第1話 出会い
ここはニコニコ県ネ実市。人間・妖怪・神様・幽霊・獣…と、挙げればキリがないくらい多種多様な輩が住まう大都市であるこの町には、初等部から高等部までの一貫教育(途中編入有り)を行う私立学園が存在する。その名も《陰陽鉄学園》。ネ実市どころかニコニコ県に住む人々なら知らない者はいないくらいの超有名高校…中学校?小学校?なんて言うんだろ?…まいっか、とにかくそんな施設がある。
あ、まだ名前を言ってなかったっけ?
俺は白金大雅。今日からこの陰陽鉄学園の高等部に編入するヒュームだ。
ここには越してきたばかりだから友人関係も何もあったもんじゃないけど、俺は気にしない。友達がいないなら作ればいいじゃないか。
…作者の目が淀んだ気がするがメタはいかんな、関わらんとこ。
まぁそんなこんなでいざ学園へ。
今住んでるアパートから学園へは、目の前の大通りを道なりに歩くだけで着く。この距離なら自転車要らないな。せっかく持ってきたけど、出番は休日までお預けかな?
…とか言ってる間に到着。いやぁ騒がしっ。誰だろうね初等部から高等部まで入学式同じ日にやろうとしてる人は。人じゃないかもしれないけど。
さぁて何組かな〜?
汚忍side
長ったらしい階段を延々と登り続けること5分。目の前の教室のドアを開ける。教室が階段の目の前にあるのと、座席が廊下寄りなのが救いか。この学校いい加減エレベーターかエスカレーターくらい付けてもいいんじゃないかと学年が上がるたびに思う。授業受けるためになんで6階まで来なきゃならないんだと心の奥底で愚痴る。そんなことしたって何も変わんねぇけど他にやることも大してない。せいぜい紙兵を作り置くくらいだ。ブロントのやつのクラスは知っているが、高校生活初日からそんな気力は持ち合わせちゃいない。というか、どうせあいつのことだから屋上辺りでサボってるに違いない。居心地が悪くないのは確かだが俺は四季会長に目をつけられている。ついでに言えば生徒会副会長だから式中にやることもあるにはあるからサボれやしない。
「はぁ…めんどくせぇ」
だから今の俺にはこうして溜息をつくくらいしかできない。
「えーっと座席は…あっちか」
そう言いながらまた1人教室に入ってくる。
(…見ない顔だな、隣町のヤツか?)
同学年のやつを全員知ってるかと言われればそうではないが、記憶力には自信があるし、何よりあれだけのスペックなら噂の一つや二つあっても可笑しくはない。だが俺の隣に座った「ソイツ」は俺の覚えている限りでは全く知らないやつだった。
(ま、関わんなきゃi…)「初めまして、俺は白金大雅。よろしくな!」
…どうやら面倒なことになりそうだ…どうしてこうなった…。
大雅side
…こ、この学校…広い…。絶対1ヶ月は路頭に迷うぞこりゃ…。そもそも8階建てってこの校舎可笑しいだろ…。何とか教室まで辿り着けたけど。
「えーっと座席は…」
15番は…ド真ん中?
「あっちか」
授業受けやすいだろうからいいか。…おっ、隣いるじゃん。挨拶しとこ。
「初めまして、俺は白金大雅。よろしくな!」
挨拶は大事だもんな…あれ?不機嫌そうだな…なんかミスったか?
「…はぁ、汚い忍者だ」
「忍者ね。これからよろしく!」
「…おう」
なんだろう、なんか友達少なそうな人だなぁ…まぁいいや、俺が広げてきゃ良いもんな!
???side
面倒だなぁ…俺は早くヤツをとっちめねぇとなんねぇってのにあの堅物軍団と来たら…何が『学校はちゃんと通うべきだ』だよ。テメェらなんぞに頭脳戦で負けやしねぇよ。ったく…。
だが陰陽鉄学園か…ざっと20000人が集まるとなりゃかくれんぼには悪くない場所ってのも納得だな。
事実…今俺がこの場で迷ってるわけだし。
「ここどこだよ…」
こんなんでやってけるのか?俺…。
用語説明
・陰陽鉄学園
ネ実市随一の私立名門校。小学校から高校まで一貫教育を行っているが、途中編入は学力が相応であればいくらでも可能。ネ実市で学校と言えばそこらの公立校よりも先にこの名が出てくるくらい有名で、毎年他県からも多くの受験生が集まる。
人気の理由である、高い教育水準に対する学費の安さは、学園長の努力の賜物だとか、理事長が娯楽感覚で建てたからだとか、様々な憶測がまことしやかに流れているが、真偽のほどは定かではない。
大雅たちが属する高等部は、200⑨年4月1日現在、およそ2000人ほどの生徒がいる。
という訳で第1話でした。如何だったでしょうか。
まだまだメインキャラが出会いきれていない不具合がありますが、学園は広いですし、まだ入学式も始まってすらいませんから、これからどんどん出会っていきますよ(フラグ)
ちなみに後書きには、本文中の用語の解説をちょこちょこ載せていこうと思っていますので、どうぞご参照ください。
ではまた次話にて