とあるアイルーの鎧袖一触   作:榛猫(筆休め中)

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ヤホヤホニャー!


前回までのとあるアイルーの鎧袖一触だニャ!

知らぬ間に謎の空間で目覚めたアイルー。

何故そんな場所にいるのかとアイルーは考え、自分が死んだのではないかと大パニックに陥る。

しかし、そこで待ち構えていた男に自身の創造主だと言われるのであった。


ボクはボクだニャ!

 

今この男はなんて言ったニャ?ボクの記憶が確かなら『創造主』って言ったニャ。

 

 

 

「・・・・は?」

 

思わず口癖すらも忘れて素が出る。

 

 

「おい、口調崩れてるぞ?」

 

 

「いや、今そんなことどうでもいいのニャ」

 

自分でも驚くくらいの低い声が出たのニャ……

 

そのまま真顔で男に詰め寄る。

 

 

「詳しく話すニャ、内容によっては痛い目に遭ってもらうニャ」

 

 

「ア、ハイ」

 

その雰囲気に負けたのか男は素直に話し出した。

 

「創造主と言っても、俺がお前を造ったわけじゃない。お前を造ったのは俺の親父さ」

 

 

「………」

 

ボクはただ無言で続きを促すニャ。

 

 

「と、ここから先を話すにはお前の秘密を話してからだ…」

 

 

「ニャ?…ボクの…秘密?」

 

 

「あぁ、実はお前は…」

 

男の話はこのようなものでしたニャ。

 

昔々、ある世界に一人の神様がいらっしゃったそうニャ。

 

その神様は人間が大好きで、それ以外の生き物が大嫌いだったそうニャ。

 

けれど、その神様の見守る世界にはモンスターと呼ばれる化物達が巣食っていたのニャ。

 

モンスター達は好き勝手に暴れては人間達を殺していく。

 

それは人間のことが大好きな神様にとっては耐え難いものであった。

 

そんな神様が悩んで出した答えは、人間達に力を付けてもらうことであった。

 

人間達が強くなればモンスター達を滅ぼせるかもしれない……。

 

そう考えた神様は次々に人間達に知恵を与えていった。

 

神様の作戦は見事的中し、人間達は自分達の力でモンスター達を殺し始めていった。

 

しかし、世の中そう上手くは行かないもの……。

 

後少しでモンスター達を滅ぼせそうだと思った矢先、ある三匹の龍が人間達の街を襲い始めた。

 

人間達は必死に抗った。神様も出来うる限り人間達に協力した。が……。

 

結果は惨敗…。龍達の手に寄って人間達は滅ぼされ、神様もボロボロにされてしまった。

 

神様は悲しんだ。心の底から悲しんだ……。

 

そして憎悪した、あの三匹を狂ったように憎悪した。

 

だが、ただ挑んではまた同じ目に遭う……。

 

其処で神様は考えた。夜も眠らず考えた。

 

そして出た答えは実に簡単だった。

 

目には目を、モンスターにはモンスターを……。

 

人間でダメならモンスターを使えばいい

 

そう考えたのだ。

 

そして神様は他の世界から死んだ人間の魂をモンスターへと転生させ、自身の世界に送り込んだ。

 

が、結果は散々……。

 

そこで痺れを切らした神様はまた別の手を考えた。

 

人間でも、モンスターでもダメなら、いっそのこと合わせてしまおう…と。

 

しかし、ただ造るだけではあの龍達には勝てない、そう考えた神様は考えられる全ての力を持った究極の人外を造り始めた。

 

だが、ソレは途中で挫折することとなる。

 

その生命体を作ろうとしたのはいいが、如何せん時間が掛かりすぎる。

 

それでは奴等は止められないと判断した神様はソレの製作を放棄した。

 

しかし……。

 

神様の使っていたシステムは作業を続けていった。

 

敵の動きをこと細やかに観察し、そのデータを確実にソレへと練り込んでいった。

 

そうして、長い年月を掛け、システムはその生命体を完成させていったんだそうニャ……。

 

 

「と、ソレに別の奴等の意識と魂を取り込ませて出来たのがお前だ。だから正確にはお前の創造主は死んだ俺の親父ってことになる」

 

ニャ…話のスケールが大きすぎて半分も理解できなかったニャ……。

 

 

「だからお前は古龍達の攻撃を受ければその力を吸収出来たんだ。上手くすれば相手から能力そのものを奪い去る事だって出来る……だからこそ聞きたい

 

 

 

 

 

お前は何故ソレを使おうとしない?」

 

 

「………はい?どういうことニャ?」

 

 

「惚けるなよ?俺達はアイツら(古龍姉妹)を殺させる為に態々送り込んだってのに、お前はなにもしない…だが、所有権は俺が持ってるんだ、お前には従ってもらうしかないんだよ」

 

……は?ふざけんニャよ?

 

 

「……っけんニャ」

 

 

「…?あ?」

 

 

「ふざけるんじゃないニャ!オマエがボクを造った?あの二匹を殺せ?言うことを聞け?冗談じゃないニャ!ボクはネコニャ!ネコは誰にも靡かニャい、誰の指図も受けないニャ!ソレがネコの!いいや!アイルーであるボクの生き様ニャ!」

 

フーッ!フーッ!言い切ってやったニャ。

 

あんな胸くそ悪いこと言われて黙っていられるわけがないニャ。

 

幾ら温厚なボクでも我慢の限界ってものがあるニャ。

 

 

「っ…!逆らうのか?なら仕方ない、残念だが仕方ないお前にはここで消えてもらうぞ」

 

 

「ハッ…やれるものならやってみるニャ」

 

 

「ッ!!この獣人風情がぁぁぁあああっ!!」

 

おー…挑発にあっさりと載ってきたニャ、チョロいチョロい。

 

さて、じゃあ少し本気を出させてもらいますかニャ。

 

飛びかかってくる男にボクは軽く拳を構えるニャ……。

 

 

「連続…普通のネコパンチ」

 

 

【ズッッドドドドドドドドドッッッッ!!!!】

 

光速の拳が、男の身体に続々と突き刺さっていく。

 

 

「ぎゃあああぁぁぁぁあああッッ!!」

 

そんな断末魔の悲鳴と共に男は光の粒子となって消えていった。

 

ボクはソレを見届けてから言ったのニャ。

 

 

「ボクはネコ、ただ自由気ままに生きていくのニャ」

 

その言葉を最後に白い空間は崩壊を始め、ボクの意識は再び闇の中へと暗転していくのでしたニャ……。

 

 

 

 




と、言うわけで今回はここまでニャ!

今回はどうでしたかニャ?

何かあれば、いやなくても感想お待ちしておりますニャ!

それじゃあまた次回お会いしましょうニャ!

あ、それとこの作品のアンケートを活動報告でしているので良ければ協力してほしいニャ!

seeyounextnovelニャ!

これからのアイルーくんの動向について

  • 渋々弟子入りを認めアステラに同行するニャ
  • 弟子入り✕様子見でアステラへ同行ニャ
  • 弟子✕同行も✕気ままにやるニャ
  • 弟子○けど基本好きにやらせるニャ
  • 全部ほっぽり出してテトルー宅に籠城ニャ

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