元μ'sマネージャーと女神たちの物語   作:カット

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お気に入りが少しずつ増えてきて嬉しく思います。


6、転校生

「ところで小野と桜内はいつ会ったんだ?」

 

「昨日偶然会っただけですね」

 

教室に向かいながら話している。会ったのは本当に偶然、というか海に飛び込もうとしていなかったら話さなかったかもな。

 

「偶然と言えば…小野先生の出身校が音ノ木坂っていうことにも驚きましたよ」

 

「山田先生も前は音ノ木坂の教師だったんだぞ?」

 

「そっ、小野は私の教え子だ」

 

別に山田先生がいるからここに来たわけじゃないけどな。偶然いただけだったんだよな〜

それでも居てくれるのは助かるけどな。

 

「偶然って凄いですね」

 

「そうだな、それじゃあ呼んだら入ってくれ」

「わかりました」

 

さて、本来なら俺は教室昨日入る必要ないのだが、今日は転校生が来る日だから朝は入ることになっている。

 

「みんな席についてるな〜今日は転校生がいる。それじゃあ入ってくれ」

 

いや入ってもらうまでの流れ早くね!?

まっ、いっか。廊下にいる桜内さんに入ってもらって自己紹介をしてもらうことにした。

 

「初めまして。東京の音ノ木坂学院というところから来ました桜内梨子です。よろしくお願いします」

 

山田先生曰く、面白味のない自己紹介が終わると

 

「奇跡だよ!」

 

と言って高海さんが立ち上がって前に……前に?今ホームルーム中なのわかってる!?しかも手にはスクールアイドル募集のチラシが……

 

「スクールアイドル、一緒にやりませんか!?」

 

やっぱりか!?

 

あれ?でも桜内さんも微笑んだしもしかして…

 

「ごめんなさい」

 

えっ?頭を下げて断った…いやいや、あの流れは承諾の流れじゃないのか!?高海さんも1回やってくれるって思ったぞ絶対……まぁそれはそれとして

 

「とりあえず高海さん、席に戻ろうか。今はホームルーム中なのわかってる?」

「あっ…」

 

あっ…じゃないだろ…まぁ素直に戻ったしよしとするか。

 

「それじゃあ桜内は高海の後ろな」

 

「私の後ろなんだ、こっちだよ!」

 

席に戻る高海さんについていった桜内さん、勧誘され続けるのかな?というか俺には面白味ないとか言いつつ他の人には言わないのか。

 

「それじゃあホームルームは以上だ!」

 

ホームルームが終わり今日も授業が始まる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「だからね、スクールアイドルっていうのは」

「ごめんなさい」

 

「学校を救ったりできて…」

「ごめんなさい」

 

「どうしても作曲できる人が必要なの〜」

「ごめんなさ〜い」

 

朝勧誘を断った梨子ちゃん。それでも千歌ちゃんは諦めず、休み時間になる度に勧誘を続けて梨子ちゃんは断り続けている。しかもついには授業中にまで!?

 

「千歌ちゃん、流石にそんなに何回も聞いたら嫌がっちゃうよ」

 

「大丈夫だよ〜絶対やってくれるって!」

 

どこからその自身が……そのあとも勧誘が続いちゃってる…

 

次の日になって聞いてみると「あと一押し」って言ってた。そんなことなさそうだけど…

 

「だって最初は『ごめんなさい』だったのが今は『………ごめんなさい』だもん!」

 

それ絶対嫌がってるよ…千歌ちゃんわかってなさそう…

 

「千歌ちゃん、それ嫌がられてるからね?」

 

「そんなことないよ〜あっ、衣装の方はどう?」

 

「それは考えてきたよ!」

 

う〜ん…どうやったらわかってもらえるかな?

とりあえず放課後は考えてきた衣装デザイン見てもらうことになったけど…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それじゃあホームルームはこれで終わりだ、みんな気を付けて帰るように」

 

山田先生がホームルームに出られないため、副担の俺が代わりにホームルームをやった。多分初めて?とりあえず無事に終わらせることはできた。あとは…

 

「高海さん、ちょっといい?」

 

「なんですか?」

 

「ちょっと話したいことがあるからさ」

 

さすがに何回も勧誘してるって話は俺の耳にも入ってきている。それは止めておかないと。

 

クラスの生徒はみんな教室から出て行き、残っているのは高海さんと渡辺さんの2人だけになった。

 

「聞いたぞ?桜内さんのこと何回も勧誘してるみたいだって?」

 

「はい!曜ちゃんにも言いましたけどあと一押しって感じです!」

 

「本当にそう思ってる?」

「はい!」

 

これは渡辺さんの言った通りだな。

 

「わかってないみたいだしはっきり言うけど…かなり嫌がってるぞ」

 

「そんなことないですよ〜」

 

「本人がそう言ってたけど?」

「うそっ!?」

 

普通反応でわかると思うけどな…渡辺さんに聞いた話だと嫌がってるのがその場にいなくてもわかったぞ。

 

「ほんとだ。桜内さん本人に相談されたことだ。まぁ相談されたのは山田先生でそこから俺に話が伝わったんだけどな。

 

いいか?たしかにスクールアイドルをやる上で作曲できる人は必要だ。でもだからと言って嫌がってる人にやらせるのは違うってことはわかるだろ?」

 

「はい……」

 

「わかるならいい。スクールアイドルに誘うにしろ作曲を頼むにしろ、次を最後にするようにな。それで断られたら諦めるんだ。

作曲とか断られるだけじゃなくて人間関係も壊れるかもしれない。それは嫌だろ?」

「はい…」

 

わかってくれたかな?

 

「とにかく桜内さんに対してだけじゃない。他の人に頼む場合も気を付けるんだぞ?」

 

「はい、すみませんでした…」

 

ちゃんとわかってくれたみたいだな。

 

「千歌ちゃんも反省してるみたいなので今はこの辺にしておいてくれませんか?」

 

「そのつもりだ。ところで渡辺さんも残ってたってことは何かするのか?」

 

「はい!衣装考えて来たのでそれを見せようと思って、先生も見てください!」

 

まぁ部活承認されたら顧問になるわけだしそれは構わないかな。

 

「描いて来たのはこちらです!」

 

渡辺さんが出したスケッチブックに描かれていたのは……これ駅員?

 

「どう?」

「これ…衣装って言うより制服みたいだよ。スカートとかないの?」

 

まともなことも言えるみたい。えっ?酷いって?気にすんな

 

「あるよ!はい!」

 

ページがめくられ見せられたのは……婦人警官?

 

「え、えっと…これコスプレを考えるわけじゃないんだからな?」

 

「コスプレとはなんですか!?衣装ですよ!」

 

いや…どうやっても衣装には見えないぞ。

 

「これも衣装というより制服じゃ……もっと可愛いのないの?」

 

「あるよ!はい!」

 

次のは……これはサバゲーやる人が着るような服?つーか武器まで持ってる!?

 

「武器持っちゃった!?」

「どうやって踊るんだ?」

「可愛いよね〜?」

「いや可愛くないから!」

「むしろ怖いよ!」

 

どうやったら可愛いになるんだ?カッコイイならまだわかるとしても…

 

「もっとスクールアイドルっぽい服だよ〜」

 

「そう思って描いて来ました!はい!」

 

今度のはちゃんとした衣装だった。つーか

 

「こういうのあるなら最初から出せよ!?」

 

「可愛い〜」

 

うん、まぁたしかに衣装としてはいい衣装だと思うけど…

 

「これもしかしてμ'sのファーストライブ衣装参考にしてみたりした?」

 

「正解です!」

 

やっぱりか。どこか似ている気がするからな

 

「これ作れるの?」

「任せて!」

 

まっ、衣装なら手伝えるけど人数増えてからでいいだろ。

 

「よ〜し!じゃあ部活も承認してもらいに行こう!」

 

「いやそれは無理だろ…5人いないんだし」

 

「大丈夫!熱心に頼めばきっと生徒会長も!」

 

校則ちゃんと理解してる?

 

これから練習基本的はステップを練習するみたいだから俺は職員室に戻ることにした。もちろん申請しないように言ったけど……絶対申請しに行くよな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

翌日の昼休み

 

「桜内の件はちゃんと高海に言ったか?」

 

「ちゃんと言いましたよ。本人は言われるまであと一押しって思ってたみたいですが…とりあえず誘ったり作曲頼むのは次で最後にして断られたら諦めるように言っておきました」

 

「もうやめろとは言わなかったんだな」

 

「まぁ…μ'sの最初の時も何回か真姫に頼みに行きましたからね。断られたら諦めるって言ってお願いしてそれで【START:DASH】ができたんですよ」

 

「そっか、まぁまずい時はお前がちゃんと止めろよ」

「わかってます」

 

昼休みに職員室で桜内さんの件を話している。相談されたの山田先生だったし気になってたんだろうな。

 

すると

 

『絢瀬絵里、東條希、西木野真姫、星空凛、こんな基本な問題も答えられないなんて』

 

突然スピーカーから誰かの声が聞こえてきた。というか元μ'sの4人の名前だけど何のこと言ってるんだ?

 

「これどっから放送されてるんですか?」

 

「多分生徒会室からだ。そこからでも放送できるし今のはここの生徒会長の声だ」

 

「へぇ〜ってじゃなくてとりあえず止めに行かないと!?」

 

「そうだな、ついでに操作の仕方を教えてやろう」

 

おっ、それは助かる。そのまま一緒に生徒会室まで移動しているが……生徒会長に聞けばいいんじゃね?ってツッコミは入れなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここか、ちょっといいか?」

 

「あっ、小野先生!と山田先生も!?」

 

「放送流れてるぞ?こっちだ」

 

生徒会室の会話が流れてることを知った高海さんと渡辺さんとおそらく生徒会長?の3人は驚いていた。あれ?この子たしか2年くらい前に……

 

教えてもらいながら電源を切った。これで放送されないな。

 

「それじゃあ私は戻るな」

「はい、ありがとうございました」

 

さっ、何があったか聞く前にっと…

 

「なぁ2人とも?もしかしてだけど…」

 

「はい!そのもしかしてです!」

 

「あはは…すみません止めきれず」

 

だから無理だって言っただろ…まぁいいや

 

「あっ、会うの初めてだな。新任の小野だ」

「新任の方でしたか、私は生徒会長の黒澤ダイヤと申します」

 

お互い自己紹介は簡単に済ませたし本題に入るか。

 

「ところでなんでさっき元μ's4人の名前言ってたんだ?」

 

「ほう、あなたもμ'sを知っているみたいですね」

 

「まぁな」

 

知らない方がおかしいけど…

 

「えっとですね、生徒会長にμ'sに関する問題3問出されて、さっきのはラブライブのアンコールで歌った曲【僕らは今のなかで】の冒頭でスキップして登場してきた4人は誰かっていう問題です」

 

「そんなところから問題出したのか!?ちなみに最初の2問は?」

 

「μ'sが9人で最初に歌った曲、次に予選でA-RISEと一緒にステージを選んだ場所です」

 

「なんだそんな問題か、【僕らのLIVE 君とのLIFE】とUTX屋上だろ?そこはちゃんと答えられたんだろ?」

 

「………え、えっと」

 

「マジ?」

 

「えっ…そんなに有名?」

 

ちょっと待て!?スキップのやつはできなくてもまだわかるけど他の2問は答えられるだろ!?

 

「先生も生徒会長も凄い!もしかしてファンなんじゃ…」

 

「当然です!私を誰だと……はっ!?一般教養ですわ!」

 

「いやいや、3問目のはわからない人出てくるから!?最初の2問はμ'sのこと知ってる人ならある程度の人は答えられるはずだけど…」

 

「えっ……」

 

いや「えっ」って…もういいや。

 

「その様子じゃ、μ'sにマネージャーがいたことも知らないのではありませんか?」

 

「そうなんですか!?」

「私はμ'sのことあまり知らないけど千歌ちゃん知らなかったの!?」

「うん…えっと先生は」

 

ここで俺に聞く?とりあえず惚けておくか…

 

「名前まではちょっと…顔もあまり出してなかったし」

 

「それくらいは答えてください!"小野達也"です!」

 

これ…目の前にいるって知ったらどうなるんだろ?というか気付いてる?

 

「く、詳しい…」

 

「(あれ?もしかして先生)」

 

あっ、渡辺さんに気付かれた……みたいだな。こっち見てるしとりあえず黙っててもらうようにジェスチャーをした。他の2人に見られないように…

 

「とにかく…スクールアイドルは認めませんわ!」

 

え、絵里みたいなこと言ってるな…

 

「もうアイドル関係の部活あるからとかか?」

 

「ありませんが…」

 

「そっか、高海さんと渡辺さんは今はもう教室戻っててくれる?ちょっと話したいことあるから」

 

「えぇ〜」

「そういえば千歌ちゃん…次の授業って」

「体育だ!?早く着替えないと!?失礼します!」

 

そういえばそうだったな、でも2人には出て行ってもらえたしよしとするか。

 

「黒澤さん、ちょっと聞きたいことがある」

 

「なんですか?」

 

「スクールアイドル認められない理由だけど2年前のことが関係あるのか?」

 

「っ!?な、なんのことですか?」

 

「俺は2年前に君のことを見たことがある」

 

 

 

 

 

・・・高海千歌と渡辺曜が出て行って2人きりとなった生徒会室で、達也と生徒会長の黒澤ダイヤの話が始まる。昼休みの残り時間も少ないしそこまで長い話にはならないだろうが・・・

 




ちょっと中途半端なところで終わらせました。そして曜ちゃんにμ'sのマネージャーをやっていたことがバレました。千歌は何故気付かないんでしょうね〜


次回からの投稿間隔ですが最低2日は空けていくことにします。

感想は気が付いた時に返信していきます。

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