原作と違いすぎてどうすればいいのかわからない   作:七黒八白

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前回のあらすじ

 桐ケ谷祖父「さて、梟助君。君はどうすれば直葉と仲良くなるのかね?(CV.〇田〇勝)」

    梟助「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」

そんな感じでマイペースにはじまります。原作はまだ先ですね。


第二話 過ぎる日常 まだ何も始まらない 

 桐ヶ谷祖父となんやかんやあって、もう三年経ち2016年。俺は7歳になった。直葉も原作通り剣道を始めている。ちなみに、僅差だが俺の方が始めたのは早いので兄弟子ということになっている......あと分かってたけど桐ヶ谷祖父めっちゃ強い。もうそろそろ80歳になるそうだが、全く老いを感じない。身体能力が勝っても勝てる気がしない。やっぱりあの眼帯の下には自分の尾を飲み込む蛇の刺青があるとしか思えない。本人は「若さゆえの過ち」と笑ってたが、どこの赤い彗星だよ。確かにあんた素早いけど。

 

 「雨木君どうしたの?考えながら歩くと危ないよ」

 

 「あぁ、すまん。いやどうしたら武蔵さんから一本とれるかなって」

 

 「いやぁ無理でしょ?若い頃凄かったらしいし、雨木君も凄いけどおじいちゃんは別次元だよ。」

 

 「確かに70台後半の動きじゃないな、あれは。」

 

 そして俺が望んだ、或いは桐ヶ谷祖父が望んだ通り直葉とも繋がりが持てた。自画自賛かもしれないが中々仲が良いんじゃなかろうか?暇なときはよく竹刀でしばき合っている。この夏休みも大体そんな感じで過ごした。直葉の力も借りる時が来るかもしれないので是非とも原作以上に強くなって欲しい。

 

 「でも雨木君も色々おかしいと思うよ?飲み込みの早さとは別に体の頑丈さとか、傷の治る速度とかさ。」

 

 「....そうか?若いからじゃないかな?俺は別に何とも思わないけど?」

 

 そうだった、それがあった。『カミサマ』に健康で強靭な、日本でも違和感ない程度の体を頼んだが俺の体は近しい人でなければ気が付ないだろうがかなり凄い。まず病気に罹らないのはまだ普通だが、罹ったとしても風邪薬を飲めば3分で完治し、捻挫も2,3日で治る。今の所分かってる異常な事はこれくらいだが.....サイヤ人は駄目だといったがマサラ人も駄目だろ『カミサマ』。

 

 「おじちゃんも言ってたよ、心身ともに子供とは思えん。天才というより異端だって。」

 

 桐ヶ谷祖父のチート具合は今に始まったことではないが、もうあの人は俺の正体に気づいているかもしれない。てかあの人もしかしてオリ主なのでは?

 

 「カンガエスギダヨ、それより学校に遅れるから早く行こう。」

 

 「なんか凄い片言な気がしたけど......わかった、行こっか。」

 

 なんやかんやと話しながら俺と直葉は学校に向かう。のほほんとしてると忘れそうになるが、ここは「ソードアート・オンライン」の世界なのだ。色々と対策をしておくに越した事はない。原作キャラの動向も頑張っているが、当然収穫は皆無である。ユウキの生存を確かめるため横浜の病院を原作以外の所もマラソンがてら走りまくって探したが、流石に病院のセキュリティーは固く子供の身分でも無理だった。原作通りならユウキはHIV患者...機密としては最高峰のものだから無理もないが.........。

 

 「なあなあ!夏休みにやってたあの映画見たか!」

 

 「あぁ見た!凄かったよな!」

 

 「俺の弟なんか影響受けすぎてずっと主題歌歌ってるぜ!君の前ー」

 

 おっとそこまでにして貰おうか。色々と危ないからな。教室に着いて、クラスが違うため直葉と一旦別れ、自分のクラスでのんびりしていた。この学校に原作キャラがいないことはもう判明している。だがそれとは別に、俺は重大な問題にぶち当たっている。それは.........ボッチだと言うことだ!!

 

 「チラッ.........ヒソヒソ」

 

  「ヒソヒソ.........ヒソヒソ」

 

  「アイツ.........ヒソヒソ」

 

 何故にこうなった、別にいじめとか、クラスの皆に惹かれるような事はしてないはずなんだが。体育の時間とか、もう、ほんとね、先生わざとですか?いい加減さ、分かれよハブられてること位。何で毎回「はい、二人組作ってー」なんだよ、女子に嫌な顔された気持ちあんたには分からないのか!一番辛いのはハブられてる理由が分からないことだ。虐めっ子をボコボコにしたとかないし、先生の事を論破したこともない。いやマジで何でだ?わからん。まぁ時間を割かずに済むからいいけど.........。目を向けただけであからさまにビビらないで欲しい。なんて考えてるうちにチャイムが鳴り、先生が入ってくる。

 

 「お前らー、席に着けー。はい、あとそこ、その映画の話すんな、先生まだ見てねえから。」

 

 一時間目は...算数か。流石に小学生の勉強は聞いてるだけでも、百点とれるので予め用意していた英語と漢検の問題集を算数の教科書で隠しながら、先生にばれないように解く。あの先生は結構いい加減なのでこれでごまかせる。コナン君はどう過ごしているのか、非常に気になるところである。

 

 「(おい!見ろよ!あいつまた何か凄いの解いてんぞ!)」

 

 「(あれ、英語だよな、何であんなもんやってんだ?)」

 

 「(その癖テスト満点だよな、おかしくね?)」

 

「閑却」?何て読むんだコレ?全くわからん。知能も何か特典貰った方がよかったかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あたしには不思議な幼馴染兼兄弟子がいる。

 

 「...ッ!!!」

 

 「ふむ...。」

  

 無声の気合とともにあたしのおじいちゃんに、そしてあたしと彼の師範に特攻を仕掛ける。その速さはとてもではないが小学生のものとは思えない。あたしにはまだ違いがわからないが、おじいちゃん曰く技術ではなく純粋な身体能力による物だという。  

 

 「シッ!!!」

 

 「温い。」

 

 が、それでも子供の域を抜けきっていないのか容易く対処される。76歳の老人といえども、あたしが物心ついてから一度も鍛錬を怠っているところを見たことが無い。外見も白髪が混じっているが、70台には見えない程若々しい、そんな相手に力業で挑むのは無謀極まりない。だがそんなことが分からないあたしの兄弟子ではない。突き気味に放った面を竹刀で払われ、立ち位置がちょうど入れ替わった。直後振り返り今度は姿勢を低くし、顔の横に竹刀を添えたまま特攻をしかける、おじいちゃんは少し呆れたようにまた同じように竹刀で払おうとするが、

 

 「ハッ!!」

 

 「!なるほど。」

 

 竹刀を払われるよりも先に、自分の竹刀を片手持ちに変えてリーチを急に伸ばした。簡単なフェイントだが同時に弾丸のような速度で前に跳び、竹刀の速度を超えた、これなら払われない。

 

 「なら、こうだな。」

 

 「!?」

 

 それに対しておじいちゃんがどう防いだのかは見えなかったが、どうやら兄弟子の策は敗れたようだ。成長の早さ、随所に見られる工夫、抜きんでた身体能力。正直天才の類かとおじいちゃんに尋ねたが、「才能とはまた違う、努力とも少し違う、育ちが早いんだろう。特に精神面がな。」と言っていた。確かに子供らしくない所は多々あるように思える。おじいちゃんに剣道の師事を頼んだこと、豊富な知識、同年代の男子とは違う形の落ち着き、性格ではなく、まるで弟を見ている兄のように思えた。

  

 「ッオォ!!」

 

 「気合だけか?」

 

 また背を晒す形になり、振り返る形で横に竹刀を振るうが初めから範囲を見切られていて振った直後を狙い今度はおじいちゃんが特攻を仕掛ける、いやすでに仕掛けていた。

 

 「年にしては動けている」

 

 「....!!」

 

 「だがそれだけだ。」

 

 四方八方から飛んでくる竹刀を動きながら、竹刀で捌きながら回避しようとするが、素人目でも明らかな程体が追い付いていない。埒が明かないと思ったのだろう、自分からエビのように飛んで後退した。

 

 「ハァッ「突きに拘り過ぎだ!」ごッばあぁ!!?」

 

 追いかけてきたおじいちゃんに対してカウンターに放たれた突きは竹刀で上に逸らされ、がら空きの胴に下から突き上げるかのような肩からの体当たりが諸に入った。叫び声というより、肺から無理に空気が絞り出されたような声だった。その勢いのまま3,4回後転し、

 

 「ぐ...ぁあ...」

 

 「.........。」

 

 「......ありがとうございました。」

 

 「うむ、このくらいにしておくか。」

 

 膝まづいた状態でそう言った。立つ程の体力もないのだろう。防具を付けて動き回るのは体力の消耗が激しい。剣道の試合は一試合原則5分だが、それでも体力はかなり使う。そして兄弟子は通常の稽古だけでなく、おじいちゃんとの試合をほぼ毎日、40本、休日は倍行っている。平日でも単純計算200分である。ぶっ続けで無いにしろ、二人ともおかしいです。

 

 「あー、負けに不思議な負けなしというけど、勝てねー。」

 

 「気にすることは無い。君はすでに中学生が相手でもまともにやり合えるさ。」

 

 「嬉しいんですが、武蔵さんにはいつ勝てますかね?」

 

 「.......私が死ぬ前までの課題だな。」

 

 「まさかの皆無ですか!?」

 

 「それより雨木君もおじいちゃんも、今何時だと思ってるの!?夜の9時半だよ!?」

 

 「すまん、家近いからついな。」

 

 「すまん、梟助君が頑丈なもので。」

 

 この二人は案外似てるのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 桐ヶ谷祖父強すぎワロタWWWWWWWWWW.........。いや笑ってる場合では無いけど。反省しなきゃだけど。あの人リーチ伸ばしたフェイント突きを竹刀の柄頭で逸らした.............人間業じゃねえよ。どんな動体視力と反射神経だ、それとも予測してたのか?原作キャラよりキャラができてないか?あの人。しかし、力業でゴリ押してる一面も否定できないけど中学生とやり合えるか。あの人の言葉だ信じてもいいだろう。戦闘の慣れはある程度できた。後は何が必要だ?知識?ネトゲに関する?その辺も調べるけど、SAOに従来のネトゲの常識が当てはまるのか......?謎だ。体術とかにも手をだそうかな。二束わらじ出来るかもしれんこの無駄に頑丈な体なら。

 

 「原作に関する情報収集と体術の練習かな?今後の課題は。」

 

 多分この特典の活用法これくらいしか今のところないし、俺にどれだけVRの適正があるかは分からないが。原作では幼少期に剣道を辞めたキリトでも通用し、ALOから参戦した直葉はその実力で初めから強かったというし、結構いい線行けるのでは?

 

 「しかし、まだまだ先だしな。今はのんびりするか。」

 

 原作まであと、6年。キリトの軌跡を知った上で俺はどんな冒険をするんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「これでSAO参戦出来なかったらどうしよう.........。」

 

 怖すぎるのでそのことを考えるのはやめた。

 

 

 

 

 

 




 戦闘描写が難しい、直葉視点だったからかもしれませんがその辺は今後調整してきます。
あと、2,3話くらいかな? ヒロインは候補はありますが、未定です。タグに出すのもかなり先だと思われます。

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