------初勤務前日の夜------
「どう?そっちの生活は?」
今は穂乃果と電話中。まぁ電話は毎日してるけど…
「海が家の側にあるのは嬉しいけどコンビニが近くにないのはちょっと不便かな、まぁ学校での仕事が終わってその帰りに行けるから問題ないけどさ」
「じゃあちゃんと食材とか買っておかないと食べられなくて困っちゃうね」
最悪隣旅館だしなんとかなる気もするが…普通に買うより金かかりそうだな。
「たしかにな。そういやこっちに穂乃果たちに憧れてスクールアイドル始めるって言ってる子いたぞ!」
「ほんと!?嬉しいね!」
「まぁ読み方は間違ってたけど…」
「あはは…そう言えば私も最初間違えたね」
そういやそうだな、というか2人とも同じ間違え方だな。
「たっちゃん…」
「ん?」
「手出しちゃダメだよ?」
「出すかボケ!?」
「知ってる♪」
うん知ってたよ?冗談ってことはね
「もしかして手伝ったりするの?」
「まぁ顧問になってほしいとは言われたかな。一応新任でも問題ないか聞くけど…他の部活ならともかくスクールアイドル部なら問題ないと思うな」
「私たちのマネージャーやってたくらい……あれ?」
おっ、ここで疑問を思ったみたいだな。
「マネージャーいたこと知らないのかな?」
「そうじゃないか?まっ、俺がやってたって知った時の反応見るの楽しみだから今は言わないけどな」
「たっちゃん相変わらずだね〜」
そう簡単に性格は変わらないさ。っと、もうこんな時間か。
「やっぱり楽しい時間ってあっという間に過ぎるんだな」
「えっ?……うそっ!?もうこんな時間!?」
穂乃果も気付いてなかったのか…それだけ夢中になっちまったのかな
「それじゃあたっちゃん、明日から頑張ってね!」
穂乃果からの応援、頑張れるけどなんか違う…あっ、そっか
「大好きな穂乃果にお願いがあるんだけど…あのセリフでお願いできるか?」
「あのセリフ?あっ、ふふっ、じゃあ大好きなたっちゃんに応えてあげよう、
たっちゃん、ファイトだよ!」
これこれ、やる気出てきた〜
「ありがとな、頑張れるよ!それじゃあおやすみ穂乃果」
「おやすみたっちゃん」
穂乃果からのエールをもらって今日は寝ることにした。正直緊張してるけど穂乃果のおかげでなんとかなりそうだ。
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「今年からお世話になります小野達也と申します。不甲斐ない面もたくさんあると思いますがよろしくお願いいたします」
今日から新年度が始まる。始業式の前に教員は職員室で集まり会議をしていて、その時に新任の先生が挨拶をし、俺の順番になったから挨拶をした。
【それでは、今年度もみなさんよろしくお願いします】
校長の言葉で会議が終わり、始業式開始まで職員室で時間を潰していた。
こういう時知り合いがいるのは助かる。その後始業式が終わり、担任と福担任は各クラスへと向かう。
正直2年生のクラスでホッとしてる。3年は受験生だから入ったばかりの俺だと荷が重い…それに1年はわからないことだらけだし俺もわからないことが多い。だから聞かれても答えられないことあるし2年生のクラスが最初は楽そうだ。
「どうだ小野?緊張してるか?」
「そりゃあしますよ!」
「大丈夫だ、ここの生徒はみんないい奴だから」
さすがに新任で緊張しない人はいないだろ。
緊張するが山田先生に続いて俺も教室に入っていった。
「今年も私が担任になった!私の紹介はいらないな?それじゃあ副担任の先生に挨拶してもらう!」
いきなりすぎだろ!?まぁ挨拶くらいなら大丈夫か?
「え〜副担任になりました小野達也です。大学卒業したばかりの新任教師であまり頼りにならないかもしれませんが、これからよろしくお願いします。この学校のことは少しは聞いてますが色々教えてもらえると助かります」
まぁこんな感じでいいだろ。
「相変わらず面白味もない挨拶だな」
「だから挨拶に面白味求めてどうするんですか!?」
なんかこれ…音ノ木坂に転校した時もこんなこと言わなかったか?
「それじゃあ連絡事項伝えるぞ〜」
そしてこのことには何も触れない。うん、ほんと相変わらずだな〜って思っていたら
「連絡事項は以上だ!」
みんなに伝える連絡事項が終わった。そして予想外の出来事が…
「残りの時間は新任への質問タイムだ!何か聞きたいことあるやついるか〜」
はい?
「ちょっ!?勝手に何を!?」
「いいだろ?お前のこと知ってもらうにはいい機会だ」
そういう気遣いは嬉しいけど勝手に質問タイムを作らないでくれ…というかみんなの前でお前とか言う?
「えっと〜先生は出身地どこですか?」
「東京から来ました」
「なんで敬語だ?」
「なりますよ!?」
生徒の質問に答えてる時に言うか?しかもみんなからも「普段通りでいいよ〜」とか「敬語じゃなくていいよ〜」とか言ってくるし。もういいや、普通に話そう
「じゃあ私から!彼女いますか?」
そこ来る?
「東京にすっごく美人な彼女いるよな?」
「なんで山田先生が答えるんですか!?たしかにそうですけど!」
なんか突っ込むの面倒になってきたぞ…しかも彼女いるとわかると騒ぎ出したし…最近の女子高生ってこんな感じなのか?
その後も色々質問が続いてそろそろホームルームも終わり……そんな時間になって山田先生の指示で最後の質問となった。なったのだが誰も質問しようとしない。
「じゃあみんなないみたいですし、後で聞こうと思ってた私と曜ちゃんからの質問です!顧問の件はどうなりましたか?」
すると高海さんが立ち上がって質問してきた。内容は予想通り部活のことだった。
「そのことについては俺も言うつもりだったけど、その件については大丈夫。だからちゃんと人数集まれば顧問になるよ」
「「ありがとうございます!!」」
「本来なら新任だし副顧問みたくなるところだったけどな、教師陣を納得させられる理由あるから小野なら大丈夫だ!
それじゃあ時間だしホームルーム終了!みんな気を付けて帰るように!」
ホームルームが終わりみんなが教室を出て下校していく。俺も教室出て職員室に行こうとしたその時
「「先生ありがとうございます!!」」
2人がお礼を言いに来た。別に言いに来ることじゃないけどな。
「千歌ちゃん生徒会室行かないと!?」
「そうだった!?それじゃあ先生また明日です!」
2人も教室出て行ったけど…何かやらかしたのか?
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職員室にて
「いや〜まさかあんなに質問来るとはな」
「あの…もしかして最初から質問の時間作ろうとしてたんじゃ…」
「そうだけどそれがどうかしたか?」
こ、この先生は…ならあらかじめ言っておいてくれても…
「あらかじめ言ってたらつまらないだろ?」
「何がですか!?」
「いや〜慌てるところ見たかったんだけどな〜」
な、なんて先生だ。でも、おかげで緊張は解けた気がしたけど…
「2人とも仲良いんですね」
話しかけてきたのは山内奈々子先生、浦女に来て2年目らしい。山田先生も2年目だから同じタイミングで浦女に来たことになる。
「高校生の時の担任が山田先生だったんですよ」
「お知り合いだったんですね。心強いんじゃない?」
「ええまぁ、普段は冗談多いけどいざって時は頼りになりますから」
「そうかそうか〜」
やばっ!?本人の前で言っちまった…
そしてこの後、何故か色々と手伝いを頼まれた。まぁ自分の分の仕事終わってからやったけど…帰り始めるのは16時を過ぎた時になった。明日からはもっと帰り遅くなると思うけどな。
そういやこの学校理事長はいないのか?もうバスに乗っちまったし今度聞いとくか。
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「何してるんだ?ってあの制服…」
バスを降りいつも通り海を見ながら家まで歩いていると、1人の女子が海を見ながら立っていた。
その子は音ノ木坂の制服を着ていた。って脱ぎ出した!?水着着てるみたいだけどまさかな……
(千歌side)
「綺麗な子…えっ!?う、嘘でしょ…」
達也が見ている所より近いところで高海千歌も見ていた。
そして海に向かって走り出したのを止めるために走り出した。
「何してるの!?」
「離して!行かなきゃいけないの!」
「まだ4月だよ!?死んじゃうよ!?」
なんとか止めているが2人はどんどん海の方に近づいていて、あと少しで落ちてしまいそうだ。
(千歌side out)
「ほんと何やってるんだよ…間に合うか」
海に飛び込もうとしている女の子とそれを止めている高海さん、この時期の海はまだ冷たいはず。風邪でも引かれたら大変だ。
あと少し…
「あっ!?……あれ?」
「何やってるんだ?」
「小野先生!?」
落ちそうななってたが、なんとかギリギリで2人の腕を掴み引き上げた。そのため落ちることはなかった。
「さすがにこの時期に海に入るのはやめておけって、とりあえず服着て」
「は、はい…」
なんとか海に入るのを諦めてもらえた。水着のままじゃ風邪引くかもしれないしまずは服を着てもらう。話はそれからだ・・・
電話でですが穂乃果を登場させました。
途中に出てきた山内先生が誰か気になる人はスクフェスで確認してください。