Fate/Grand Order【Epic of Lancelot】 作:カチカチチーズ
そして、アタランテ・オルタ……ふむ、何故にオルタなのかは置いといてありがとう……バサランテ……ありがとう。
アナスタシア欲しい、バサランテ欲しい、謎のダークヒーロー仮面欲しい……無償10連で結果はジークフリート……うん、アポ勢だけど君じゃないぞ。活躍出来なかった腹いせなのだろうか……すまない
暗い。まず最初に抱いた感想はそれだ。
「屋内ですね……」
「見る限り何処かの城、か?」
微小な特異点へとレイシフトした私たちはどうやら何処かのお城?の中にいるみたいなんだけども城内ってのはこんなにも暗いものなのだろうか?
「いえ、リッカ。本来城内はここまで暗くはありません、それに窓を見てください。光が差し込んでいるにも関わらず暗い」
「……つまり、魔術とか何かしらの原因がある?」
私の言葉に頷いてくれるアルトリア。そんな中、アグラヴェインをはじめとするみんなは辺りを警戒しつつも調べてくれている。
私たちがいるのは城内の広間のような所。上へと上がる階段が見えるがすぐに動くのは危険と判断してるんだろう。誰も階段については何も言わない。
「……なあ、トリスタン」
「なんです、モードレッド」
「ここってよ…………」
『………………あー、あー、テステス』
「……?」
『おっと、通信が繋がったようだね』
と、カルデアの通信が開いたようだけど……投影されたホログラムはマシュやダ・ヴィンチちゃんじゃなくてまさかのマーリン。
というか何故にマーリン……あ、貰った外套はちゃんとレイシフト前に着といたよ。
「マーリン……何故、あなたが?マシュやダ・ヴィンチはどうしました」
『んー、今回は私がやった方がいいと思ってね。さて、君たちがいる場所だが……モードレッドやトリスタン辺りは分かってるかい?』
「……まあな」
「恐らくは……」
え?モードレッドとトリスタンは知ってる?どういうこと?……円卓の時に来たことがあるとか?
でも、そうなるとアルトリアとかが知らないのはどうしてだろう。
「トリスタン、ここは何処ですか?」
「…………いえ、いまだ確証はありません。ひとまずは奥へ行きましょう」
「……陛下、まずは調査せねば何もありません」
うーん、なんというか口が挟めない。モードレッドとトリスタンの表情から聞き出せないし、アグラヴェインの言う通りここはまずは調査しないと駄目だね。
「アルトリア、行こう。調査すれば結果的に分かるんだし」
「リッカ……そうですね。貴女とアグラヴェインの言う通りまずは調査を優先しましょう。トリスタン卿、確信が持てたのならばすぐにでも報告を」
「ハッ、お任せを」
そうと決まれば調査だけども
…………とりあえず、普通に無視されたモードレッド……どんまい。
────────────────────
「……やはり、光が遮られているようですね」
立香らカルデアはこの微小特異点である薄暗い城の廊下を歩いていた。
廊下には中庭へと続く吹き抜けがあり中庭の様子を見る事が出来、中庭はそれなりに明るいがその光はまったくと言っていいほど城内には入っていなかった。
そんな様子を見てガウェインは光が魔術か何かによって遮られている、と判断した。太陽の加護を持つ彼だからこそその辺りを詳しく察せれた。
この城には自身のスキルを妨げる力があると。
「ふむ……ガウェインが来る事を想定していたのか偶然……いや、前者の方が高いな」
「あ?なんでだよ」
ガウェインの言葉にアグラヴェインはこの城にかけられた遮光に対して自身の考えを口にし、そこにモードレッドが振り返る。
そんなモードレッドにアグラヴェインはまるで駄目な兄妹を諭す様に言葉をかける。
「そんな事も分からんのか、駄犬。この城に走る魔力を考えればわかるだろう」
「誰が犬だ、誰が!」
「犬で充分だろう」
文句を騒ぎ立てるモードレッドを無視しアグラヴェインは壁に触れながら進んでいく。ガウェインやガレスらとは違い魔術もある程度齧っていたアグラヴェインにしかわからない事があるのだろう、と立香らは考えそのまま廊下を歩いていき────────
「あ?」
「……!リッカ、下がって」
先行するモードレッド、立香と並んで歩くアルトリアがそれに気づいた。直感のスキルを持ち合わせているからだろう。
それが現れる前に気づいた二人はすぐさま武器を構え、それに続いてトリスタンはフェイルノートを、ガウェインはガラティーンを。
「……シャドウサーヴァント?」
「いえ、違います……アレは」
薄暗い廊下、その先からまるでインクが滲み出るかのように現れたのは黒い瘴気の様なモノを纏った人型。
立香はそれを見てシャドウサーヴァントを思い浮かべたがアルトリアの言葉に否定される。
次第に人型は明確な形を持ち始める。それは鎧を纏った存在。その姿を立香は知っている、円卓の騎士は知っている。
「キャメロットの騎士────」
嘗てアルトリアら円卓の騎士の下で戦ったキャメロットの騎士、第六特異点で獅子王の円卓の下で多くの民を殺した粛清騎士。
それとまったく同じ姿の騎士が現れた。いや、差異があるのをトリスタンとガウェインは目敏く見つけた。
「対面する双乙女……」
「……やはり、ここは」
騎士の正体を理解した二人を置いておき、剣と盾を構える騎士。それを合図にしたのか次々と騎士が現れていく。
前方、後方から現れた騎士ら、その数は十余り。挟み撃ちとなった事を理解した円卓の騎士はすぐさまマスターである立香を中心に動く。
「モードレッド、前方は我々で抑えます。いいですね」
「ああ、分かってる」
「トリスタン、貴様はマスターの隣で援護をしろ。後方は私と陛下で抑える」
「アグラヴェイン、隣は任せます」
そんな騎士らへと突っ込もうとしている円卓の騎士にすかさず立香は礼装による強化をかける。マスターらしい事がこの微小特異点にレイシフトしてからろくに出来なかった為にその行動は素早かった。
そんな彼女の強化にモードレッドは獰猛な笑みを浮かべ、ガウェインはガラティーンを握る手に力を込め騎士らへと向かっていく。
「はァッ!」
『────』
撃ち込まれるガラティーン、それを騎士は盾で防ぎすぐさま後ろにいる他の騎士が槍をガウェインに放つ。
そんな槍とガウェインの間に赤雷が走る。赤雷は槍を砕きガウェインはガラティーンに焔を灯し盾ごと騎士を焼く。だが、そんなものはお構い無しと言わんばかりに騎士は焼ける身体ごとガウェインへと迫る。
ガウェインはすぐさま騎士の首を切り押し返し、槍を失った騎士は腰から剣を抜き放ちモードレッドへ迫るがモードレッドは騎士に蹴りを放ちトリスタンの音の刃が切り刻む。
「フン……」
騎士の振るう槍を紙一重で避け、兜の隙間へ的確にその剣を突き刺すアグラヴェイン。
騎士王の補佐役、キャメロットにおける文官のランスロットと共にまとめ役、円卓随一の尋問官、円卓の騎士らが主人公となる物語があるなか彼を主体とした物語がないがしかし円卓の騎士である以上その実力は高水準。アグラヴェインの剣は的確に騎士らの鎧の隙間へ潜り込む。
そんな鮮やかな手際にアルトリアは内心感嘆しながら自分の目の前にいる騎士へエクスカリバーを振るう。
『────』
「ハッ!」
エクスカリバーに纏った風の鞘はサーヴァントではない騎士らの剣を絡めとり胴をがら空きにする。次の瞬間には断ち切られる騎士、アルトリアは後方より響いた音色に苦笑しつつも次の騎士へと向かっていく。
戦闘は十分も経たずに終了した。薄暗い廊下に飛び散る赤い血、倒れ伏す騎士ら。
彼らを見下ろしながら立香らカルデアは言葉を交わす。
「……モードレッド、この騎士と戦って貴様はどう感じた」
「あ?……そーだな、なんつうか普通の騎士よか強えだろうけど────」
「何か欠けている、ですね」
アグラヴェインに答えるモードレッドの言葉を遮ってモードレッドの言わんとしている事を口にするトリスタンにモードレッドは睨みつけ、ガウェインとアルトリアに立香はトリスタンの言葉に首を傾げる。
「ねぇ、欠けているってどういうこと?」
「そうですね……マーリン、そちらでの調査はどうでしょうか」
トリスタンの問いかけに応えるように空中にカルデアとの通信が表示されマーリンはやや真剣味のある表情を見せ、口を開いた。
『そうだね、城の全体像や城に満ちる覚えのある魔力も大方判明したよ。十中八九、君らの考えはあってるよ』
「……そうですか。マスター、まずこの城について話しましょう…………
────カーボネック、それがこの城の名です」
数日後にログボ石が貰えるのでそれでアナスタシアがアタラナスシア(何言ってる)だったらカドック(憑依転生)くんにはアナスタシアを召喚ではなくクラスカードとして使ってもらいましょうか……だから、来てくれ
感想、意見、誤字脱字報告をお待ちしております