「100人!」
いきなりのことでこの話を読んでくれているみんなは驚いたであろう。
とまぁメタいことは置いておいて、今鞠莉が言った数字……それは
「年内に入学希望者を100人集められたら来年も浦の星女学院を存続するって言われたわ」
集める入学希望者の人数のことだ。今の希望者は約10人、すなわちあと10倍の人数にする必要があるということだ。
「今10人しかいないのですよ…」
「それを年末までにって…」
まぁたしかに難しいことだ。あと約3ヶ月で100人まで増やさないといけないのはたしかに厳しい。
「たしかに難しいと思う。でも……「でも可能性は繋がった」……」
あれ?なんか久しぶりに遮られた感じがする。
「可能か不可能かなんて今はどうでもいい。だってやるしかないんだから!」
「千歌……そうだね!」
「そうですわね!先生の言ってることを遮ってまで言うことかは別ですが」
「………あ」
あって…
「大丈夫だぞ千歌、よく経験してたことだから気にしてないぞ」
『絶対気にしてる!?』
まぁそれは置いておこう。
「千歌の言う通り可能性は繋がったんだ。その結果どうなるかわからないけどまだ可能性があるってことだ」
「そういうこと!鞠莉ちゃん、ありがとう!可能性がある限り精一杯頑張ろう!学校説明会もラブライブも!集めよう!100人!」
もう迷いはなさそうだな。
でもまっ、2曲分急いで作らないといけなくなることに気付いてないだろうな。
「0から1へ!」
「1から10へ!」
千歌の言葉のあとに曜と梨子が反応しそして
「10から……100!」
と高く飛び跳ねながら千歌が言った。
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「よし!じゃあ今日の練習は終わりだ!」
「早くないですか?」
100人集めたら存続すると聞いて練習をしていた。でも俺が終わりと言ったら予想通り千歌が早くないかと言ってきた。
「みんなもまだ動けると思うけど決めないといけないこともあるしさ、みんな着替えて部室でミーティングな」
『決めること?』
みんなわかってなさそう。学校説明会の次の週にラブライブの予備予選なんだぞ?2曲分作っておかないってこと気付いてるか?
「あ、もしかして…」
梨子が何か気付いたみたいだけど部室に行ってからということにしてみんな移動していった。携帯に全員着替え終わったと送られてきたから部室に向かって話し合いを始めることになった。
「梨子はさっき気付いたと思うけど学校説明会の次の週にラブライブの予備予選がある。つまり?」
「2曲分作らないといけない」
「正解だ梨子」
やっぱり気付いたみたいだな。多分作曲するから2曲分作る必要があるってことにみんなより早く気付けたのかな。千歌も気付いて欲しかったけど……
「そっか!?じゃあ2曲分の歌詞を考えないと……」
「あ、私も衣装を……」
千歌や曜も反応したな。
「そこで今日の練習を早めに終わらせたんだよ。こんな言い方を言うのは千歌に悪いかもしれないけど、普段梨子が言った期限に間に合うことって少ないだろ?」
「うっ!?」
「そうじゃなくても短期間で2曲分作るのは難しいと思う。だからさ、今回は2年生の3人と1.3年生の6人それぞれで作詞、作曲、衣装やってみないか?」
最悪歌詞や衣装なら俺も手伝える。ただなるべく歌詞はみんなで考えて欲しいし、衣装もデザインはみんなに考えて欲しい。作るのは時間足りなければ手伝うけど……
「なるほど、先生の案良いと思いますわ!皆さんはどうですか?」
『賛成です!』
………なんか予想以上にあっさり決まってるな。まぁすんなり決まってくれて助かるけど……
「じゃあ、曜と千歌っちと梨子が説明会用を作って残りの6人でラブライブ用を作る、これでどうかしら?」
「どっちがどっちをやるかはみんなに任せるぞ」
「私はそれでいいと思う!曜ちゃんと梨子ちゃんもそれでいい?」
「「もちろん!」」
「じゃあ残りのメンバーはラブライブ用ってことでいいか?」
「「「「「「はい!」」」」」」
「じゃあ決まりだ!千歌たちは毎回作ってると思うから俺は……」
「大丈夫ですわ」
………えっ?
「私たちにお任せください!」
「ダイヤやる気だね〜」
「スクールアイドルの先輩として、千歌さんたちよりいい曲を作ってみせますわ!」
「じゃあ勝負です!」
「「「………趣旨変わってない(か)?」」」
最後曜と梨子と俺は呆れたけどとりあえず分担は決まった。
そして俺は手伝わなくてよくなった。もしものことがあるまでは……
2年生組は千歌の家で作業するということで先に帰っていき、残りの6人は鞠莉の家に行って作業することになった。
「鞠莉の家ってホテルだよな?作業進められるか?」
心配になったがみんなを信じることにした。
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『すぐに私の家(黒澤家)まで来てください!』
みんなと別れ学校で作業をしているとダイヤからLI○Nで連絡が来た。どうやら緊急の要件みたいだが……
1.3年は鞠莉の家でやってたんじゃないのか?まぁ緊急みたいだし急いで行くか。
「あれ?千歌たちも呼ばれたのか?」
学校での作業をやめて向かっていると千歌たちに会った。
「はい、ルビィちゃんにすぐ来てって言われて……まさかもうできたんじゃ!?」
「先生はどうして……」
「俺はダイヤにすぐ来るようにって言われたけど……なるほど、ルビィは千歌たちに連絡してたのか。俺はダイヤからすぐ来るようにって来たけど多分何か問題が起きたんだと思うぞ?できたならダイヤたちから千歌たちの方に行くと思うし」
「たしかに、なら急いだ方がいいわね」
千歌と曜と梨子と偶然ながら合流して黒澤家まで走っていき到着すると……
「それではラブライブに突破できません!」
「その曲なら突破できるって言うの!?」
「花丸の作詞よりマシデース!」
「でもあの曲だとAqoursに合わないんじゃ……」
「新たなチャレンジが新たなフューチャーを切り開くのデース!」
「さらにそこにお琴を!」
1年生組と3年生組で別れて揉めていた。
「はいはい1回ストップ!」
「「「「「「先生!?」」」」」」
おいダイヤ、呼んだ本人がなんで驚いてるんだ?
「とりあえず一旦落ち着け……でダイヤとルビィは外に来てくれ。あと2年生も」
「わかりましたわ。行きますよルビィ」
「う、うん…」
5人を外に連れてきて話を聞くことにした。出る直前部屋を見ると、残った4人は話そうとしていなかった。
「意見をぶつけ合うのはいいことだけどさっきのじゃただの喧嘩にしか見えないぞ、何があったんだ?」
「私が説明しますわ。最初は鞠莉さんの家でやるつもりだったのですが……」
「あ、そこは話さなくていいや。どうせ快適すぎて作業にならないってことだろうから」
「す、鋭い……
コホン、そこで私たちの家でやることとなりまず花丸さんが今回の曲のテーマを"無"と言い出しましたわ。そしてそこに善子さんが共感したのですが……テーマが難しすぎるという果南さんの意見ともっとハッピーにという鞠莉さんの意見が出て却下となりました」
まぁここまではただ意見を出してるだけだから気にすることないか。
「鞠莉さんに何かアイディアがあるのか聞くと、今まで温めていた曲があると言って曲を流し始めました。果南さんは身体を動かしたくなると言い私も今までやってこなかったジャンルで良いと思いましたわ」
「でもルビィたち1年生にはちょっと……苦手な感じだったり騒音にしか感じなかったりとかで…」
「それから先ほどお見せしてしまったあのような事態に……」
な、なるほど……感じ方は人それぞれだから仕方ないって言えば仕方ないだろうが……
「やはり一緒に曲を作るのは無理かもしれませんわね」
「そっか……」
「いいアイディアだと思ったんだけどな〜」
「もっとちゃんと話し合ってみたら?」
「梨子の言う通りだ……って言っても多分話し合ってるとは思う。でも無理って決めつけるには早すぎると思うぞ?」
「散々話し合いましたわ。ですが思ったより好みがバラバラで……」
「バラバラ……か」
好みがバラバラなのはまぁ……人数多いし仕方ないだろ。
「たしかに1年生と3年生あまり話してないもんね」
「でもそれを言い訳にしていたらいつまでもできないんじゃ……」
「そうだな、3年生と1年生は壁がある……のかわからないけどコミュニケーションが足りてないんだろうな。好みがバラバラでも足りていればもっと違うと思うんだけどな」
「そうですわね、どうしたら……」
このままじゃ曲作りは無理だな。なら……
「よし!じゃあとりあえず2年生は続きをやってくれ!」
「「「えっ!?」」」
「それで1年生と3年生は少しの間曲作りのことを考えないでみんなで同じことを何かやれ!」
「「何か?」」
いきたりこんなこと言って驚いてるな、まぁ驚かない方がおかしいけど……
「何をするかは任せる。ただコミュニケーションが足りないならみんな一緒になって何かをやった方がいいだろ」
「なるほど……」
「今はそうするしかありませんわね……ではルビィ、行きますわよ!」
「うゆ!」
「ご迷惑をおかけしました。また何かあれば連絡いたします」
「別に俺たちにくらいは迷惑かけてもいいさ、関係ない人にはダメだけどな」
「わかってますわ」
ダイヤとルビィは家の中に戻っていき今のことを伝えに、千歌と曜と梨子の2年生3人組は千歌の家に戻って続きをすることになった。
…………無事に曲作りできればいいけどできなかった時どうすっか。
今回はここで終わります。
投稿ペースは不定期になってしまってますが次回もお楽しみに!