仮面ライダーアズライグ 作:ヘンシンシン
くそう! 世の中うまくいかないなぁ。何が原因だ畜生!!
そんなこんなで、私たちは特訓のために山を登っていた。
「えっほ、えっほ」
「えっほ、えっほ」
私もイッセーも結構ペース良く山を登れている。
ここは人間界にある山奥。
グレモリー眷属が購入して所有権のある山々で、その一つに別荘があるんだって。
すっごい金持ちだよね、グレモリーって。おかげで生活費も万全だよ!!
そのうちの一つを使って本格的なトレーニングを行うことになったの。
「それで、部長? あとどれぐらいでつくんですかー?」
「そうね、あと一時間といったところかしら」
気持ちよさそうな汗をかきながら、部長は私の死質問にそう答える。
さすがに魔力戦闘タイプである部長も朱乃さんも荷物は少ないけど、その分肉弾戦はの私たちは結構な荷物を背負ってる。
背負ってるんだけど……。
「お先に失礼します」
……一番ロリッ娘の小猫ちゃんが一番荷物持ってるんだよなぁ。
祐斗っちも線が細いのに結構な荷物を背負ってるし、イッセーも私も結構荷物を背負ってる。
それでも意外と楽に登れるんだから、悪魔ってすごいんだよねぇ。
「……うぅ、やっほぉおおおおおお!!」
やっほー、やほー、ゃほぉ……
うん、やまびこ気持ちいい!!
「あらあら、一美ちゃんは元気いっぱいですわね」
「もちろんです! だって死人が出ないから気楽だしね!」
うん、そういう意味だとすごく気が楽。
いつもはぐれ悪魔が死ぬのを見たりするのは気が気がじゃないんだよね。
だって、自分も逆に殺されるかもしれないって否でも考えちゃうんだもん。
だけど、レーティングゲームなら戦闘不能になったらすぐ転送されるからその心配はないんだよね。
だから、結構気楽に参加できるかな?
「うふふ。でも部長の今後の未来がかかっているから、真剣にやりましょうね?」
「はい! わかってます!!」
そこはきちんとわかってるから安心してください!
やっぱり女の子としては、好きな男の子と一緒になりたいもん! そこは譲れないよね!!
そんなことをしていたら、ついに別荘まで到着したよ。
うん、ここから私達のトレーニングが始まるんだ!!
すごい、イッセーすごい!!
私も頑張って特訓してたけど、イッセーってばあんなにすごくなってたんだ!!
具体的には―
1 祐斗っちとの剣術特訓!
「せい、や!」
「そうそう、周りの様子もよく見て冷静に対応するんだ!」
祐斗っちは剣の使い手。
今まで戦ってきたどんなはぐれ悪魔も、祐斗っちの動きに対応できずに切り刻まれるんだよね!
「うん、だいぶ良くなってきたね」
「これでも頑張ってるからね!」
戦闘では全く役に立たないんだけどね、ちっくしょー!
「さて、それじゃあ次はイッセー君だ」
「ああ、でもちょっといいか?」
「なんだい?」
イッセーは短い警棒を取り出すと、それを木刀に括り付ける。
たしか、ズバットマグナムだっけ? あれにそっくりな形になった。
「ズバットマグナムには接近戦用の使い方があるからさ、それに近い形の方がやりやすいんだよ」
「なるほど。慣れた武器があるならそっちの方がいいよね」
祐斗っちもすぐに納得すると、そのまま修行を始めたんだけど―
「は! とぅ! やぁ!!」
「これはなかなか……っ!」
すごい! 互角に渡り合ってる!!
何ていうか動きが見えなくなってきそうだよ!!
そのあと数十分もの間戦いを繰り広げて、時間切れで引き分けになった。
2 朱乃さんとのドキドキ魔力訓練。
「魔力は体全体を覆うオーラから、流れるように集めるのです。意識を集中させて、魔力の波動を感じるのですよ」
うんうん、こればっかりは慣れが必要だからイッセーでも苦労するよね。
ちなみに私は結構できるよん♪。
「はい、できました!!」
よっしゃ! バスケットボール大にまででっかくなったよ!!
「ぬぉおおおおおお! 姉貴に負けてたまるかぁあああああ!!!」
イッセーもすごい気合を入れて魔力を出すけど、出てきたのはピンポン玉ぐらい。
「………」
「ドンマイ」
うん、ちょっとかわいそうになってつい励ましちゃった。
僧侶の駒を使ってこれっていうのは、さすがにちょっときついかな?
そんなこんなで私は次のステップ。
魔力で水を動かして、ちょっとした水芸の練習をしている。
私は兵士の駒八つで変身しているけど、やっぱり僧侶が一番得意かな?
逆に一番苦手なのは騎士。どうも武器の扱いは苦手なんだよね。走るのも結構遅いし。
そんなことを考えてたら、イッセーは朱乃さんとこそこそと話をしていた。
そして、なぜか野菜を渡されて皮むきを魔力でやってた。……何やってるの?
3 小猫ちゃんとの体術特訓!
私とイッセーは小猫ちゃんを二人係で追いかけていた。
「イッセー! 左側よろしく!」
「おう! 姉ちゃんは右からたのむ!!」
「同時にどうぞ。……負けませんから」
兄弟だからそれなりに連携はできるんだけど、戦闘での連携は初めてだから結構苦戦する。
それでも、結構触れそうなところまで来るんだけど―
「えい」
「ぐわぁ!!」
「あ、イッセー気張って―うわぁ!?」
連携が乱れると簡単に伸されるんだよなぁ。
うわ~ん! いつまでたっても小猫ちゃんには格闘戦で勝てないよぅ!!
これでも僧侶の次ぐらいには戦車のが得意なのに!!
「単純に打たれ強いだけです」
心を読まないで小猫ちゃん!!
「イッセー先輩。打撃は体の中心線を狙ってください。……なぜ狙っている場所がバラバラなんですか?」
「いや、ドラピングは硬いのが多いけど人間の体の影響を受けるから、点穴とかを狙った方が効果的にダメージが入るんだよ」
ふーん。ドラピングもやっぱり体の影響を受けるんだ。
「確かにそうですが。イッセー先輩は体つきはしっかりしているのでパワータイプの攻撃を行った方が有効です。急所を個別に狙うのは、非力なものの戦い方です」
うんうん。子猫ちゃんはやっぱり体術の達人だ。
そしてそんな日が何日も続く中、私は夜に目が覚めた。
……さて、そろそろ終わりだけど、勝てるのかな?
ライザーは結構強いんだよね。
フェニックスの特性は不死。大きなダメージを受けて肉体が欠損しても炎とともに再生する。
しかも、その涙は特殊な方法で生成すると傷をいやす薬にもなるの。マジすごい。
レーティングゲームが始まってからはもうそのせいで成り上がりまくってて、だからか結構地位が高い。
もしかしたら負けるかもしれない。いや、勝てる可能性能方が本当は低いんだ。
だけど、それでも……。
「私は、グレモリーなのよ」
と、そんな声が聞こえてこっそり身を隠す。
のぞき見ると、イッセーと部長が話してた。
「どこまで言っても、どこに行っても、私は
そっか、それが部長の不満なんだ。
親の七光りってやつなのかな。やっぱり、個人として見られないのはつらいんだよね。
そういうのって、すごい親を持ったりすると例外なく持っちゃうものだよなぁ。うんうん、悩むよね。
「もちろん、グレモリーであることは誇りなのよ? だけど、同時に私をどこまでも縛ってるの」
部長、そんなに苦労してるんだ。
「確かに、ライザーは嫌なところもあるけどお父様が選ぶだけあってダメな人じゃない。だけど、彼は私をグレモリーのリアスとして愛するの。……それが、どうしてもいやなのよ」
部長、そんなに……。
ちょ、イッセー? どうするの? どうするのよ?
「……えっと、俺、難しいことはわかりませんけど」
おいぃいいいいい!! わかって、そこはわかってよイッセー!!
「でも、俺、リアス部長のこと大好きです」
……ってうぉい!?
ふぉ、フォローするにしてもそれは殺し文句!!!
あ、だめだ。これは聞いてたらすごい恥ずかしいことになる。
私は急いでベッドに戻りながら、しっかしすごい創造をしてしまった。
リアス部長、わたしのお姉ちゃんになっちゃうかも!?