TS転生 地味子と行くインフィニットストラトス~ハーレムには入らない~ 作:地味子好き
一夏がクラス代表になった後。騒動もひとまず落ち着いたと思ったら今度は転校生の噂で持ちっきりだ。
「ふゆふゆ聞いた?」
教室につくやいなや私の唯一の話し相手のほほんさんが声をかけてきてくれた。
「転校生の事?」
「そうだよ~。皆その話で持ち切りだからさ~。」
「そうだね。でもこの時期って珍しいよね?」
「中国の代表候補生らしいからね~。いろいろあるんじゃないかなぁ~。」
「あ、そうだ。のほほんさんにこれあげる。」
そう言って昨日見つけた「ヤムヤムつけぼー白黒チョコ味」をバックから取り出した。
「あ、ヤムヤムだぁ~。私これ好き~。ありがとふゆちゃん。」
「どういたしまして。」
と話しているといきなり教室のドアが開いた。
「その情報、古いよ!」
そう言って現れたのは小柄な体躯の少女。
「二組の代表候補生も専用機持ちよ!」
「鈴…?お前、鈴か!?」
中国の代表候補生。凰鈴音。堂々たる入場。
そのまま一夏と喋っていると彼女の後ろに大きな影が。
(あ、千冬さん。)
「もうSHRの時間だ。早く教室に戻れ。」
いくら代表候補生といえども千冬=サンにはカテナイ!TRS(チフユ・リアリティ・ショック)だ!
しめやかに爆発四散・・・・はせず2組へ戻っていく。
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~昼~
今日の授業は良く出席簿アタックが炸裂していた(主に2人に対して)
さて、私は一夏がよく見える位置に移動して、食事に移る。
束さんの謎技術によって私がペン型カメラを起動させていなくても腕輪となっている黒薊と通して常に一夏の映像を束さんに送っている。
「あ、この鴨せいろ美味しい。」
「冬香、隣いい?」
ふと顔を上げると簪ちゃんが立っていた。
「良いよ。隣座って。」
「ありがとう。」
簪ちゃんは親子丼だ。
ふと横眼で一夏達の方を見るとなにやらわちゃわちゃやっている。
「‥‥嫌いだな。」
ボソッと隣でそんな声が聞こえる。声の主は簪ちゃんのようだった。
「え、あ、違うよ?冬香の事じゃなくて‥‥。」
「ふふっ。大丈夫。分かってるよ。」
彼女の頭にそっと手を乗せ、撫でる。
「ん。」
そっと顔を赤らめ、下を向く。
(と、いけない。一夏達もう行っちゃうな。)
蕎麦の汁を飲み干し、簪ちゃんに別れを告げ、教室へ戻ってい‥‥こうとしたところで千冬さんに呼び止められた。
「どうかしたんですか?織斑先生?」
「天利、これを見てくれ。」
と3枚の紙を見せてきた。
「なんですか?これ…。」
「1枚が篠ノ之の打鉄の借用届、もう1枚がオルコット名義の第三アリーナの使用申請。そしてもう1枚が…。」
「凰さんの同じく第三アリーナ使用申請ってことですね。」
「ああ。すまんが、日本代表候補生の天利冬香として、頼む。」
「千冬さん。なんで私をセシリアさんや凰さんと戦わせたがるんですか?」
「…一夏は何でも一人でできる。料理に洗濯、掃除。だがな、あいつにはもっと人を頼ることを知ってほしいんだ。」
「それで、頼れるような人は少なくとも私より強くないといけないと?」
「ああ。」
話を聞いていて、なんだがむかむかしてきた。
「それは、あなたのエゴでしょ!?」
「エゴ・・・?」
「ええ。そうですよ。エゴです!そうやって一夏の、自分で選ぶべき未来への道をドンドン潰していくんですよ!」
「違う。私は!」
「いいえ。何も違いません!貴方は篠ノ之さん、セシリアさん、凰さんに一夏を託そうとしているのかもしれません。でもッ!一夏が誰に頼りたいのか!それはあなたが決める事ではありません!」
はぁはぁと息を吸う。そうして、私ははっとした。
「す、すみません。そんな出しゃばったことを言って…。放課後の件。分かりました。授業が終わったらすぐに第三アリーナへ行きます。それでは…。」
私は逃げるようにその場を離れた。
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~自販機前~
「…エゴか…。あいつの道。確かに私が閉ざしているのかもしれない…。しかし、私に向かってあんなに直球に言葉をぶつけてくるなんて…。束以来だな。」
千冬はコーヒーを買いながら冬香が言っていたことを思い出していた。
「天利冬香、もしかしたら彼女なら一夏といい関係になれるかもしれない‥。」
そう呟く。ガコンとコーヒーが取り出し口に落ちてきた…。
お久しぶりです!生きてました!
現実と言うものは恐ろしいです。いつかやろうやろうと思っていても疲れすぎて…。
長く期間を開けすぎて前回どんなところで終わったのか覚えてなかったくらいです。
感想とか、良かったらよろしくお願いします!