前回までのとあるアイルーの鎧袖一触ニャ!
ミラルーツ達の力をなんとか手に入れたアイルー。
最後はクシャルダオラに送っていってもらうのであった……。
今回、ボクの出演はないのニャ、すみませんニャ
「君達に、導きの青い星が輝かんことを…」
調査団……。
それは
私、メラン・シュレイドはその隊の船へと乗り込んでいた。
何故ポッケ専属ハンターであった私がここにいるかには理由がある。
「村長さんとも話してたんだけどね~貴女、何度もこの村の危機を救ってくれてるし、頑張ってるもの~……。だから貴女を調査団に推薦したのよ~」
「え…?それって…」
「新しいお仕事、頑張ってね~♪あのネコちゃんに追い付きたいんでしょ~?」
「ッ…!分かりました、お心遣いありがとうございます」
「いいのよ~新大陸での調査は大変かもだけど、負けちゃダメよ~」
「はい!」
という訳である。
私の知らぬ間に、村長とポッケギルドのマスター代理が話を進めていたおかげで私はここにいるのである。
だが、ここに来るまでの旅費が足りなかったので今まで作った装備は全て売り払った。
なので、今の私の装備は最低限のレザー一式のみ…。
多少心許ないが、周りも対して変わらないので気にする必要はなさそうだ……。
(新大陸…か、先生もそこにいるのかしら)
先生…というのはあの獣人族のネコであるアイルーの事だ。
弟子にはしてもらえなかったので、私が勝手にそう呼んでいるだけなのだが……。
その先生はあれ以来姿を見ない。
それどころか、噂すらも上がってこないのだ……。
マスター代理や受付嬢達から聞いた話では、史上初のネコハンターであり、今あちこちで暴れまわっている星焔龍や蝕星龍といった問題龍達を打ち倒した事があるなどの噂がギルド内で流れていると言う話だった。
しかし、あれ以来ギルドでもめっきり話には出てこないという……。
街にも顔をだしていないようで誰も目撃者がいないのだとか……。
(先生に限って、殺られるなんて事は考えにくいけど…)
あのときの光景が蘇る
修羅種のババコンガに襲われた時、意図も容易くババコンガを拳一つで殴り飛ばした姿……。
そんな先生がそう簡単に殺られるとは考えにくい……。
寧ろ逆に先生の前に死屍累々の山が出来ていそうである。
(まあ、なんにしても!先生に追いつくためには向こう新大陸で力を付けて少しでも追いつかないと!)
そんなことを座りながら考えていると、向かいの席に知らない男が座って私に話しかけてきた。
彼も推薦組なのだろうか……。
「よお、もうすぐ新大陸に到着だな!アンタも準備完了?…いよいよかぁ、国を出てから長い旅だったなぁ…。アンタ緊張してる?俺は…少し怖いけど、楽しミ…「ねえ、もしかしてあなた、推薦組じゃない?」へえ!奇遇!俺達もなんだ!なぁ、名前教えてくれよ!」
矢継ぎ早に話す男の人の対応だけでも困っていたのに、後から来た受付嬢らしき女性まで話しかけてきてしまった。
と、とにかく名前だけでも教えておかないと……。
「メランといいます。言われた通り推薦組です。あなた達もだったんですね」
「あぁ、ギルドからの推薦でさ」
「私も同じよ?貴女は?」
「いえ、私はポッケの村長達から推薦ですね」
「へぇ、ポッケ村か、あの雪国の村山かぁ…町まで出るのは大変だったろ?」
「まあ、そうですね…」
確かに、雪山を徒歩で越えなくてはならないのはそれなりに厳しかったが、後は竜車に乗るだけだから大したことはない。
「まあ、ほら、お近づきの印に…」
そう言って女性が飲み物を渡してくれる。恐らく酒だろう。
それを受け取ると、ふと隣にやって来るものがいた。
「ニャァ!」
私のオトモでメラルーのラルだ。
以前、雪山でモンスターに襲われていたところを助けたところ、恩を返すと言ってオトモになってくれた。
「よし!推薦組同士、頑張ろうぜ!」
「「「乾杯!!」」」
男の掛け声で杯を打ち鳴らす。
豪快に飲み干す男。
「ぷはぁっ!それにしても、古龍はなんで、新大陸に向かうんだろうな…アンタは新大陸に古龍の秘密があると思う?」
「さあ、私に聞かれても…」
分かるわけがない、私はそもそもあの龍と先生にしか興味がないのだから……。
「そうだよなぁ、けど、調査が始まってから四十年位経つんだとさ、ギルドは俺達五期団の派遣で、古龍渡りの原因を解明されるのを期待してるらしいぜ?」
「そうなんですか」
「そうなんですか?って…貴女、知らないの?」
「え?あはは…実を言うと…」
古龍渡りなんて関係ない、私は強くなりたいのだ、そのために先生に言われた課題を達成しなければならない。
「そう、まあ、それについては追々分かるでしょうから説明はいいわね…。そうそう、そういえば、推薦組って、二人一組が原則らしいよ?貴女、パートナーとはもう会った?」
「パートナー?」
そういえばそんな事も言われたような……。
その時、別の席にいた女性が不意に立ち上がり、窓の方へと駆けていくのが目に入った。
その後ろ姿には見覚えがあった。
「ちょっと失礼…」
「ん?おぉ…」
私は席を離れ、その女性の元へと向かった。
「あの…」
「分かりますか?さっき、急に波の音が変わったんです。陸が近いからかな…?」
「え?えぇ、もうすぐ着くとはさっきの人が言っていましたけど」
急にそんな事を言われても分かるわけないので曖昧に答えるしかない。
「アナタ、推薦組で…って…あぁぁぁぁッ!!」
「はい!?ど、どうしたんですか急に!」
「アナタ、メランよね?ポッケ村の」
「え?は、はい、そうですけど…どうして名前を?」
「覚えてない?私よ、マコト!小さい頃よく遊んだじゃない!」
「マコト…?あっ!」
そこまで言われて思い出した。
子供の頃、よく村で遊んでいた女の子がいた。
その子はいつだったか、親の都合で村を出ていかなければならなくなり、それ以降連絡もとることなく疎遠になっていた。
「まさかメランが相棒だなんて、こんなことってあるんだね」
「私も驚いたよ、見覚えがあるなぁ…とは思ったけどまさかマコトだったなんて」
「あははっじゃあおあいこだね♪」
「そうね、それより、相棒ってもしかして…」
「あれ?ギルドから聞いてない?何を隠そう、私モ…わぁっ!!」
マコトがそこまでいいかけたところで、船が大きく揺れた。
「この揺れは…」
「外からだよ!何かあったんだ!」
甲板に向かって走り出すマコト、私も後を追って甲板へと向かった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
外に出てみると船が勢いよく傾いていた。
「船が傾いてる!何処かに掴まって!」
「言われなくてもわかってるニャ!」
いつの間にか着いてきたラルが半ギレで返していた。
「ああぁっ!!きゃあぁっ!!」
「くっ…!!」
「女将さーーーん!!!」
勢いよく傾く船、その勢いに負け、私とマコトは船から投げ出されたのだった。
というわけで、今回はここまでニャ!
次回はボクのお話に戻る…はずニャ!
それじゃまた次回お会いしましょうニャ!
seeyounextnovelニャ!
これからのアイルーくんの動向について
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渋々弟子入りを認めアステラに同行するニャ
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弟子入り✕様子見でアステラへ同行ニャ
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弟子✕同行も✕気ままにやるニャ
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弟子○けど基本好きにやらせるニャ
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全部ほっぽり出してテトルー宅に籠城ニャ