とあるアイルーの鎧袖一触   作:榛猫(筆休め中)

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ヤホヤホニャー!

前回までの女王領域の獣人種は...。

モフられ地獄を回避するため、星焔龍にゲームを持ち掛けたアイルーくん。
ゲームの最中、星焔龍が暴走を始め代名詞である金色の焔をぶっ放してしまう。
切り札であるマジシリーズを使い、なんとかその場を収めるも、ひょんなことから自身を更に強化してしまうこととなったのであった...。


旅に出ますニャ!

 

 

 

ボクの名はアイルー。フフフ、怖いかニャ?

 

え?全然怖くニャい?うん、知ってたニャ。

 

というわけでアイルーですニャ!

 

ボクは今女王領域から離れた密林に来ているのニャ!

 

どうして密林なんかにいるのか?それは旅に出ているからニャね。

 

旅とかどうでもいいから側近の話はどうなったって?酷いニャァ...。

 

側近の話はしばらく保留にしてもらったのニャ、そんなすぐに応えが出る訳がないからニャ。

 

それに、そもそもボクはネコにゃ、ネコは基本自由気ままにのんびりと過ごすのものニャ!

 

飼いネコになってぬくぬくするのもいいけどボクの性には会わないのニャ。

 

それで気分転換に女王領域から離れてしばらく旅に出ることにしたのニャ!

 

ボクはまだこの世界に来て、女王領域の他にドンドルマと火山しか行ったことがないのニャ。

 

だからいろいろなところを回っていろんなものを見て回るのですニャ!

 

それで、まず最初は密林というわけですニャ。

 

2Gでよくお世話になったのがこの密林ニャ、けど、なんだかムシムシしてて暑苦しいのニャ...。ハンターたちはよくこんな熱い所で狩りなんかしてきたなと思うのニャ。

 

 

「いやあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ニャニャ!?女性の悲鳴だニャ!

 

事件かニャ?とにかく行ってみるニャ!

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「はぁっはぁっはぁっはぁっはぁっ...!!」

 

 

「グオオォォォォッッ!!」

 

どうして私がこんな目に...

 

事の始まりは一枚のクエストを受けたからだった。

 

クエスト内容はドスランポス一頭の狩猟というもの...。

 

腕試しには丁度良いだろうと思い、そのクエストを受けた。

 

受付嬢は狩猟環境が不安定だと言っていたが、私は今まで不安定の中でも一度も乱入があったことはなかったのでそこまで危惧はしていなかった...。

 

ターゲットの狩猟は特に問題なく討伐することが出来た。

 

剥ぎ取りを終え、報告の為に村に帰ろうとした時、ソレは現れた...。

 

木々をなぎ倒しながら出てきたソイツは固体名で言えばババコンガのようであった。

 

だが、本で見たババコンガとは何一つ違うのだ...。

 

通常より二回り以上大きな巨躯に灰色の体毛、頭に生えているはずの金色の毛は真っ赤であり、そこに一本ではなく二本の刺々しい角が生えている。

 

......勝てない。

 

そう私は直感で悟った。

 

挑めば確実に殺されると本能が告げている。

 

それは痛いほど理解していた...。

 

本能の警告に従い、気配を殺しながらその場の離脱を図る...だが...。

 

それを奴はすぐさま察知して私を追いかけ始めてきた。

 

見つかった以上コソコソしていても意味はない。

 

そう判断した私は全力疾走でその場を駆けだした。

 

こんな所で死んでたまるかと心の中で自分に活を入れつつ全力で走る。

 

しかし、それも長くは続かなかった。

 

追いかけてきたババコンガの走るスピードは速く、あっという間に私に追いつくとその背に突進をかましてくる。

 

 

「あぐっ...!」

 

勢いよく吹き飛ばされ地面に激突する。

 

ババコンガはそれを見て愉悦の表情を浮かべながらゆっくりと近づいてくる。

 

止めを刺すつもりらしい...。

 

こんな所で死んでたまるものかと、腰に差していた片手剣、ハンターカリンガを引き抜き、ババコンガ目掛けて投げつける。

 

ハンターカリンガは弧を描きながら奴の顔に向かって飛んでいき、奴の片目に深々と突き刺さった...。

 

 

「...ッッ!?!?グオオォォォォッッ!!」

 

結果は奴を余計に怒らせただけ...。

 

ここで終わりなのか、ハンターとして名を上げることも、幸せな未来を送ることもなくこんなゴリラに食い殺されて終わりを迎えるのか...。

 

奴は怒り狂いながら私に向かって突っ込んでくるとその巨大な腕を振り上げる。

 

ギュッと目を強く瞑る...。

 

次に来る衝撃と痛みに耐えうるように......

 

 

............

 

しかし、次の感じたのは痛みではなく優しく持ち上げられフワリと宙に浮く感覚だった。

 

宙に浮く感覚はすぐに消え、代わりに詰めたい土の感触が伝わり地面に降ろされたのだと理解する。

 

うっすらと目を開けてみると、そこに映ったのはババコンガの前に立ちはだかる一匹のアイルーの姿だった。

 

 

「......グオオォォォォ」

 

 

「ボクかニャ?ボクは趣味と成り行きでハンターをやっている者ニャ」

 

まるでババコンガの言葉を理解しているように放たれた返答は奴を苛立たせたのだろう。

 

先程より鼻を真っ赤にさせてアイルー目掛けて飛びかかるババコンガ...。

 

対してアイルーは軽く右手を構えるだけ...。

 

迫ってくるババコンガ、アイルーは焦る様子もなくあることばを口にしながら行動を起こす。

 

 

『並ネコパンチ』

 

【ボッ!!】

 

そんな音と共に、飛びかかってきたババコンガの巨躯に大きな風穴が空き、瞳からは眼球がダラリと下がる...。

 

ズズンッと大きな音を立てて倒れるババコンガの巨体...。

 

終わった...の...?

 

そう思った直後私の意識は暗転する。

 

薄れゆく意識のなか、くそったれニャー!!!という叫びだけがやけに印象に残りながらも私は暗い闇の中に意識を手放すのだった...。




というわけで今回はここまでニャ!

次回はこの続きからのお話ニャ!

それじゃあまた次回お会いしましょうニャ!

SeeYouNextNovelニャ!!

これからのアイルーくんの動向について

  • 渋々弟子入りを認めアステラに同行するニャ
  • 弟子入り✕様子見でアステラへ同行ニャ
  • 弟子✕同行も✕気ままにやるニャ
  • 弟子○けど基本好きにやらせるニャ
  • 全部ほっぽり出してテトルー宅に籠城ニャ

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