Fate/Grand Order【Epic of Lancelot】   作:カチカチチーズ

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うちの立香ちゃんはイメージとしてはシンフォギアの響ですね。
ほら、諦めない心がありますから

今回は短いです。


幕間Ⅰ
幸運:D-(かなりEより)


 

 

 

 

 

 

「……まさか、ミスタが英霊だったなんて……」

 

「まさか、彼のサー・ランスロットだったなんて……」

 

「つまり、私たちは湖の騎士ランスロット卿の部下…………」

 

「……まったくもってアリだな」

 

「「「それな」」」

 

 

 

「…………アレは無視してくれていい」

 

 

 システム・フェイトの操作をしながら妙なテンションで作業している部下たちに俺は頭痛を隠せない、そんな光景を見ているロマンや立香、マシュに俺は無視を頼むしかない……。

 だが、残念ながらロマンは声を大にして笑っている…………そんなロマンに対して立香やマシュは困惑しているようだ。それはわかる。

 

 

 今、俺たちがいるのは守護英霊召喚システム・フェイトに隣接した召喚実験場。

 そこにはギャラハッドの盾に似た術式が展開されており…………専門的な用語が飛び交うことになるので説明は思いっきり省かせてもらう。 

 要するに英霊召喚の為の部屋だ。

 

 

 

 ……まあ、これで分かるだろうが。

 俺たちはこれからカルデアの戦力強化の為に英霊召喚を行うわけだ。

 

 

「さぁて、ちゅうもーく」

 

 

 いつの間にかにいた変態の方を見ると、変態の手には二枚の金色の札があった。

 

 

「これがダ・ヴィンチちゃんお手製、英霊召喚触媒こと呼符だよ。聖晶石だと嵩張るからね、圧縮してこんな感じにコンパクトにしてみた」

 

 

 …………呼符って聖晶石を圧縮して創ってたのか。……マナプリズムじゃないんだな。

 変態から呼符を受け取った立香は何やらガチャチケットなどと言っているがあながち間違えではないから俺もロマンも訂正はしない。マシュは何やらぎこちない笑みを浮かべてるが。

 

 

「それじゃ、君たちにはカルデアの戦力強化の為に英霊召喚をしてもらう。別にマシュやランスロットの実力を疑ってるわけじゃないけれど、これからの特異点に何が待っているかは分からない。もしかしたら二人では対応出来ないことがあるかもしれない。その為の英霊召喚だ…………頑張ってくれ」

 

「先輩、ランスロットさん、頑張ってください」

 

 

 応援するロマンとマシュに頑張るもないだろ、と思いはするが胸にしまっておき、立香と共に前へ出る。

 

 

『システム・フェイト起動』

 

『システム……オールグリーン』

 

『英霊召喚、何時でもいけます』

 

 

 機械音声で召喚を促す声に一瞬身体を硬くした立香に俺は声をかける。

 

 

「肩の力を抜きなさい、大丈夫だ。いざとなれば俺が君を護る」

 

「……ランスロットさん」

 

 

 恐らく冬木でのシャドウサーヴァントやアルの事を思い出したのだろう。キャスターや俺、マシュのような善性のサーヴァントではない悪性のサーヴァントを呼ぶかもしれない、と。

 少なくとも冬木でのサーヴァントはどれも基本的にまともだが……シャドウであった為に立香には悪性にしか映らなかったはずだ。

 そんな立香を俺は安心させる。仮にも……俺は円卓の騎士だ。そうそう負けることは無い…………はずだ。

 

 

「…………よし!一番藤丸立香行きまーす!!」

 

 

 自分の頬を叩いて気合を入れたのかやや場違いな掛け声を上げる立香に俺は小さく笑う。

 召喚術式の前に立つ立香はその手にある呼符を使う。

 それにより魔力が吹き荒れる。

 魔力は段々と視覚化されていき、3本もの光の円環へと変わる

 変化した3本の光の円環は段々と廻り出す。

その円環には金色の光が混じっていた。

 …………初ガチャで星4以上だと……立香の運は化物か…………いや、こっちにレア度なんてあるのか知らんが……俺は間違いなく星4だがな。

 

 

 段々と光の強さは大きくなっていき、一番近くにいる立香は両腕で顔を庇うようにしてその光から目を庇う。

 

 

 今更だが、俺というサーヴァントがいる以上、俺の縁が召喚するサーヴァントに影響される、なんて事はあるのだろうか?

 

 段々と光は収束していき、サーヴァントが現れる。

 光は消えていき、召喚されたサーヴァントの全容が見え、て…………

 

 

「やっほー!僕のクラスはライダー、真名はシャルルマーニュ十二勇士が一人アストルフォ!それからそれから…………うーん、とりあえずよろしくね!」

 

 

 現れたのは一部に白い髪がある桃髪の少女の姿に白のマントを着た何処と無く騎士のようなサーヴァント…………というかコイツ、息を吐くように真名言ったぞ。

 

 

「…………えっと、シャルルマーニュは知ってるけどアストルフォはわからない、かな」

 

「えー!うーん、まっ、仕方ないか!」

 

 

 ライダー……アストルフォは立香の知らないという言葉に驚きはしたがすぐに元の溌剌とした表情になって立香を許し……俺の方を見た。

 

 

「んー?サーヴァント?マスター?…………?」

 

 

 どうやら、俺のサーヴァントとしての霊器とマスターとしての霊器に困惑しているようだ。

 俺は頬をかきながらそんなアストルフォに理由を話す。

 

 

「ああ、昔聖杯戦争で受肉していてな……魔術を齧っていてマスター適性を得ているんだ、気にしないでくれ」

 

「へぇー、そういう事もあるんだねー」

 

 

 俺の話した理由に納得したのかそのままぐいぐい立香に話しかけるアストルフォ。

 俺はアストルフォと立香に下がる様に言って前へ出る。

 

 こうして召喚するのは二度目だが、やはり緊張するものだな。

 背後からアストルフォの興味津々な視線を感じるが気にせず手の呼符を握る。

 脳裏に過ぎるのは冬木での出来事。

 

 

 

 

『ランスロット、私を呼べ。呼ばねば殺す』

 

 

 

 

 

 辛い。

 嫌な予感しかしない。

 胃が痛い。

 俺は胃のあたりを押さえつつ、出来る限り面倒事にならないようなサーヴァントを心の底から願いながら呼符を使う。

 

 どうか、どうか、俺に優しいサーヴァントであってほしい。

 

 魔力は円環になり廻り出して────

 

 

『なっ!?サークルが!?』

 

『大変ですッ!魔力が乱れてます!』

 

『ミスタッ!下がって』

 

 

 円環が大きく乱れて不定形になって強力な光が実験場を包み込んだ。

 幸運:D-……恨もう。

 

 光が少しずつ弱まり、視力が戻っていくと……そこには

 

 

 

 

「我が名はアルトリア・ペンドラゴン。召喚に応じ参上した。

問おう、私と共に歩むか?歩むか、歩むんだな!よし!」

 

「…………oh」

 

 

 

 我らが黒い騎士王がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 




こっからだいたい2話ぐらい書いてからオルレアンの予定です。

ランスロットのアロンダイトですがとある宝具との調整でランクをA++からA+にダウンさせてましたが読者の御意見などと作者の考え、設定を見直し、元のA++に戻す事にしました。
御迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。

これからもどうかこのFate/Grand Order 【Epic of Lancelot】を宜しくお願いします

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