青薔薇の奇跡   作:reira

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忙しいので、バンドリovaを録画しておいたんだ。

一段落して、見ようと思ったら、親に消されてた、、、

辛い、、、


五話

やはり、場を整えたらあっという間だった。

 

あこが加わって芋づる式に燐子も加わることで、Roseliaメンバーが結成された。

作戦は大成功、というわけだ。

 

しかし、父さんは一向に帰ってくる気配がないため友希那の家で長らくお世話になっている。

……それを、厄介な奴に見つかってしまった。

放課後、帰り道の途中でそいつに捕まった。

 

「おい、翼。テメェ、女と一緒にいただろ」

 

「げっ」

 

「げっ、ってなんだよ。説明するまで返さねぇからな」

 

龍斗。おなじ春高一年生で、ずっと好きだったエタハピのメンバーの一人。そして、何故かは知らないが妙に色濃い沙汰に目ざとい。

おそらく、彼の情報網に友希那と一緒に帰った(またはライブハウスにいった)ときの情報がかかったのだろう。春高に入ってから友希那のところにお世話になるのは今回が初めてだし。

 

「いま、家に親がいなくて。親が鍵持ってるから僕は別の下宿でお世話になってるの。

その娘は、多分その下宿先の娘さんだよ。」

「ほーう…年齢は?」

「え、年齢?一つ上だけど?」

 

龍斗のやつ、一体何が目的だ?

僕は、戸惑うしかなかった

 

「その娘の好き嫌いは?」

「そうだなぁ、ハチミツとか甘い物。それから猫が好きで、苦い物が嫌い。ゴーヤとか」

 

前にゴーヤを出したところ、大ブーイング。友希那が珍しくハッキリと拒否したので逆に印象的である。

 

「その娘の通ってる高校は?」

「羽丘……ねぇ、これ何の質問?」

「いいから答えろ。その娘の誕生日及び星座は?」

「なにそれ…10月26日の蠍座だよ」

 

本当に何の質問なのかわからないものの、とりあえず答えていく。

 

「その娘の趣味は?」

「うーん、特に思いつかないなぁ。あ、でも猫カフェよく行くね……ねぇ、これで何が聞きたいのさ」

 

そろそろイラついてきたころに、龍斗が答える。

 

「あぁ、このいくつかの質問にたいして、お前は考え込むことなしに答えてみせた。つまり、具体的な誰かがいるってことになる。その娘を思い描いてないとこたえられないからな」

「…うん?」

「俺、女と一緒に帰ってた。としか言ってねえぞ。つまり、思い当たる人は一人しかいないんだな?それに、そんだけしってるんだ。付き合ってるんだろ?」

「…………」

 

…くそっ!藪蛇だったか!

 

「ほら、もうネタ上がってんだ。好きなんだろ、その娘のこと」

「いや、昔から一緒で…ある意味兄弟みたいなものだよ。血のつながりはないけど」

「はぁ?」

 

その時だった。突然携帯がなりだした。

 

「わり、ちょっと電話だ」

 

ちょっと離れて携帯を取り出す。燐子からだ。

 

『はいもしもし』

 

『翼、いま予定空いてる?』

 

『うん、空いてるよ。どうかしたの?』

 

横で龍斗がデートだとか騒いでるがスルーしておく

 

『いまから、Roseliaの練習があるの。是非、見に来てくれないかしら』

 

『え、いいのか?いくいく!場所は?』

 

『CiRCLEよ……待ってるから』

 

『了解!』

 

いや、まさかRoseliaの練習がみれるなんて!

まぁ、いつも友希那の練習みてたけどさ。

高ぶる気持ちを抑えきれず、ダッシュでCiRCLEにむかう

 

「あっ!おい、どこへいく!」

 

「わりぃ!ちょっと用事ができた!」

 

「ちょっ、まてっ!」

 

慌てて龍斗が追いかけるものの、父さんによって常日頃から鍛えられている翼に追いつくことはできなかった。

 

 

 

**********

CiRCLE

*****

 

 

 

CiRCLEにつくと、友希那やリサ、あこ、燐子、紗夜…Roseliaの面々が迎えてくれた。

リサや燐子は笑顔。

友希那は…顔は無表情だけど口元が緩んでいる。嬉しいのかな。もし『ゆきにゃん』だったら尻尾振って喜んでるだろうなぁ。

それから、あこは流石にもう、パピヨンだと気づいて…なさそう……あの反応は、初めて会う人にするやつだ。

それに拍車をかけてつっけんどんな紗夜。まあ、会ったのは初めてだしな。

 

「やっほー、友希那。久ぶり!それから、バンド練習見学呼んでくれてありがとう!」

 

「……べつに、みせたくて呼んだわけじゃないわ」

 

「それと、友希那。大丈夫、わかってるからさ。アレをしてほしいんでしょ?あの川でやったやつ」

 

「ええ、その通りよ。また、お願いできるかしら。今度は、ここにいるみんなに」

 

「了解。じゃあまずスタジオに入って一度いつも通りやって見せてよ」

 

「ええ。もとより、そのつもりよ」

 

友希那と僕が練習についてあれこれと言いあいながらスタジオへ入っていくのを革切りに、他のメンバーも続々とスタジオへ入っていく。

 

 

 

スタジオにつくと、みんなは位置について、それぞれの楽器を準備し始める。

その間、2つ並んでいるパイプ椅子の片方に自分の荷物を置く。そして、もう片方に腰掛けてその様子を見ていた。

 

 

 

元気でエネルギーにあふれるあこ。

 

引っ込み思案だがこれと決めたものを極める燐子。

 

真面目に努力を積み重ねてきた紗夜。

 

面倒見が良くて情の厚いリサ。

 

そして、芯が強くて純粋な友希那。

 

 

 

__絶対に、いいバンドになる。

 

なんとなく、そんな予感がした。

 

 

 

「では、始めるわ」

 

おっと、いつの間にか準備は終わっていたみたいだ。

 

「おう。最初は一通りよろしくな」

 

そうして、CiRCLEのスタジオに美しい音色が響いた。




せっかくのイベントなので、次回は6番目のアフターグロウ特別編を予定しております!

いつも通り明日の18時投稿予定です!

良ければ、是非どうぞ!

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