前回までのとあるアイルーの鎧袖一触ニャ。
テトルーである森の虫かご族の隠れ家へと案内されたアイルーくんこと、シュラ。
そこでしばらく虫かご族に身を寄せることになるのであったニャ。
獣人族型アイルー族筆頭種シュラ!推して参るニャ!
と、いうわけでボク、シュラですニャ!
ボクがテトルーさん達、森の虫かご族のところに厄介になってから早二週間が経過したのニャ。
テトルーさんの案内で古代樹の森の地理もうっすらと覚え始めた頃ニャ
ボクは森の地理を完璧にするために散策に出掛けてたのニャ。
「えっと…確かこの上に行くと飛竜の巣だったよニャ…うん、とりあえず別のとこに行こうかニャ」
別に飛竜が襲ってきても驚異ではニャいけど、下手にまた噂をされて毎日のように挑まれでもしたら厄介なことこの上ないからニャ~……。
「じゃあ、こっちの方に…ニャ?」
そう呟いて歩き始めたボクは、ふと、ある音に気がついたのニャ。
その音はズシン…ズシン…ズリズリと段々とボクの方へと近づいてるみたいだったニャ。
なんニャ?何かがこっちには来てるのニャ……。
ボクが地響きのする方を見つめていると、そちらから黄色いたてがみを生やしたトカゲのようなデカイ生き物が現れたのニャ!
あっ!黄色いデカたてがみトカゲが飛び出してきた!
シュラはどうする?
戦う
逃げる←
無視する
ここは逃げ一択ニャ!
シュラは逃げ出した!
「ジギャアアァァァアアッッ!!」
しかし回り込まれてしまった!
「ちょっ…なんで邪魔するニャ!」
「ジギャアアァァァアアッ」
何言ってるか分かんニャいし…なんなのニャこのトカゲ。
「さっさと退けニャ、じゃニャいと…殺すニャよ?」
「ジギャッ…!?(ビクッ)」
ニャッニャッニャッ!こんな程度の殺気でビビっちゃってるニャぁ~♪
これじゃあ相手にもならないだろうニャぁ……
「ハァ…期待外れニャ、見逃してやるからどっかいきやがれニャ」
小さく溜め息を吐いてボクはソイツに背を向けて歩き出すのでしたニャ。
◆◇◆◇◆◇
ドスジャグラスは戸惑っていた。
目の前のその存在に……。
最初見つけたときは良い獲物程度にしか見ていなかった。
しかし、襲いかかろうとしたところ、物凄い重圧がソイツから放たれ、彼はたじろいでしまった。
その様子にソイツは期待外れだとでも言うように、まるで興味の失せた表情で溜め息を吐いた。
そして、彼に向けてこう言い放ったのだ。
「見逃してやるからどっかいきやがれニャ」
そう言うと、ソイツは彼から背を向けて別の方向に歩き出した。
その出来事にしばらく動けなかった彼だったが、状況を理解して激怒した。
ソイツは彼を挑発して、あろうことか見逃したのだ。
プライドの高い彼からすれば許せぬことだった。
あの獣人族だけは許さない…無惨に食い千切ってくれる!!
そういきり立ち、勢い良くソイツに向かい突進する。
ソイツとの距離を積めその小さな身体に飛び掛かる。
殺った!と、彼はそう確信した。
しかし、それが彼の最後に考えていた思考であった……。
◆◇◆◇◆◇
なんなのニャあのモンスターは!!
折角ヒトが見逃してあげるって言ってるのに後ろから攻撃してくるニャんて!
なんか、前の
あの時は見逃してやるなんてしなかったけどニャ。
いきなりだったから全然手加減出来なかったニャ。
お陰でさっきまで黄色いトカゲだったものが真っ赤な肉残骸になっちゃってるニャ……
ま、いいかニャ!これはテトルーさんが言ってたカンキョウセイブツ?とかいう奴等が食べてくれるでしょニャ
そうしてボクは隠れ家へと帰っていくのでしたニャ
◆◇◆◇◆◇◆
私、メランは愕然としていた。
何故なら調査の対象であったドスジャグラスが何者かによって殺されていたのだ。
導虫を頼りに痕跡を辿ってきてみれば、そこにあったのはドスジャグラスであったものの残骸……。
しかもそのほとんどは環境生物であるニクイドリどもが大半を食い尽くしていた後だった。
これでは調査どころではない。
とりあえず、落ちていたたてがみらしき残骸と、導虫が発見していた足跡の痕跡を採取して私は一度マコトを連れてアステラへと帰還するのだった。
それが、私の探している人物だということは知る由もない……。
というわけで今回はここまでニャ!
次回またお会いしましょうニャ!
seeyounextnovel!!ニャ!ばいばーい!
これからのアイルーくんの動向について
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渋々弟子入りを認めアステラに同行するニャ
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弟子入り✕様子見でアステラへ同行ニャ
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弟子✕同行も✕気ままにやるニャ
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弟子○けど基本好きにやらせるニャ
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全部ほっぽり出してテトルー宅に籠城ニャ