元μ'sマネージャーと女神たちの物語   作:カット

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今回で1期編は最終回となります。


38、0から1へするため!今を全力で輝こう!

地区予選当日

 

 

「待ち合わせってここだよね?」

「そのはずだけど…」

 

今日は地区予選の当日、Aqoursのメンバーは全員集合してるから会場入りできるはずなんだが……待ち合わせって?

 

「誰かを待ってるのか?」

 

「はい、むっちゃんたちを待ってるんですけど…」

 

千歌の言うむっちゃんってのは同じクラスの生徒のことでAqoursの活動も手伝ってくれている。ヒフミたちみたく…

 

「千歌ー!」

 

少し待っていると、むつといつきとよしみがやってきた。どうやら少し道に迷ってしまい遅れたらしい。

 

「他のみんなは?」

 

「「「……」」」

 

「そっか…」

「まぁ仕方ないよね…夏休みなんだし」

 

「私たち…何度も言ったんだよ」

「だけど…」

「でも…どうしても!」

 

さっきから話が見えてこない。他のみんなは何か知って……ん?梨子だけみんなと違って暗い表情してるけど何かあったのか?聞いてみるか。

 

「梨子…どうかしたのか?それとさっきから話が見えてこないから何か知ってるなら教えてもらえるか?」

 

「そういえば先生はまだ知らなかったですね。実は……」

 

梨子の話によるとむつたちも一緒にやるって話みたいだ。そんな話は聞いてないが梨子の表情が曇ってた理由は予想できた。梨子は知ってるんだろうな。事前にエントリーしたメンバーでしかステージに立てないことを……

 

「みんなー!準備はいい?」

 

『いぇーい!』

 

「「「全員で参加するって!」」」

 

どうやらむつたちだけではなく、浦女の生徒がみんな来てるって感じだな。でも……みんなの気持ちは有難いが……ちゃんと言わないとダメだよな。

 

「みんな…」

 

「びっくりした?」

 

「うん!これで全員で歌ったら絶対キラキラする!学校の魅力も伝わるよ!」

 

来てくれたみんなをがっかりさせることになるけどルールはルールだ、ちゃんと言わないとな。俺から言うか。

 

「みんな来てくれたところ悪いんだけど実は……「ごめんなさい!」……」

 

なんだろ…俺が言ってる最中に遮るように言われるの久しぶりな気がする。それは気のせいだったりするか?

 

まぁそれは置いておいて、梨子から言うみたいだな。

 

「梨子ちゃん?」

 

「実は調べてみたら、事前にエントリーしたメンバーでしかステージに立てないみたいなの…」

 

「そんな…」

 

「梨子の言う通りだ。大方、俺が1日見れなかった日に決めたんだろうけどさ、ちゃんと言えよな?そうすればこんなギリギリになって無理なことを言うことにならなかったんだしさ」

 

『は、はい…』

 

「来てくれたみんなも気持ちは有難いけどルールはルールだ。みんなをステージに立たせることはできない。でもみんなの気持ちはAqoursの9人に伝わってるはずだ!客席からになるけど盛り上げてもらえるか?」

 

『『はい!』』

 

「お前たちも、浦女の生徒みんなが来てくれて嬉しく思ったと思う。ステージに立たない俺でさえそう思ったんだからな。ステージに立つのはお前たち9人だけだ。でも気持ちは9人だけじゃない。浦女の生徒みんなも気持ちは9人と一緒だ。そのことを忘れずにステージに立って、お前たちのパフォーマンスと一緒に浦の星女学院の魅力も一緒に伝えてこい!」

 

『はい!』

 

「それじゃあ会場に入るぞ!」

 

外での話が終わりAqoursは控え室に、生徒たちは観客席に向かった。

 

あとは本番まで待つだけだ!

 

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1年生side

 

 

1年生は今控え室で化粧など、ライブに向けての準備をしている。

 

「実はまだ、信じられないんだ」

 

「オラもずら」

 

「ここにいることが…」

 

「夢みたいずら」

 

「何今更言ってるのよ!」

 

ルビィと花丸の会話に入っていったのは、鏡の前で準備をしていた善子だった。

 

「今こそがリアル……ありがとね」

 

「「え?」」

 

いつものノリで話していたと思った善子が当然お礼を言って、ルビィと花丸に抱きついていった。

 

「さぁ!あとはスクールアイドルとなってステージで堕天するだけ!」

 

「うん!」

 

「黄昏の理解者ずら」

 

「行くわよ!堕天使ヨハネとリトルデーモンたち!ラブライブに〜降臨!」

 

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3年生side

 

 

「まさか高校3年生になってからこんなことになるとはね〜」

 

「まったくですわ。誰かさんがしつこいからですわね」

 

「だね!感謝してる。鞠莉!」

 

「感謝するのは私の方だよ。果南とダイヤがいて、2年間ずっと待っててくれたからスクールアイドルになれたんだよ。ありがとう」

 

「あの時置いて来たものを取り戻そう!」

 

「もちろんですわ!」

 

3年生の3人は客席で話している。涙を浮かべながら3人で……ずっとこの時を待っていたかのように。

 

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2年生side

 

 

「不思議だな〜内浦に引っ越して来た時は、こんな未来になるなんて想像していなかった」

 

1年生や3年生が集まっていたように、2年生の3人も集まって話している。

 

「千歌ちゃんがいたからだね」

 

「それだけじゃないよ!ラブライブがあったから、μ'sがいたから、スクールアイドルがいたから、曜ちゃんと梨子ちゃんがいたから!

 

これからも色んなことがあると思う。嬉しいことじゃない、辛くて大変なことも……でも私、それを楽しみたい!全部を楽しんで、みんなと進んでいきたい!それがきっと、輝くってことだと思う!」

 

千歌が想っていることを言うと、

 

「そうね!」

 

と声が聞こえて千歌と曜と梨子の3人が振り向くとそこには、

 

「9人みんなでね!」

 

1年生と3年生がみんな来ていた。

 

「9人だけじゃない、行くよ!」

 

その言葉とともに、千歌はステージに続く扉を開いた。

 

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達也side

 

 

達也は今客席にいる。Aqoursのメンバーに言うことは全て言ってから会場入りをした。そのため、もう何も言うことはないということで保護者たちや浦の星女学院の生徒たちと一緒にいる。

 

「まさかうちの娘がここまでやるようになるとは思いませんでしたよ」

 

「俺が合ったのは今年の4月頃なのでそれまで千歌がどうだったのかは知りません。でも俺が知ってる千歌はやるって決めたらどこまでもやっていくやつだって思ってますよ」

 

達也は今千歌の母親と話している。千歌にそっくりだったため少し驚いたくらいだ。ちなみに梨子も昨夜驚いたらしい。

 

「曜ちゃんも言ってたわ。千歌ちゃんはやりたいことをやってるって。まぁ長続きしてなかったことの方が多いけど…」

 

「それがスクールアイドルを始めてから今まで続いてるんだもんな」

 

ちなみに今ここには千歌の母親だけではなく、姉の志満と美渡もいる。

 

「それだけスクールアイドルを好きになったんですね。やりたいことをやりたいようにやる。それはほとんどの人は学生の時にしかできません。だから俺は千歌に、千歌だけじゃなくてみんなにもですけど、やりたいことを精一杯やって欲しいって思ってますよ。

 

俺が知ってる……っていうか手伝ってたスクールアイドルもやりたいからやってたんですから。俺自身も」

 

「そうですね。あの子にはできるだけ長くやりたいことを続けて欲しいと私も思ってます」

 

達也が高海家の人と話していると

 

「こんにちは」

 

「あら桜内さん」

 

梨子の母親がやってきた。達也は何故か驚いているが……

 

「あれ?」

 

「あら?もしかして東京の和菓子屋の穂むらにいた方では…」

 

「やっぱり気のせいじゃなかったですね。梨子さんの担任をしている小野達也と申します。東京にいた時は穂むらの手伝いもしていたことあったので、ちょうどその時に来てましたね。まぁ手伝いと言ってもレジくらいしかやってませんけどね」

 

達也が驚いている理由は、穂むらの手伝いをしている時に、梨子の母親が買いに来てその時に会ったことがあったからである。

 

「そうでしたか。あの…最近梨子は何か悩んでる様子だったんですが、先生は何か聞いてますか?」

 

「聞いてはいませんでしたが…多分ですけど、Aqoursのメンバーと一緒に浦の星女学院の生徒みんなで歌うという話になってたみたいなんですよ。俺もそれは今日知ったんですけどね、梨子は事前に登録してたメンバーでしかステージに立てないことを知っていたみたいです。でもみんなが嬉しそうにしてるから言い出せなかった……こんなところだと思いますよ」

 

「そうでしたか…」

「それは残念ですね…」

 

「たしかに残念だと思います。千歌もみんながやりたいって言ってくれて嬉しかったんだと思いますよ。ルールはルールですからそこは諦めてもらうしかないですけど……

 

ですが、ステージに立つのは9人だけでも浦の星女学院の生徒はみんな9人のことを支えてくれる。それはものすごい力になりますよ。μ'sだってそうです。ラブライブに優勝できたのは自分たちだけの力じゃない。音ノ木坂のみんなが支えてくれたから、協力してくれたからなんです。

 

だからステージに立つのは9人だけでも気持ちは繋がってますよ!あっ、みんな出てきましたよ」

 

 

達也が高海家の人や梨子の母親と話していると、Aqoursのメンバーの順番になったらしく、ステージ上に出てきた。

 

これからAqoursのステージが始まる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今日は皆さんに知ってもらいたいことがあります!それは!私たちの学校のこと!私たちが住んでいるこの街についてです!

 

Aqoursが生まれたのは海が広がり、太陽が輝く内浦という街です。小さくて人はたくさんいないけど、海にはたくさんの魚がいて、いーっぱいのみかんが取れて!温かな人で溢れる街。その中にある小さな小さな学校、ここにいるのが全校生徒!そこで私たちは、スクールアイドルを始めました」

 

千歌は会場にいる人たちに、自分たちの学校や街のことを伝え始めた。俺は反対することなく、自分たちのやりたいようにやってもらえればいいとみんなに言ってある。

 

「秋葉で見たμ'sのようになりたい!同じように輝きたい!でも…」

 

「「作曲!?」」

 

「そう、作曲ができなければラブライブには、出られませんわ!」

 

「「ハードル高っ!?」」

 

うん…なんかダイヤすげぇノリノリだな。ここは笑顔で言うところじゃない気がする。

 

「そんな時、作曲ができる美少女、梨子ちゃんが転校してきた!」

「奇跡だよ!」

「ごめんなさい!」

「「がーん!」」

 

ここで会場に笑いが起こる……って漫才でもやってるのか?ってここだけだと思うかもな。

 

「東京から来た梨子ちゃんは最初はやる気はなかった。東京で辛いことがあって…」

「「でも!」」

「輝きたい!」

 

「その想いは梨子ちゃんの中にもあった。そして」

 

ここでスポットライトが2年生組から1年生の方へと当たり出した。

 

「オラ…私、運動苦手ずら…だし」

「ルビィ、スクールアイドルは好きだけど人見知りだから…」

「堕天使ヨハネ、ここに降臨!」

 

善子が客席の後ろの方から登場すると何故か拍手が起こった。というかなんでそんなところに?

 

「私の羽を広げられる場所はどこ?」

 

このセリフ?の後にスポットライトは再び千歌に当たり出す。照明係さんご苦労様ですって言いたくなるからい忙しいそうだな。

 

「こうして6人となった私たちAqoursは歌を歌いました。街の人と一緒に…」

 

「そんな時私たちは、東京のイベントに出ることになった」

 

「未来ずら〜」

「人がいっぱい」

「ここが魔都東京」

「ここで歌うんだね!頑張ろう!」

 

東京に着いた時はみんなこんな気持ちだった。でも、その時の結果は千歌たちにとって残酷なものだったんだよな。

 

「でも結果は……最下位。私たちを応援してくれた人はいなかった……」

「0…」

「0…」

「0…」

「0…」

「0…」

「0…」

 

みんなが0と言い終わると千歌は座り込んでしまった。そのままセリフは続いていく。

 

「スクールアイドルは厳しい世界」

「そんな簡単な世界ではなかったのです」

 

ルビィと花丸が言った後曜が千歌に

 

「やめる?千歌ちゃん……やめる?」

 

と言った。この時の千歌は何も答えられなかったんだよな。リーダーだからって自分の気持ちを押し殺してた。でも…

 

「悔しい。悔しいんだよ!私やっぱり悔しいんだよ!0だったんだよ!悔しいじゃん!」

 

ちゃんと自分の気持ちを口に出すことができた。

 

「その時、私たちに目標ができました!」

「0から1へ!」

「0のままで終わりたくない!」

「とにかく前に進もう!」

「目の前の0を、1にしよう!」

「そう、心に決めて!」

「そんな時、新たな仲間が現れました!」

 

ここから3年生も本格的に参加だな。

 

「生徒会長の黒澤ダイヤですわ!」

「スクールアイドルやるんだって?」

「ハローエブリバディ!」

 

………ここはノーコメント

 

「以前スクールアイドルをやっていた3人はもう一度手を取り、私たちは9人になりました!」

 

「こうしてラブライブ予備予選に出た私たちは見事に突破!でも…」

「入学希望者は0…」

「忌まわしき0…」

「もう一度私たちに、突き詰められたのです」

「どうして0なのーーーー!?」

 

予備予選は梨子を欠いた8人で参加。それでも見事に突破したが、入学希望者に関しては0のままだった。

 

「私たちは考えました」

「どうしたら前に進めるか」

「どうしたら0を1にできるのか」

「そして……決めました」

 

俺が東京で用があった日と同じ日に東京に行ってたんだよな。それで音ノ木坂も見てきた。その時に何か思ったんだろうな。

 

「私たちは」

「この街と」

「この学校と」

「この仲間と一緒に」

「私たちだけの道を進もうと」

「起きること全てを受け入れて」

「起きること全てを楽しもうと」

「それが…輝くことだから!」

 

スポットライトが当たっている千歌の側を、曜→梨子→花丸→ルビィ→善子→果南→ダイヤ→鞠莉の順番で一言を言いながら通っていく。そして円になるように待っている。

 

「輝くことっていうのは楽しむこと、あの時0だったものを1にするために!

 

さぁ行くよ!1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

Aqoursのメンバーのコールが終わると会場に来ている浦の星女学院の生徒から

 

『10ーーー!!』

 

という声が響いた。みんなの気持ちもAqoursの9人と同じだ。

 

「今を全力で輝こう!0から1へ!

 

Aqours!」

 

『サーンシャインーー!』

 

Aqoursのと会場にいる浦の星女学院に生徒の気持ちが1つになりAqoursのライブが始まる。

 

[MIRAI TICKET]

 

これが今日Aqoursのライブで披露される曲だ。

 

順調に進んでいき最後のサビに入る前に

 

「みんなー!一緒に、輝こう!」

 

と千歌が会場にいる浦の星女学院の生徒に呼びかけて自分のパートを歌い出しそして…

 

みんながステージ側までやってきた。浦の星女学院の生徒も、教師も、保護者も、さらにはしいたけまで。

 

ライブの結果は今日は出ないがこのライブは大成功だと言ってもいいだろう。

 

今を全力で輝く。その言葉の通り、みんな輝いていた。

 




これで1期編は終わりです。そしてなんとUAが40000突破していました。前作のこのくらいの話数では10000超えたばかりなので驚いています。これも日頃から読んでくださっている読者のおかげです。本当にありがとうございます。

さて次回からはいくつかオリジナル回を書きます。そしてその後に2期の話に入りますが、アニメの2期が最終回まで放送するまでは2期の話は書かないつもりです。それまではオリジナル回ともう一つの連載中の作品である『絶望を感じた少年、新たな道へ』で繋いでいくつもりです。

そして最後に、前回の投稿前から活動報告にリクエストBOXを設置しました。こんな話をやって欲しいというのがありましたら、この作品は①の方にお願いします。②の方はもう一つの作品のリクエストBOXなので。

これからもよろしくお願いいたします。感想や評価などはいつでも待っています。

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