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リサside
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あの時もそうだった。
私は、周りに合わせてしまう。考えて、自分の意見を押し込んで、周囲に合わせて行動する。
でも、それがすこし苦しく感じたりすることもある。
私は、周囲からいろんな悩みを聞かされる。内容は恋愛や部活など、多種多様だった。でも、かんがえても自分では答えられないときはよくある。
__私では、こたえられません。
いや、ダメ!そんなこと、私を期待してくれた人に言えない、、、
私は、悩む。
そうやって悩んでいると決まって翼が声をかけてくれる。
昔から翼は、私みたいにみんなの顔色を伺うのが得意だ。でも、私みたいにみんなと同化しているわけではなかった。色々な考えをつみかさねて、あらゆる可能性をかんがえて一緒に考えてくれる。
そんな翼は、わたしにはキラキラと輝いて見える。
……とても、かっこいい。
翼のお陰で、私は他の人の悩みをどんどん解決していった。そうしているうちに私は頼られる存在になった。
けど、私は翼に頼ってしまっている。翼と一緒に解決方法を考えるのはとても楽しくて、面白くて、、、
いつのまにか、翼のことがもっと知りたいとおもっている私がいた。
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翼side
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アクセサリーショップを見て回った。確かに新しくできただけあって色々なアクセサリーがあり、品揃えも良かった。気になるアクセサリーだってあった。が、買えなかった。
こないだ、高い買い物をしたから。もう今月はお金がないのだ。
しばらく見て回った後、『このあと用事がある』といってリサと分かれてライヴハウス……の隣のカフェへとむかった。
*カフェテリア*
カバンからパピヨンマスクを取り出して装着する。このマスクで、アイツは僕を判別するため、装着せざるを得ない。
背中につけたマントも同様だ。ちなみに、高い出費の3分の1程度はこれにあたる。
問題は、一緒に連れてくるようにいったもう一人の方だ、、、
ちょっとした知り合いのため、この姿を見た彼女には恐らく冷ややかな目をされる。しかし、仕方のないことだ。バンドメンバーを増やすために、さけては通れないだろう、、、
視界の隅に彼女達を見つけた俺は、声高らかな笑い声を上げながら近づいていった。
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燐子side
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あこちゃんに手を引かれて初めて入ったライヴハウス。私とあこちゃんは、一緒に友希那さんの声を、、、歌声を聞いた。
言葉一つ一つが情景を生み出し、そこにはないはずの味や香りを生み出していく、、、
あんな歌声を、私はここで初めて聞いた。
「いやー、やっぱ友希那さんカッコいい……!」
「うん……すごく…………カッコよかった……!」
あこちゃんと一緒に、束の間の余韻を楽しんでいた、その時だった。
ハーッハッハッハッ!
謎の高笑いがカフェに響き渡る。
__でも、どこかで聞いたようなことがあるような気がする。
「あっ、この高笑い、、、ま、まさか!?」
あれ、あこちゃんも知ってる人?
慌てて、高笑いの主の方を見る。
その主は、私がよく知ってる人だった。よく、家にある本を借りに来て、数日後に読み終わったら感想とともに本を返却してくれる。
感想もよくまとめられていて、どこにどう感動したのかわかりやすいので、感想を楽しみに貸していることも多い。
__そんな人が高笑いをしつつ、変わった仮面をつけてマントを羽織り、カッコつけてこちらに歩み寄っていた。
あの仮面は、パピヨンマスク、、、?
それに、黒のシルクハットに黒いマント…
なんだかあの格好、まるで怪盗みたい。。。
呆気に取られていると、その人は私達のテーブルのすぐ横に立つ。そして、まるで役者のようにカッコつけて話し始める。
「やぁ、黒薔薇姫よ。カッコいいもの探しの調子はどうだい?」
「フフフ、我が終焉の招きに会い……えっとこう、素晴らしい感動的な何かが、、、」
「黒薔薇姫よ、無理にカッコつけなくていい。だが、無事に見つけたようだな。カッコ良い物を。」
「う、うん!お陰様で見つかりました!ありがとう、パピヨン!」
__パピヨン!?
気がつけば、ガタッと派手に椅子から立ち上がっていた。
ここ最近突然現れて、クエストを手伝ってくれる謎の存在、、、
お陰で、私達の装備は一新され、より強力なものになっていたが、その影にはパピヨンという名のキャラがあった。たしかに、パピヨンは怪盗のキャラで、装備の見た目もこんな感じだった。
その、パピヨンのプレイヤーが、まさか、、、
__翼さん?
まさかのパピヨンマスク!
(過去イベにて、ハロハピで薫さんが着ていたようなものを想像するとわかりやすい)
怪盗姿の薫さんみたら、あこが『カッコいい!』って言うだろう!想像からこの回はできているといっても過言ではない