元μ'sマネージャーと女神たちの物語   作:カット

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大変お待たせいたしました。ようやくできたので投稿します。


51、廃校決定〜Aqoursのこれから〜

 

「あ!スクリーンに私たちのライブが!」

 

「ほんとだ!」

 

決勝進出を決めたAqoursは会場を出て外のスクリーン前にいる。そこにはAqoursのライブが流れていて、再生数も凄いことになっている。

 

「凄い再生数だな、鞠莉、入学希望者の人数はどうなった?」

 

「……携帯フリーズしてるだけだよね?」

 

「……そっか」

 

鞠莉の言葉で悟ったが、入学希望者はあまり増えてないんだろうな。

 

「大丈夫、学校に戻れば正確な人数がわかるから」

 

「そうか、じゃあもう少し休んだら戻るか」

 

理事長室にあるパソコンで見れば正確な人数がわかるとのことだったし、もう少し休んでから学校に戻ることにした。みんなが休んでる間に、今こっちに来てる穂乃果に連絡をして遅くなることを伝えた。最悪泊まりになるかもということも……

 

 

----------学校に着き----------

 

「どう?」

 

「変わってない……」

 

学校に着いたのは20時頃、人数を確認したら80人だった。あと20人…残り4時間で増えるかどうか…

 

「パパに連絡してくる。みんなは待ってて」

 

そう言って鞠莉、そしてダイヤも理事長室から出て行った。そこから戻ってくるまでに時間がかかっていた。鞠莉の父親がいる所は早朝のため、繋がりにくいのだろうと果南は予想した。

 

「ウェイティングだったね」

 

「どうだったんだ?」

 

「なんとか期限を延ばしてもらうことはできたわ」

 

「ですが、それも日本時間の朝5時まで。それまでに100人に達しない場合は募集ページを閉鎖するとのことです」

 

「そっか…」

 

「でもあと3時間が8時間に増えた。まだ希望は繋がってるよ」

 

「千歌ちゃん…」

 

「そうですわね。ではみなさん、もう遅いので家に帰ってください」

 

「ええ!?気になって休めませんよ!!お願いします!ここで見させてください!」

 

「いやいや!?千歌、気になる気持ちはわかるけど、さすがにそれは顧問として許可はできないぞ!?」

 

「そんなぁ……」

 

鞠莉の父親との交渉で期限が朝の5時までに延びた。ただしそれで100人に達しなければ今度こそ廃校は確定、最後通告だ。

時間も時間だし帰るようにダイヤは言ったが千歌が反論した。帰らないでここで見ていたく、それは他のみんなも同じ様子だったが、さすがにそれは顧問として許可はできない。

 

「理事長として今回のみ特別に許可をするわ」

 

「…………まじか」

 

「私が理事長のこと忘れてませんね?」

 

「はぁ……まぁ理事長が許可するなら止めない。ただし、家の許可はちゃんと取るように!」

 

『はい!』

 

こういう時の理事長って甘いよな。μ'sの時も決勝前日に届け出を出しても許可されたし……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あと2人………お願い!」

 

あの後全員家の許可も出て、みんなで理事長室に泊まり込んだ。そして残り時間はもう1分を切っている状態で98人。

 

「そんな……」

 

しかし、ついにタイムリミットを迎え、浦の星女学院の募集ページは閉鎖された。正直98人希望者がいるならと思う気持ちはあるが、約束は100人とされていたしもう諦めるしかない。今日の朝5時までが最後のチャンスだったのだから……

 

「っ…もう一度パパに電話してくる!」

 

「鞠莉やめろ!」

 

「これで私が理事長じゃなくなってしまうんじゃって思ってるなら心配しなくていいです!その覚悟を持って電話をしようとしてるんですから!」

 

「そんな心配してねぇ!!いくら鞠莉の父親でも1人で決定を覆せるわけない!それに何度期限を延ばしてもらったと思ってるんだ!廃校の話が出た時、ほんとは待たなくてもいいくらい入学希望者がいなかったんだろ!それを廃校決定を待ってもらった。それにもらった期限だって最初は0時までだったはずだ。それを朝の5時まで延ばしてもらったんだろ!悔しい気持ちも、辛い気持ちもわかる。でもな、約束を守らなくていいってことにはならないんだ!」

 

『…………』

 

「こういうことは言いたくない。でも言わないといけない。浦の星女学院は廃校決定だ。これ以上チャンスはない」

 

学校が無くなって欲しくないことについてはみんな同じ気持ちだ。でもだからと言って約束を守らなくていいことにはならない。俺も無くなって欲しくないが、ここはもう諦めるしかない。

 

 

----------廃校決定後最初の練習時----------

 

「みんな集まったな。みんなにはまだラブライブ決勝が残ってる。そこに向けて練習だ!」

 

『……はい』

 

みんな元気ないな。まぁ仕方ないか……

 

「じゃあストレッチから開始!」

 

みんなストレッチを開始した。しかし途中で千歌がストレッチをやめてしまった。それを見てみんなも……

 

「……はぁ。やっぱりまだ無理か」

 

「ラブライブ決勝に向けてやらなくてはというのはわかりますが……」

 

「今の状態でやるのは……」

 

「……わかった。なら今日と明日の朝練はなしにする。自主練も禁止だ。みんな、自分の気持ちを整理して、明日の放課後にまた屋上に集合。いいな?」

 

『…………はい』

 

今日の練習と明日の朝練は中止にした。今のまま練習しても意味はないし、最悪怪我をしかねない。だから中止にした。明日、みんながどんな答えを出すのかどうか……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あ、小野先生だ!」

 

「ん?おっ、よしみといつきとむつか」

 

「なんで先生がここにいるんですか?」

 

「今練習中じゃ……」

 

「中止にした」

 

「「「えぇ!?」」」

 

まぁ驚くよな。

 

「もう廃校になったことは鞠莉が言ってただろ?みんなショックで練習に身が入ってないから中止にしたんだよ」

 

「「「なるほど……」」」

 

「3人とも今時間はあるか?協力してもらいたいことがある」

 

「Aqoursのためですよね?」

 

「そんなのもちろん」

 

「引き受けるに決まってるじゃないですか!」

 

俺まだ内容言ってないのに……有難いな。3人に話す前にっと……

 

「助かる。ちょっと待ってくれ。今出てくれるかな……」

 

「誰に電話してるんだろ?」

 

「「さぁ?」」

 

『もしもしたっちゃん?今練習中じゃないの?』

 

「練習は中止にした。それより穂乃果、明日浦女に来てもらえるか?手伝ってもらいたいことがあるんだ」

 

『いいよ!』

 

「お前も即答か!?まぁ助かる。話は山田先生に通して入れるようにしてもらう。着いたら山田先生に連絡してくれ」

 

『わかった。詳しいことは帰ったら聞かせてね』

 

「わかってる。それじゃ」

 

穂乃果の協力もしてもらえる。次は山田先生に話を通さないとな。

 

「あの小野先生!穂乃果さんという方に頼らないで私たちでなんとかしたいんですけど!」

 

「心配すんな。穂乃果には俺が電話をかけてそれをスピーカーにしてみんなに聞こえるようにしてもらうだけだから。Aqoursが弱気になったり、ラブライブ決勝の出場を辞退しそうになったら説得してくれ。俺よりこの学校の生徒の方がいいと思うからさ。それでダメなら諦めるしかないけど……」

 

「「「そういうこと…」」」

 

「だから頼むぞ3人とも!」

 

「「「はい!」」」

 

これでよし。夏の予選の時の様子を見る限りおそらくみんな協力してくれる。あとはAqoursのみんな次第だ。

 

 

「ただいま〜」

 

「おかえりたっちゃん。ご飯できてるよ」

 

「サンキュー穂乃果、じゃあ早速もらおうかな」

 

「うん!」

 

帰ったら穂乃果が夕食を作ってくれていたからそれを食べることにした。話は食べ終わってからにしよう。食べながらすることじゃない。

 

「ご馳走さま。美味かった、さすが穂乃果」

 

「よかった〜とりあえず食器は水につけておくだけにしておいて」

 

「……わかってる、俺が思ってる理由と一緒だろ?」

 

「……うん」

 

食べ終わり、今は食器を水につけるだけにしておいた。大事な話をするからだ。

 

「それじゃあ早速……」

 

「うん……」

 

「今日の練習を中止にしたのは廃校決定のショックで練習に身が入らないと判断したからなんだよ」

 

「それは仕方ないことだよ、みんな廃校を阻止するためにやってたんだから」

 

「だから気持ちの整理をしてもらうために今日の練習は中止にした。それでみんな決勝に出ないって言う可能性もある」

 

「でもそれ私が協力していいことなの?やるなら浦女の生徒たちでやった方が……」

 

「協力してくれる生徒には屋上から見下ろせる場所に集まってもらう。だからそこに穂乃果も来てほしい。そうしたら俺と穂乃果で通話状態、穂乃果の方はスピーカーにしてみんなに聞こえるようにしてほしいんだ」

 

「なるほどね、任せて!」

 

「助かるよ穂乃果。山田先生には穂乃果が入れるように話を通してあるから大丈夫。Aqoursの方は俺を含めて全員揃ったら話し合うことになってる」

 

「わかった」

 

「俺が話すより浦女の生徒が説得した方がみんなの心に響くだろうからな。それじゃあ明日は頼む」

 

「任せて!」

 

穂乃果も簡単な協力をしてもらうことができたし明日、Aqoursがどんな答えを出すのか、それによっては浦女生徒の協力も必須になる。明日が勝負だ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

放課後

 

 

「みんな集まってるな。みんな、答えは出たか?」

 

『はい』

 

「そうか」

 

ちゃんと気持ちの整理はできたみたいだな。なら聞こうか。

 

「出た方がいいのはわかります」

 

「でも学校は救えなかった」

 

「なのに決勝に出て歌って」

 

「たとえそれで優勝したって」

 

「たしかにそうですわね」

 

「でも、千歌たちは学校を救うためにスクールアイドルを始めたわけじゃない」

 

「輝きを探すため」

 

「みんなそれぞれ、自分たちだけの輝きを見つけるため。でも……」

 

「見つからない。だってこれで優勝しても学校は無くなっちゃうんだよ。奇跡を起こして学校を救って、だから輝けたんだ。輝きを見つけられたんだ。学校を救えなかったのに、輝きを見つけられるなんて思わない!私ね、今はラブライブなんてどうでもよくなってる。私たちの輝きなんてどうでもいい、学校を救いたい!みんなと一緒に頑張ってきたここを……」

 

「じゃあ救ってよ!」

 

『っ!?』

 

Aqoursのみんながそれぞれ自分の気持ちを言っていくと、まるで全て聞いてたかのように中庭の方から声が聞こえてきた。実際は聞こえている。俺が穂乃果に電話をかけ、それをスピーカーにして集まってくれたみんなに聞こえるようにしていたからだ。

 

「だったら救って!ラブライブに出て!」

 

「「「優勝して」」」

 

「みんな」

 

「できるならそうしたい!みんなともっと足掻いて!」

 

「そして?」

 

「そして学校を存続させられたら……」

 

「それだけが学校を救うってこと?」

 

千歌たちは学校を存続させられないと救えないと思っている。けど他のみんなはそうじゃないみたいだ。

 

「私たちみんなに聞いたよ!千歌たちにどうして欲しいか、どうなったら嬉しいか」

 

「みんな一緒だった。ラブライブに優勝して欲しい!千歌たちのためだけじゃない!私たちのために!学校のために!」

 

「この学校の名前を残してきて欲しい!」

 

集まったみんなを代表してか、よしみ、いつき、むつが必死になって呼びかけている。

 

「学校の……」

 

「千歌たちしかいないの!!千歌たちにしかできないの!!」

 

「浦の星女学院スクールアイドル、Aqours!その名前をラブライブの歴史に、あの舞台に!永遠に残して欲しい!」

 

「Aqoursとともに浦の星女学院の名前を!」

 

「「「だから!だから!!だから!!!」」」

 

『輝いて!』

 

ほとんどは3人がいっているが、その3人の言っていることは浦の星女学院の生徒みんなの願いだった。

 

「優勝して、学校の名前を…」

 

「ラブライブに!」

 

「千歌ちゃん」

 

「「や・め・る?」」

 

そのみんなの願いはAqoursに届いたようだな。

 

「やめるわけないじゃん!決まってんじゃん!決まってんじゃん決まってんじゃん!!優勝する!ぶっちぎりで優勝する!相手なんて関係ない!秋葉ドームも決勝も関係ない!優勝する!優勝してこの学校の名前を、一緒消えない思い出を作ろう!」

 

「オー!アローでもショットガンでも持ってこいって感じね!」

 

「でも、見てるだけで熱くなってくる!」

 

「ですわね!」

 

「全リトルデーモンよ、決戦の時が来ました。ヨハネと一緒に堕天するわよ!」

 

「ああー!じっとしてられない!みんな走りに行こう!」

 

「ほら行くよ!」

 

「マルもずらか!?」

 

「ピギッ!?」

 

「ほら梨子さんも!」

 

「ついに普通じゃない。本当の怪獣になっちゃうのかも。千歌ちゃんは」

 

「ちょっと待ちなさい!待ってよ〜」

 

「みんないてもいられなくなったか。千歌、置いてかれるぞ」

 

「はい!今から追いかけます!」

 

浦の星女学院の生徒の力によって、Aqoursはラブライブ優勝を目指すことができた。みんなに任せて正解だったな。こういう時は俺が直接言うより生徒の言葉の方が心に響きそうだからな。みんなにちゃんとお礼は考えないと……いや、それはAqoursのラブライブ優勝がいいか。俺も全力でサポートだ!

 




いや〜他の作品のアニメ編を終わらせてからすぐやるつもりが、体調を崩したり忙しくなったりでなかなか執筆に時間が……
お待たせしてしまって申し訳ないです。次回からもお楽しみにしていてください。

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