原作と違いすぎてどうすればいいのかわからない   作:七黒八白

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作者のあらすじ

     作者「スランプから回復しました!」

    オウル「いや、お前ココ出んの?」

 不定期ですが、これからも更新していきます。
 待ってた方々ありがとうございます。久々で調子はあまり出ませんが更新。



第二十話 死ぬる時 何選ぶ?

 十二月二十三日、アインクラッド第四層、ヨフェル城にて。

 私達が城主に会わせてもらってから三日後、つまり今日、ここにフォールンエルフなる者達と手を組んだフォレストエルフがここに攻め入ってくる。

 はっきり言ってボス戦の時よりも緊張する、城と中の住人を守るというプレッシャーがあるからだろう。手に握っている剣にも思わず力が入る。

 

「遂にこの時が来たね、オウル」

 

「あぁ、フィリアとシノンとアスナは桟橋で敵を城に近づけないくれ」

 

 曰く、取り回しが片手剣より楽だろうから、とのことだ。

 確かにただでさえ広いとは言えない桟橋でダークエルフ達と一緒に乱戦するのだからその辺は気を付けておいた方が良いだろう、プレイヤーならフレンドリーファイア(オウル君に教えてもらった)は起こらない様にシステムが働いてるらしいが、今から共闘するのは飽く迄もNPC、敵認定されれば私達はダークエルフとフォレストエルフとフォールンエルフを相手にしなければならない。

 そうなれば『詰み』だ。

 

「で、あなたとユウキとキズメルがティルネル号で、直接船に仕掛けるのね?」

 

「一撃の重さなら俺とユウキが上だからな、水に叩き落とせばわざわざHPをゼロにしなくてもいい、お前達も体術スキルを使って早めに片付けろ」

 

 確かに、そちらの方が効率は良いだろう。

 私も別に皆殺しがしたいわけではない・・・・だが。

 

「・・・・オウル君」

 

「ん、何だ」

 

 何故か、私の方を見ずに返事をする。

 此方が何を考えているか分かっているのだろうか。

 

「本当に、危ない時は・・・・私達に言ってね」

 

「・・・・・・わかってるよ」

 

 一層の時、イルファング・ザ・コボルトロードを相手にしていた為、彼一人にコペル君の対処を任せた。その結果彼は望まずして、その手を血に染めることになった。

 あれだけ人目に付いた状況だ、オウル君に限らず誰でも殺そうとしただろう、『誰かがしなくてはならなかった』、そしてやったとしても『誰も悪くない』、要するに正当防衛、理論だけなら、しかし倫理は?

 ディアベルさんも、キバオウさんも、エギルさんもきっと分かってくれている・・・・しかし、未だに彼は心のどこかで引きずっているのだろう・・・・それが時折顔を出し、人型NPCを殺める事を躊躇わせる。

 

 根拠は全くないのだが、いつの日かそれが命取りになるのでは・・・・。

 

「それよりもオウル、そろそろ来そうだよ」

 

「そうか、船に乗り込んでおけ、キズメルを呼んでくる」

 

 ユウキちゃん、しっかり手綱を握ってね。

 少なくとも、今の私には彼を止めるだけの力や理解は無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたーの船に狙いをきーめて!!!!」

 

「シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!超☆エキサイティンッ!!」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「どうしてこうなったの・・・・?」

 心配した私も馬鹿だったかもしれないが、きっと彼の方が馬鹿だろう。

 そう思いたい、後ろで二人の悪ノリについていけないキズメルを見るとそう思わずに居られない。あれでちゃんとHPをゼロにせずにフォレストエルフを退場させているのだからたちが悪いというか、やることはやってるというか・・・・。

 先程からあの調子でティルネル号を巧みに操り相手の粗雑な船を沈めている。こっちの船の方が小さいため小回りが利き、何よりキズメルとユウキちゃんの強さが尋常ではない。

 

「エ〇ダァァァァァァァァ!!」と白髪の剣士が、

 

「イ〇ァァァァァァァァァ!!」と可愛らしい剣士が、

 

「二人とも、さっきから何だ、その掛け声は・・・・?」とエルフの騎士が、

 

 ・・・・今のオウル君とユウキちゃんは、昔たまたま再放送でやっていた核が落ちた世界で一子伝承の暗殺拳を極めた主人公が出て来るアニメの敵キャラの様にヒャッハー!している。

 モヒカンではないけど。

 

「汚物は消毒だー!!」

 

 ユウキちゃんの教育に悪いと思わないのだろうか?

 

「汚物じゃなくても消毒だー!」

 

 もう手遅れのようだった。

 こればかりは彼の責任ではないが拍車をかけたのは事実だろう。

 そんなふざけつつも、迅速かつ着実に敵を沈めているが・・・・

 

「でも時間の問題でしょうね・・・」

 

「あの三人の活躍以上に敵が多すぎるよ!!」

 

 そう、如何せん頭数が違い過ぎる。

 エルフ同士は実力が拮抗しているが、数はフォレスト側が圧倒的。そしてその差は私達が抑えているのだが、桟橋では一度に戦える数が限られているし、ダークエルフとの連携も、キズメル程上手くはいかない。

 水上戦もかなりの数をこなしてきたが、やはり限界がある。

 ティルネル号の衝角にもクーリングタイムがあり、連発は出来ない。

 速さがあっても広いカルデラ湖、敵も三々五々にやってくるのでどうしても打ち漏らしが出てくる。

 

「こっちの兵力は限られていて、敵はまだこっちの倍は居る、それにティルネル号だって何時までもつか・・・!」

 

 正面から斬りかかってきたエルフの攻撃を避けて、水平蹴りで水面へ叩き落とす。

 真綿で首を絞められている様な焦燥感を感じながら、ずっと戦い続けているが・・・・打開策は無いのだろうか。

 

「オウル君!何か策とかないの!?」

 

「ぶっちゃけ無いな!武術とかは兎も角、軍略とか戦術とかは門外漢だ!」

 

 まぁ、それはそうだろう。

 何処の世界に武術だけなら未だしも、軍略にも明るい青年が居るのだ、いや居るかもしれないが、実際に戦う事を想定してる人間はそう居ないだろう。

 

「エルフの指揮官は!?『引っ込んでろ!』って偉そうに言ってた人!」

 

「開始五分で沈められた!」

 

「早いよ!?あの如何にも戦い慣れてそうな風貌はなんだったの!?」

 

「指揮官は置いて来た、ハッキリ言ってこの戦いにはついてこれそうにも無かったからな・・・」

 

「オウルくーん?そろそろ危機感覚えようねー?私達今、押されかけてるんだよー?」

 

「ヤ無茶しやがって・・・」

 

「ユウキチャンモ、ダヨ?」

 

 役割は十全にこなしていても、限度と言うものがある。状況を考えなさい。

 何故か二人が顔面蒼白になり、キズメルが今まで見たことが無い顔をしている・・・・心なしか、私に代わって戦ってる二人も急に攻勢が増した。何で何だろう(素)?

 

「アッ、ハイ、そのですね、私が考えるに、これはちゃんとした指揮官が居ないから押されてるんだと思うんです」

 

 ちゃんとした指揮官が居ない?最初の偉そうな人じゃなくて?

 

「確かに現実では軍師と城主は別だろうけど、ゲームとかでは案外兼任されてたりすることがある・・・・んですよ」

 

 何故か所々敬語になりながらも説明するオウル君、と言うことは、この状況を打開できる人が居るとすれば、

 

「閣下を連れてこればいいの!?」

 

「可能性があるとしたら、もうそれ位しか思いつかない!」

 

 叫びながら、オウル君が背後から斬りかかってきたエルフの剣を受け止め、ユウキちゃんが蹴落とす。

 この調子なら、水上戦もまだ余裕があるだろう。

 

「ごめん二人とも!五分持たせてくれる?」

 

「五分でも!!」

 

 上段から振り落とされる剣を、蹴りで反らしながらシノンが

 

「十分でも余裕だよ!」

 

 態と鎧の部分にソードスキルを当てて、ノックバックで桟橋から落とすフィリアちゃん。

 これならもう少しは持つだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 つい数日にキズメルに案内された道を全力疾走しながら、考える。

 確かキズメルから聞いた限りでは、ヨフィリス閣下は奇病のせいで昼間でも真っ暗な執務室から出ない。

 

「出てきてくれるのかな・・・?」

 

 今は昼間、日の光を浴びたらどうなるのかは分からないが、このままではフォレストエルフを抑えられない。私は執務室の扉の前で一瞬だけ躊躇い、叫ぶ。

 

「ヨフィリス閣下!失礼します!」

 

「・・・入りなさい」

 

 少しの間を置いて、扉の向こう側から声が返ってきた。

 足を踏み入れた先はやはり暗闇だった、足元と先のランプと、その近くに佇む人影しか見えない。

 

「どうやら劣勢のようですね」

 

 まるで他人事のような言い方だった、此処はこの人の城で、今まさに自分の騎士達が戦っているのに。

 

「そんな・・・そんな言い方は無いんじゃないですか!?確かに私達が力不足なせいで、こちらは旗艦を含め半分以上沈められましたが・・・!」

 

 少し、いやかなり失礼な物言いだった。冷静さを欠いているのは百も承知だったが、キズメル達の事を考えているような物言いには、どうしても聞こえない。

 

「別に責めているわけではありませんよ?実際あなた達は良くやってくれました、ここに敵が来る前に仲間と共に脱出しなさい、フォレストエルフも私達に背を見せるような真似はしないでしょう」

 

 飽く迄、ヨフィリス閣下は平静を崩さなかった。何と言えばいいのだろうか、まるで・・・

 

「・・・諦めているのですか?」

 

「・・・・少し違いますね、受け入れているのです、聖大樹の導きを、運命を。永遠に勝ち続けることなど不可能、いつかは敗れる時が来るものです。今日この城が陥ち、私が剣に斃れるというなら、我らリュースラの民は受け入れるだけです」

 

 いつかは敗れる/勝ち目何て無いから、

 

 いつかは斃れる/生きる目的も曖昧で、

 

 いつかは・・・・死ぬ/惰性のように、ここに至った私の人生。

 

 

 

 

  それは、少し前まで私の頭の中を埋め尽くしていた言葉。

 

 

 

 投げやりだった、ヤケクソだった、勉強ばかりだったが悪くはない人生だったのかも知れない、でも満足とは口が裂けても言えなかった、今も。

 だから、別に、此処から逃げ出せば死にはしないだろう。

 

 禍根は残るだろうが、オウル君さえ説得すれば皆で逃げ出せるはずだ。

 

 そしてその禍根も、時間が経てば忘れられるだろう。この世界にはプレイヤー以外の命は存在しないのだから。

 

 逃げればいい。

 

 忘れればいい。

 

 誰も責めない。

 

 誰も死にたくはない―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふざけないで!!!」

 

 ――――――――――そんな風に生きれなかったから!

 

「まだ手があるのに!まだ死んだと決まった訳じゃないのに!」

 

 私はずっと悩んでいたんだ!!足掻いていたんだ!現実でも!仮想でも!

 

「戦ってください!運命というなら、尚更!せめて一声、騎士達に声を掛けてあげてください!!」

 

 私には、騎士としての矜持も、城主としての矜持も、エルフとしての矜持も分からない。

 だからこれは独り善がりだ、私の独善だ。

 私もついこの間まで、似たようなことを考えていた、だが今は少し違う。

 

「死ぬかもしれません、勝てないかもしれません、何も成せないかもしれません」

 

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「でも!城の皆が戦っているのに・・・・どうしてあなただけ勝手に諦めているんですか!?」

 

 足掻く、何処までも、生きている限り、少なくとも――――――――あの、よくおちょける剣士はそうするだろう。

 

「・・・・下々の者が諦めない限り、上に立つ者も諦めるべきではないと?」

 

「少なくとも、貴方が出れば勝機はあるかと」

 

 流石に、少し言い過ぎかもしれないがオウル君に任された以上、私は成すべきを成すだけだ。

 

「一つ、答えなさい、人族の・・・いや、アスナ」

 

「!・・・何ですか?」

 

「何故、お前たちはカレス・オーの民でなく、私達リュースラの民の味方をするのですか?」

 

 簡単な質問だった、だからこそ簡単に答えられるものでは無かった。

 この場合のカレス・オーとはフォレストエルフの事だろう、私達(シノンとユウキ)は途中から参加したため、何故ダークエルフに味方しているのかは知らない。

 だが、この質問は答えられなければきっと、閣下の力は借りる事は出来ないのだろう。

 

「・・・・始めは、成り行きでした。ですがキズメルと一緒に冒険を続けて、私は・・・」

 

 上に立つ者に感情論は通じない、そんな理屈は分かっていたが、塞き止めていた何か外れたかのように自然とその言葉が出た。

 

「私は、好きになったんです。キズメルとこのダークエルフの国が、私達人間が受け入れられないのだとしても、守りたい。彼女が愛したその国を」

 

「―――――・・・・そうですか」

 

 何を思ったのかは勿論分からない、だが、姿も見えないのに何故か、感慨深いものを感じているかのようだった。

 

「その言葉、真実と認めましょう。ならば私も真実を持って応えましょう・・・・あなたが聞いた病の話―――――」

 

 椅子から立ち上がり、此方の横に回り込んでくる。仄かな森の香りが漂よい、

 

「―――――――すみませんね、あれ、嘘です」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」

 

 笑いを含みながら言う。かなり間の抜けた声で返してしまった。

 オウル君とのやり取りと言い、さっきの雰囲気と言い、とてもではないがNPCとは思えない。何故か嵌められた気がする。

 

「ついてきなさい」

 

 言いながらヨフィリス閣下は北側の壁の何かをガコンと動かし、暗闇に包まれていた部屋を明りが差し込む。どうやら外壁が開く機構があったらしい、風が強く吹き込んでくる。

 

「先に行ってますよ」

 

「えッ!?ちょ、ここ五階!?」

 

 言うや否や、階段状に五十センチ程出ている窓庇を跳びながら降りていく。勿論手すりの類は無い、高さは十数メートル。何かボス戦でも似たような事、強要された気がするなぁ・・・・!

 ヘラヘラ笑いながらコチラにサムズアップする梟を幻視しながら、後を付いて行く。

 以外と足元はしっかりしているのでボス戦の時の八艘跳びよりは難易度は低い、もうしたくは無いが。

 少し遅れて、地面にたどり着く。改めてヨフィリス閣下を姿を見てみると貴族らしい格好だった、モールとボタンがついたロココ調のフロックコートにベスト、腰に細剣があるが、戦いに向いているとは思えないが・・・・・よく見ると、中性的で端正な顔には大きな切り傷が走っていて隻眼になっていた。

 

「この顔の傷を隠すため長い間、暗闇に身を潜めていましたが・・・・よもや、最初に見せる相手が人族とは」

 

「すっ、すみません、そんなつもりじゃ・・・」

 

「いいのです、私は恥を隠そうとするあまり、己の本分を見失っていたのかもしれません。では、行きましょうか。私の兵士達とお前の友人達が戦っている場所へ」

 

「開門!」と叫び、城門が開く。桟橋では敵が既に上陸しており、敵の副官、指揮官含め十数人程。

 此方のエルフ兵士は五人しか残っていない、オウル君達は大して消耗していない様だが。

 

「まともに殴り合ったら、不殺とか温い事言ってられないな・・・・コレは」

 

 視線の先は湖の最終防衛ライン、もう味方の船は小型が三隻しか残っていない。それに対して相手の船は十人乗りが四隻、アレも上陸すれば五倍近いの兵力差が生まれる。

 剣を強く握りなおしながらオウル君が呟く、何を考えているか大体予想がつく。

 ヨフィリス閣下を連れ出せたはいいが、これは流石に、と思ったのも束の間。

 

「リュースラの兵士たちよ!私はいまこそ長きに渡る不在を詫び、そして希う!」

 

 鮮烈な刃鳴りはヨフィリス閣下が細剣を抜剣した音だろう、そのまま演説は続く。

 

「ここで果てるは運命に非ず!友のため、家族のため、国の未来のため!今ひとたび立ち上がり、共に戦ってくれ!」

 

 刹那、静寂が戦場を包んだ。

 そしてフロア全体を揺るがすほどの雄叫びが爆発した、見れば湖に落ちた兵士も拳を突き上げている。

 

「アスナ・・・!でかした!」

 

 言いながらオウル君は、前方の敵兵士に水平二連斬り《ホリゾンタル・アーク》を放つ。

 いつもの倍の剣戟と共に兵士を三人吹っ飛ばした。いくら何でも強すぎると思えば、視界の端に様々なバフのアイコンが出ている。

 

「――――ヨフィリス閣下凄すぎない?」

 

 士気が上がるとかもう、そういう次元ではない。ダークエルフもフォレストエルフを押し返しつつある。これなら――――!

 

「恐れるな!今の今まで引きこもっていた城主が出張った所で、我らの優位は揺るがん!!」

 

 叫んだのは後方に居たフォレストエルフの指揮官だった、するとオウル君に叩き落とされた三人に代わって、新たな兵士が六人同じソードスキルを放とうとする、構えからして《バーチカル》。

 単発と言えど、単純計算六倍。いくらなんでもはじき返すのは不可能だろう、逃げて!と叫ぼうと思ったが、どうやらまだ閣下のターンは終わっていなかったらしい。

 

「左に避けなさい!」

 

「ッ!!」

 

 閣下の指示で桟橋の左端ギリギリまで退避し、一瞬前までオウル君が居た場所を純白の巨大な光の槍が通った。

 凄まじい衝撃と共に兵士が人形のように飛ばされ、全員湖に落ちた。

 

「今の、ソードスキルなの・・・!」

 

「細剣最上位突進技、《フラッシング・ペネトレイター》・・・・ベータの時でも見たことは無いが・・・」

 

 成程、つまりヨフィリス閣下は士気向上だけではなく、普通に戦っても強すぎると。敵からしてみれば悪夢以外の何物でもない。

 

「惚けてらんないぞ、アスナ。奴さんはお怒りの様だ」

 

「ッ!みたいね!」

 

 桟橋に上がっていた敵はオウル君と閣下の活躍により最初の半数以下になった、もう部下には任せていられないと思ったのか指揮官と副官が憤怒の形相でこちらに向かってくる。

 

「対人戦の心得は?」

 

「一つ、自分の有利な戦いをすること。一つ、恐れ戦いたり、惑わされないこと。一つ、騙しや引っ掛けは掛かる方が悪い。一つ、見てから反応では遅い、挙動と視線で間合いを把握すること」

 

「はい上出来、まぁ、お前なら負けんさ。気楽にやれ」

 

 三日間だけだったので、簡単な模擬戦と心得位しか教えてもらってないが大丈夫なのだろうか?

 だがここで勝てさえすれば、この戦いは終わるだろう。

 それを確信しながら私は剣を抜いた。

 

 


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