青薔薇の奇跡   作:reira

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すまない、あまりにも友希那を書きたかったんだ、、、


3.5話

__________

 

翼side

_____

 

携帯ゲームにて。あこにメッセージを送ったあとのことのことだった。

なんの前触れもなく、父さんから連絡が来た。

 

『今日からしばらく家かえれなさそうだ。いつも通り湊さんにお世話になっとけ』

 

「またかよ…」

友希那からの反応を待っていると、おもったより早く返信が帰ってきた。

 

『どうかしたの?』

 

『急で悪い、父さん用事入ったみたいでさ。また泊まらせてもらえないか?』

 

『…ええ、大丈夫よ。どうせ、母さん達にも許可はとってるんでしょ?』

 

『ま、父さんだからな』

 

『とりあえず、邪魔しなければいいわよ』

 

さて、なぜこんなにもスムーズにいくのかというと、親の事情と言うものだ。

 

家の親は湊家と親しい。昔、いろいろあったらしく燐子とも幼い頃から親交は深い。

 

それで、泊まったり泊まりに来たりは本当によくある。というかほぼ強制。

家の鍵を牛耳っているのは父さんだから、仕事から家に戻らないと家に入れないのだ。んで、その場合は大抵既に湊さんのところに許可をとってあることがおおい。なので、泊まってこいと父さんが言ったら泊まる他ないのだ。

 

 

 

……僕、理不尽すぎだろ

 

 

 

まぁ、幼い頃からそんな感じなもんだから、僕からしてみたら友希那は幼馴染みたいなポジションである。

というか幼馴染そのものである。

ちなみに、リサは友希那の家の隣だ。

 

まぁ、そういう事情なので友希那の家に向かうことにした。

 

 

 

……あ、そうだ。友希那が帰ってるってことはあこももう帰ってるはずだ。

フフフ…頑張ってくれるであろうあこにはカッコイイ感じにして練習用の譜面(スコア)を送ってやろう。

 

 

 

**********

 

***** 

 

 

 

途中、あこの家に寄って、ポストにカッコよく包装した譜面(スコア)を投函した。

あこ、喜んでくれるといいなぁ。

 

ん?なぜあこの家を知ってるかって?

こないだ、燐子の家に行った(主に本を借りるためである)ときにあこの家の住所を見たからだ。あとはグーグル先生におまかせっ!

 

……まぁ、そんなこんなであこの家ののポストに譜面(スコア)を投函して、友希那の家についた。

とりあえず、インターホンを押す。

 

ピンポーン

 

すると、友希那が出迎えてくれた。

いつもはおばさん(友希那のお母さんを僕はこうよんでいる)が真っ先に出てくるんだけどなぁ。

 

「……いらっしゃい」

 

「友希那、こんばんは。おばさんは?」 

 

「……今、お風呂」

 

「なるほど。じゃ、お邪魔しまーす」

 

よく見たら、友希那も髪が湿気を帯びていた。友希那も風呂上がりなのだろう。

なんとなく顔が赤くなった気がしたので、ごまかすためにそそくさと上がっていく。怒られたくはないもの。

 

友希那の家に上がってからはいつもと何ら変わらない。

台所に立って、飯の準備中をする。

なぜかは知らないけど、僕が泊まりに来たときはいつも僕がご飯担当。ちなみに家でもご飯担当。

父さんは料理壊滅的だからね、、、

 

「さて、ささっと作るか」

 

とりあえず、適当に冷蔵庫の残り物と思われる野菜を炒めて、これまた冷蔵庫に中途半端に残っている焼肉のたれと合わせて野菜炒めの完成。

 

野菜の一部は取っておいてさらに細かく切り、味噌汁の具に。そこに大根も短冊切りにして入れる。お豆腐もあったのでそれもいれてお味噌汁完成。

 

ご飯も来る前に炊いていたのか、ちょうど炊飯器がご飯ができたことを告げる音を鳴らす。

 

……とりあえず、こんなもんでいいだろう。

 

「ご飯できたぞー!」

 

「お、もうできたの!はやいわね!」

 

「ちょ、おばさんは風呂上がりなら服来てこい!」

 

「はーい」

 

いくら子供扱いだからといって風呂上がりのバスタオルまいたまま来られたら反応にこまるわ!

こっちからしたら他人なんだぞ!

 

その後、ご飯を机において三人(友希那、僕、おばさん)で席につく。ちなみにお父さんはお仕事だそうだ。

 

「「「いただきます」」」

 

「……ホント、翼のご飯は美味しいわね」

 

「よかった。基本的に、残り物だったからね。少し心配だったんだ。」

 

やはり、自分の作ったご飯が褒められるのは嬉しいものだ。

 

「………………」ガツガツ

 

「おばさん、がっつきすぎ。むせても知らんぞ?」

 

おばさんはすごい勢いで食べる。昔、フードファイター的なことをしていたらしい。

 

「!」ケホケホ

 

「ほら、言わんこっちゃない」

 

「ゴクゴクゴク……ぷはぁー!生き返った!」

 

……子供みたいな反応だな!おい!

 

ちなみに、隣ではおばさんの子供の友希那がその光景をみて呆れていた。

うん、僕も呆れた。

 

 

 

その後。

風呂もささっと入った頃には夜も遅くなっていた。

そろそろ寝るかと思い、僕が寝る客室にむかっていた時。

僕が寝る客室の隣の友希那の部屋の電気が点いていた。

なにやら歌声も聞こえる。

……やっぱり、友希那の歌声ってすごい

 

「友希那、まだ起きてるのかー?」トントン

 

「おきてるわよ、どうかしたの?」

 

ドアをノックしてみると友希那の声が帰ってきた。

 

「練習してるのか?」

 

「ええ、そうよ」

 

「練習、見てもいいか?」

 

「……ええ、いいわよ」

 

ガチャ、と扉を開けて友希那の部屋へ。

ちなみに、友希那の部屋は白と黒が基本のシンプルな部屋だ。

 

「やっぱり、友希那の部屋ってシンプルだよなぁ」

 

「……悪い?」

 

「いや、それがやっぱり友希那だなぁって感じがして安心する」

 

急に友希那の部屋が女の子らしくなったら僕は友希那の事を本気で心配するだろう。

 

「それは、私が単純って言いたいの?」

 

「いや、そんな単純な部屋の本棚の一つが猫系の雑誌で埋まってるのが可愛いって言いたいの」

 

「……そう。それならよかったわ」

 

あ、なんでもないふりしてるけど、なんかちょっと照れてる。こういうところ可愛いよな。うん。

 

「…何考えてるのよ」

 

「え?いや、別になんでもないよ。友希那の可愛さを再確認しただけだよ、うん。」

 

「っ!また、そうやって、、、」

 

「?」

 

顔を赤くはしている。が、怒っているというわけでもなさそう。

 

「と、とにかくそろそろ自分の部屋に戻って頂戴」

 

「え、でも練習は」

 

「もう夜も遅いし、明日にするわ。だから自分の部屋に戻って」

 

「……わかった」

 

友希那の練習、みたかったな。

前みたいに、二人で特訓もしたかった。

……でも、友希那を夜遅くまで起こしているのも悪い。

 

渋々、僕は友希那の部屋を後にする。

 

「…また、今度」

 

「え?」

 

「また今度、練習みせて上げるから。まだ、しばらくはウチに泊まるんでしょ?」

 

「…うん!おやすみなさい、友希那!」

 

「ええ。おやすみ、翼」

 

そうして、僕は友希那の部屋をあとにした。

 

 

__________

 

友希那side

_____

 

 

 

「全く…一体、何を考えてるのかしら」

 

翼を追い出した後、部屋の電気をけしてベッドによこになってボソリとつぶやく。

 

どことなく、顔に熱を帯びているかのような感覚。

 

原因はわかっている。突然、部屋に来て可愛いなんて言われたら恥ずかしいに決まってる。

 

「あんなこといわれたら、練習に集中できないじゃない」

 

兎に角、今日はもう練習に集中できないだろう。

今日はもう寝て、切り替えたほうがいい。

 

「…切り替えられるかしら」

 

ちょっと不安になったところで、疲れていたのだろう。急に睡魔に襲われて記憶は途切れた。

 

 

__今度、ちゃんと練習を見せないと


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