上。そして私は…()()()()()()()()()()()()()()()

 

(え、なにこれ…なにこの状況…!?)

 

千冬さんはすやすやと息を立てて寝ている。

 

「とうか…とうか…。」

 

(千冬さん!?一体どんな夢見てるんですか!?)

 

そして千冬さんの両手は私の後ろへ回り…。

 

 

ーーぎゅっ

 

私はしっかりとホールドされた。

 

「とうかぁ。」

 

(あれ…なんだろう。こんな千冬さんを見てると…私…。)

 

胸の鼓動が高まる。ゴクリ。私は唾をのんだ。

 

「千冬さん…。」

 

私はそっと千冬さんの頭に手を置く。

 

「よしよし…。」

 

優しく、ゆっくりと。千冬さんの頭を何回も何回もなでる。

 

その度に千冬さんは(寝ているのであるが)悦の表情を受かべる。

 

私と千冬さん。二人だけの夜は静かに過ぎていった…。

 

 

 

 

-----

 

~翌朝~

 

「ん…朝か。」

 

千冬が目を覚ます。そして自分がぬくもりの中にいることを気づく。

 

「へ…天利?」

 

自分の頭をしっかり胸で包み、まるで聖母のような穏やかな表情で寝息を立てている。

 

(待て、待てよ。あの後天利を私のベッドに寝かせたのは覚えてる。そして少し酒を飲んで…)

 

ちらりと机の上を見ると一升瓶2本が空になっていた。

 

(…二本も開けたのか。)

 

千冬は自らの行いに恐怖しそして隣で寝ている冬香のことを見つめた。

 

「優しい寝顔だ…。」

 

純粋に千冬はそう思った。

 

(これが…ひと昔前にネットで言われていた、『バブみを感じる』なのか…?)

 

千冬と一夏には本当は蒸発した両親などいない。千冬がドイツで指導したアイツのように自分たちも人工的に生まれた産物なのだ。

 

親からの愛情。そんなもの1ミリたりとも受けてこなかった。

 

すべては一夏を守るため。私は愛情など受けなくともいい。そう決意したはずだった。

 

…いつの間にか千冬は涙を流していた。無性に冬香に甘えたかった。

 

(天利…いや冬香…。お前は…()()()()()()()()()?)

 

彼女と出会う前、少なくとも千冬の決意は簡単には揺らがなかった。

 

しかし、今はどうだ?自分の心は簡単に冬香へ傾いている。

 

千冬はある種の恐怖を感じた。

 

が、しかし今はその恐怖を無視することにした。

 

時計の針は4時をさしている。アラームのなる六時までの2時間。冬香からのぬくもりを享受できるわけだ。

 

(耳かきを頼んだらやってくれるだろうか…。あーんを頼んだら…お酌を頼んだらやってくれるだろうか…。頼んだら……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…)

 

千冬はそう考える。やがて1分がたち千冬は考えるのをやめた。

 

今はただ冬香からのぬくもりを最大限に堪能する。その考えに落ち着いたのだ。

 

二時間の…儚く短い夢の時間が始まった…。

 

 

 

 




なんで冬香すぐ倒れてしまうん?(自問自答)

というわけで黒薊に乗ること=倒れることみたいな感じになってますが…。

これで1巻の内容は終わりになります。自分の欲に忠実になって書きました。

批判が来ても後悔はしません。

次回は1話の前にオリキャラとオリISの説明回を挿入投稿しますので表記上は1話になると思います。








……感想とか意見とかください。作者のモチベーションが最高になります。

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