Fate/Grand Order【Epic of Lancelot】   作:カチカチチーズ

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凄いいまそれ?な話ですがやっぱり幕間の物語って入れた方がいいんですかね?
ランスロットと他の鯖やマシュたちとの絡みで。

詫び石プラス持ち石で十連を回しました……詠唱にメイドを入れてみたら………………エルキドゥワンコの礼装が二枚も出るという
辛い

そういえば、必須タグつけ忘れてて一時非公開なってました。すいません


もう、あの頃には戻れないッ

 

 

 

『え…………ランシア本当にそこにいないんですか?』

 

「…………ま、待ちなさい……待ちなさいッ!?」

 

 想定外の事がロマニの口から出てきた事で一時思考停止していたオルガマリーは漸くある程度思考の整理がついたのか復帰し、ロマニに食ってかかる。

 

「ランシア!?ランシアってあのランシア・ニヴィアン!?」

 

『は、はい!?置換魔術が魔術師からしたら、は?何それ……それ本当に置換魔術?で有名な守護英霊召喚システム・フェイト担当のランシア・ニヴィアンです!!』

 

「なんであの男が出てくるのよッ!!??」

 

 オルガマリーの言葉にロマニが余計な説明を交えつつ答えるとより一層オルガマリーは声を荒げる。

 

『そ、それは……僕がカルデアスの火を消さない為に地下の発電所に行く途中でですね……中央管制室に向かっていって…………と、止めたんですが……その……』

 

「…………ちょっと待ちなさい、それ以前にあの男がレイシフト適性者だなんて聞いたことないわよ!?」

 

『あ────』

 

「いまのあ、って何。アンタ、私が知らない事を知ってるの?言いなさい」

 

 何か言ってはいけない、知られてはいけない事について口が滑った事に気付いたのか、漏らした音に目敏く反応したオルガマリーがロマニを追及していく。

 

『えっと、その…………色々と様々な事情がありまして……所長やレフその他数名に伝えてませんでした…………えっと、すいませんでしたァ!?』

 

「……カルデアに帰還したら覚えておきなさい」

 

『ア、ハイ』

 

 オルガマリーの言葉にロマニは肩を落とし縮こまる。そんな様を見て笑いそうになる立香は頑張って笑いを堪える。

 

「……それで?あいつの反応は?」

 

『えっと、そちらに反応があるのは分かるのですがちょっと詳しい場所はわからないです。

恐らく彼が何時も着てる認識阻害の礼装による影響だと思われます……多分置換魔術も併用してるんじゃないでしょうか、それで擬似的にアサシンのサーヴァントが使うという気配遮断を起こしてますね』

 

「…………そう、それじゃあアイツへ通信が出来るようになったら教えなさい。通信が可能になれば私たちに近いって事でしょうから」

 

『はい、分かりました所長』

 

 

 それで一通りロマニと話し終えたのかオルガマリー率いる特異点F探査チームは調査の為にその場を動いた。

 この後すぐにミーティングでの出来事を掘り起こして再びヒステリーを起こすオルガマリーがいるのだがここでは置いておくとしよう。

 

 

 

 

 

────────────────

 

 

 

 

「…………まさか、予想してなかったというか慣れすぎた」

 

 教会の跡地と思われる場所でランシアは項垂れていた。彼の目の前には武家屋敷跡で拾った虹色の結晶が合わせて三つほど円を描くように配置されていてその中央にデミ・サーヴァントとなったマシュが所持していた盾のミニチュア版のようなものが置かれていた。

 

「……普段なら、三つで繋げれたんだが…………クソッこの特異点の大気に満ちる魔力が乱れすぎてて三つじゃ上手く繋がらないって…………」

 

 彼がやろうとしていたことはサーヴァントの召喚であった。

 マシュの盾によるベースキャンプ作成及び召喚が出来ない中、簡易的にサーヴァントを召喚する為の礼装を用意していたランシアだがその触媒に使う結晶体こと聖晶石が何時もなら三個で充分だった所、この特異点の大気間に満ちる魔力が乱れ過ぎていた為に三個ではなく四個必要という事が判明し、こうして項垂れていた。

 

「……四個、四個かあ……マフィア……ルルブレ……三十個…………そういや、剣豪どうなった…………ん?俺冬に死んだよな……チーズで記憶飛んでやがる……!!」

 

 触媒の数で連想していった結果、大変な事実を判明してしまったランシアだが、仕方なしと割り切り触媒とあらかじめ教会の跡地を探索し見つけておいた古い概念武装を持って立ち上がる。

 

「とりあえず、もう一つの石を探すか……ランサーは俺が倒したわけで残りはライダーとアサシンとアーチャー……バーサーカーはこの際無視するとして……ふむ、アサシンとライダーはマシュたちに任せるか」

 

 少なくとも雑魚からも石は取れたからな、と付け足しながらランシアは教会の跡地を後にしようとして…………

 

「ッ────!!」

 

 横に飛ぶように動く。

 その数瞬後に先程までランシアがいた場所に何本もの爆撃が着弾する。

 本来のランシアならばあの程度の狙撃、多少古い程度の黒鍵でも充分に弾き飛ばせていただろう。しかし、それをランシアは選ばなかった。何故なら

 

「(そんな事したら石を落とす。集め直しなんてしたくないんだよ)」

 

 四個の時代から走るランシアには石一個の重さはとても理解できる。

 ガチャの排出率を考えると四個時代は石は貴重なのだ。

 ウィークリーミッションもなかった、チュートリアル十連なんてなかった時代からのランシアには石一個は重いのだ。

 

 

「……これで一つでも落としたら無毀なる湖光でたたっ斬る。…………ああ、クソ、四徹ちょいのせいで忙しい時に喧しいモードレッドに対する感じになってきた…………寝たのになぁ」

 

 段々とボヤき始めたランシアは次から次へと降り注ぐ爆撃から走って逃げていく。

 現状、認識阻害の礼装と置換魔術の併用によりサーヴァントである事を誤魔化しているランシアはサーヴァントのような速度ではなくあくまで強化を使った魔術師程度の速度で逃げている為何度か危ない部分が見える。

 時折、建物を盾にして少しずつ狙撃手即ちアーチャーのサーヴァントの居場所を探していく。

 

「……まあ、射ったらすぐに移動してるんだろうが…………流石に捻じれ狂われたら回避じゃなく迎撃しなきゃならんな。……アレは正直シャドウでも投影品だから使ってくるんだよな……ああ、まったく」

 

 聖晶石をコートの内ポケットにツッコミながら黒鍵を持った手を前へと出すと、人一人程の大きさの菱形の紋様が浮かび上がって……その場からランシアの姿は消えた。

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

「ランシアがどんな奴か?」

 

「はい、私カルデアに来たばっかなんでそのランシアさんについて全く知らなくて……ミーティングをボイコットした、ぐらいしか」

 

「……そう、そうね。とりあえず見つけたらその事についても追及しなくちゃ……あの時は時間的にろくに説教出来なかったし」

 

 調査の合間に私がふと疑問に思った事を質問すると、所長は若干表情を歪ませながらランシアさんへの説教の追加を確定させていた。

 ……ごめんなさい、ランシアさん。私のせいで見知らぬ貴方への所長の怒りが積み重なりました……。許してください、なんでも(ry

 

「……それぐらいならマシュに聞きなさいよ」

 

「えっと、所長……その私もニヴィアンさんとはそこまで接点がなくて……」

 

「…………分かりました。話せるとしても精々アレの性格というか人間性、ついでに言うとあくまで私の主観の話よ?アレの役職とかはロマニやマシュに聞いて……それぐらいなら知ってるでしょ?」

 

「はい」

 

「……そうね、アイツは理解出来ないわ」

 

「え?」

 

 所長の口から出てきた言葉は私に疑問を抱かせた。理解出来ない?それはどうして。

 所長なんだからそれぐらいわかるんじゃ……

 そんな私の考えを見抜いたか、たまたまか、所長は続きを語り出した。

 

「曰く、お父様が参加した聖杯戦争での同盟者でお父様の友人……らしいけども私はいままで一度たりともお父様の口からランシア・ニヴィアンという男の名前を聞いたことはないわ」

 

「私がお父様の死後にカルデア所長を継いで漸くその存在を知ったのよ……なにより、アレには言った私でさえ理不尽だと思うような理由で言いがかりをつけた事が何度かあるわ」

 

「……(理不尽だ)」

 

『(自覚してたんだ……というか言いがかりって自分で言っちゃった)』

 

「(言いがかり何ですね……)」

 

 所長は私とドクター、マシュの曖昧な表情に気づかずにそのまま続けていく

 

「普通ならどんな人間でも不満の一つは感じるわ……少なくとも経験上私には何となくそういうのが察せられるのよ……なのに……なのに、アレはそんな小さな不満すら抱かなかった。わかる?まるで人形の様に淡々と受け止めて淡々と処理してくのよ、アレは」

 

 不満を抱かない。字面だけ見れば凄い人だなと思うけれども、所長からしたらそんなランシアさんがとても不気味に映ったんだろう。

 現にランシアさんの事を話す所長の表情はまるでおぞましい物でも見たような怯えの混じった表情だった。

 

「前にとあるスタッフがアレに不満は無いのか?って聞いたらしいわね……それでアレがなんて答えたか知っている?」

 

「……仕事だから、ですよね?」

 

「何よそれ……仕事だから?不満を抱かない?理解出来ない、分からない……あんなの人間じゃないわタダの人形よ!?」

 

「…………ッ」

 

え?

 所長がランシアさんのことを人形と叫んだ瞬間、一瞬だけだがマシュの表情が歪んだ気がした…………まるで怒る様に、大切な何かを侮辱された様に。でも、本当に一瞬だったから見間違い?かな。

 と、黙っていたドクターが口を開いたのか通信からドクターの声が聞こえた。

 

『……まあ、そうなるよなぁ。アイツ、仕事に関しての失敗とかは全部自分のせいにするから……』

 

「ドクター?」

 

『ん?ああ、アイツとはもうかれこれ10年の付き合いだけどもアイツ基本的に自分で物事を解決しちゃうからそういう風に上の人間に不気味がられるんだよ』

 

「えっと、ドクターそれはどういう」

 

 ドクターの言葉に私やマシュ、所長も耳を傾ける。

 

『基本的に失敗があったり、上司に言いがかりをつけられたりしたら自分が悪いと納得する。不満なんて持ってたらやってられない、そんなブラック企業で鍛えられたんじゃないかってぐらいの駄目な性格だからねぇ』

 

「うわぁ、凄いブラック企業なサラリーマン」

 

「えっと、その……なんて言えばいいんでしょう」

 

「…………」

 

 流石の所長もドクターの話になんというか微妙な表情で黙っちゃった。

 というかホントにどんな環境にいればそんな性格に……ブラック企業か。

 ランシアさんの話で若干変な空気になったのに気付いたのか、所長が手を鳴らす。

 

「ともかく、アレの話は終わりよ。引き続き特異点の調査をするわよ」

 

「「はい」」

 

 

 所長の言葉に私とマシュは元気に返事をした。きっとマシュもランシアさんの話で変な空気になっていたのを誤魔化そうとしたのだろう。

 だから、分からなかった。

 

 忘れてた。

 所長をビビらせまいと伝えなかったマシュと同等の怪物がいた事を。

 

 思わなかった。

 それ以外にも同等の何かがいるかもしれない可能性を。

 

 

 

 

 

 

 

 

「────ソノ 首 貰オウカ」

 

 

 

 

 




ランスロット、聖地巡礼中で若干口調が元のが出ています。

匿名解除して幕間のアンケした方がいいんかねぇ。
はよ、未来さんガチャに来て。エクスドライブ(仮)当てたい


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