TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~ 作:地味子好き
転生編①
(あぁ…)
口を動かそうとしても身体は言う事を聞かない。
視界は既に赤く染まり、辺りは近代芸術のように歪んでいる。
さっきまで耳に響いていた雑多な音…サイレン、人の声、雨の音。
そんな音すら、聞こえない。
(死ぬって…こんな感覚なんだな…)
なぜこんなことになったのか、それすらもわからぬまま、『俺』は直感で自分の死を悟った。
(ははッ…確かに、こりゃあ…すごく『眠い』な…)
そして意識を手放し、身体の感覚は黒に染まった。
──────────
数秒か、数分か、はたまた数万年かは分からない。
だが間違いなく『彼』は目を覚ました。
「ここは…」
目がいたくなるような、真っ白の空間。
そこに『彼』はいた。
『やぁ。初めましてだね。まぁこんな挨拶はどうでもいいことだ』
彼の目の前に若い1人の男……いや、若くも見えるしもう死ぬ寸前の爺にも見える。
「あんたは…」
『僕かい? そんなのはどうでもいいことだ。僕は結果が好きでね。簡単に言おう。君はこのまま黄泉の国に送られるか、僕の力で異世界に送られるか……どっちが良い?』
いきなり不可解な質問を投げつける彼に困惑しつつも、『彼』は「これは死に際の夢なんだ」と解釈する。
「そりゃあ……異世界がいいな。」
『そうだろう……でね、どこに行きたい?』
「…あんまり傷つかない所がいいな。精神的にも……物理的にも。」
『そりゃあ……おおざっぱだね。……でも良いよ。見合うようなところから僕が探し出して送るから。君はもう1回目をつぶって寝れば良い。そうすれば……』
「そうすれば……何だ?」
『君と言う存在がその世界に書き加えられる』
そう彼が言い放った瞬間、『彼』の身体は突然、暖かな光に包まれる。
その光は彼に浮遊感を与え、まるで空を自由に飛ぶような感覚を与えた。
今、『彼』の物語は再び始まる。
──────────
ピピピピと目覚まし時計が鳴り響く。何回、何十回と聞いた音だ。
目を開けいつものように止めようとする。
あくびをしてゆっくりと体を動かしベッドからでる。
「ん?」
違和感がある……妙に胸が重いな……それに部屋が良い匂いだ。
そこで俺は正面にあった鏡を見る。
(なんだか視界がぼやけてるな……眼鏡……あった)
まるでいつも使っているかのように眼鏡をすぐ取り、かける。
「え……? ええええええええええええええ!?」
目を少し隠した前髪。肩より長く伸びている後ろ髪、ピンク色のパジャマ、そして何よりも……胸に聳え立つ2つの大きな胸。
「嘘……俺、女になってる?」
外観は……既視感がある。「モバマス」のふみふみこと「鷺沢文香」にそっくりだ。
(まさか……あの夢って……。本当に異世界? そっかアイマスの世界なら他の異世界転生系みたくそうそう魔獣とかに襲われないか……)
超人的な理解力をもって完全に理解した俺はまず朝食を食べねばと下に降りていく。
「あら、おはよう」
台所で食事を作っていた女性。記憶によれば母だ。ソファーに座って新聞を読んでるのは父だ。
「おはよう。母さん」
自然と言葉が出てくる。そうか。身体は覚えてるタイプだな。
「ご飯できてるから……早く食べちゃいなさい。今日は検査の日でしょう?」
「うん」
(検査? 検査ってなんだ……?)
『本日、全国でIS適正一斉検査が行われます。各会場では‥‥』
ふとテレビを見るとそんなニュースが流れている。
(え、嘘だろ……? ここ、ISの世界……?)
この世界は俺の思ってた世界と違うらしい。
初めて投稿します。
インフィニットストラトスは原作も少ししか読んでませんが頑張って書こうと思います。
感想とかよろしくお願いします