「あつい〜……」
夏休みに入り、Aqoursのメンバーは屋上へと集合している。ダイヤが呼んだみたいだけど…
「ずらぁ……」
「うぅ…天の業火に闇の翼が…」
千歌と花丸と善子がかなり暑そうにしている。つーか善子、その服は暑いだろ…
「その服やめた方がいいんじゃ…」
「ルビィの言う通りだ。まぁ好きな服着たいなら着たいでいいけど倒れるなよ?」
「黒は堕天使の象徴…倒れるなんてヘマはしないわ…」
したら困るから気をつけてみないとな。
「それよりどうしたんですか?全員集めて」
それよりで済ませた…まぁいいや
「ふっふっふ、今日から夏休み!」
「サマーバケーションといえばー!」
「はい、あなた!」
ダイヤと鞠莉のテンションが何かおかしい…果南は止める気配なしか。
ダイヤに指名されたのは千歌。ダイヤたちが何を言いたいのか大体予想できる、予想できるだけに千歌がちゃんと答える気がしない…
「夏といえば……やっぱり海!」
海未がいたら『海未は私ですが』ってボケそうだな。
「夏休みはパパが帰って来るんだ〜」
それはよかったな曜。
「まるはおじいちゃんの家に…」
そうかそうか。おっ、ダイヤが切れそうだ。
「ぶっぶーですわよ!?」
「はぁ…お前らほんとにスクールアイドル部かよ…」
「「「どういうこと?」」」
「先生の言う通りですわ!あなたたち本当にスクールアイドル部ですの!?片腹痛い片腹痛い…いいですか!?夏休みといえば!」
『ごくり…』
「部室に集合ですわ!」
スクールアイドル部が忘れてはいけないことが夏休みにあるだろ。それがわからなかった千歌たちに、案の定ダイヤが切れた。
つーか最初から部室に集まればよかったんじゃないか?
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「いいですか皆さん、夏休みといえば!はいルビィ!」
「そこお前が言うんじゃないのかよ!?」
うんうんって果南や鞠莉が頷いてるよ…まぁいっか。
「えっと…多分ラブライブ」
「さすが我が妹…可愛いでちゅね〜よくできましたね〜」
「頑張ルビィ!」
「何?この姉妹コント…」
「コント言うな!?」
いや無理だろこれは…
「夏といえばラブライブ!そこで私たちAqoursは、ラブライブ予選突破を目指して特訓を行いますわ!」
うん、言ってることはもっともだし反対するつもりはないな。
「メニューはもう考えてるのか?何も相談受けてないけど」
「もちろんですわ!ここに私が独自のルートで手に入れたμ'sの合宿メニューがありますわ!」
そう言ってダイヤはホワイトボードに初めて行った時に海未が考えたメニューを貼り出した。
ってはぁ!?
「おいダイヤ!?これどうやって手に入れた!?」
「それは言えません。独自のルートで手に入れました」
「じゃあ別の聞き方をしよう。黒澤家は東京の園田家と関わりあるのか?」
「っ!?あ、ありませんわ!?何故そのようなことを?」
「いや、これ考えたの海未だから…それ以外に理由ないだろ」
μ'sメンバーなら誰でもそう思うだろ。この超地獄メニューを見たら…
「う、海未ー!?ちょっとあなた!?何故園田海未のことを呼び捨てにしているのですか!?あの伝説のμ'sメンバーの1人を!?」
……ん?何言ってるんだ?
「ダイヤさん何言ってるの?」
「お姉ちゃん…」
「なっ!?千歌さんにルビィ!?2人はμ'sが好きなのでしょう!?何故呼び捨てを許すのです!?」
さっきから何を……あっ、そういやダイヤは俺がμ'sのマネージャーだったってこと気付いてないんだった。未だに……
「ダイヤ何言ってるのデースカ?」
「そうだよダイヤ!先生はμ'sのマネージャーやってたんだよ?呼び捨てにしても問題ないじゃん!」
「は?マネージャー?」
鞠莉には話したことないけど一応理事長だし知ってるのかもな。果南は…穂乃果と果南の家のダイビングショップ行ったことあるし、千歌ダイヤやルビィがμ'sに憧れてること知ってるし、また活動を始める前に調べた可能性あるな。
「お姉ちゃん……まさか気付いてなかったなんてこと……ないよね?」
「お、小野先生がマネージャー…ほ、ほんとなのですか?」
「元な」
「ぴ、ぴ、ピギャァァア!?」
『ダイヤ(さん)!?』
俺がマネージャーやってたことを知って驚いたのか、にこと会った時みたく気絶してしまった。
「さて、メニューはさすがに変更するけどラブライブ予選突破に向けての特訓が必要ってことは俺も賛成だ。ダイヤが起きたらちゃんと話し合うぞ」
『は、はい…』
それから15分ほどして、ダイヤは復活した。
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「あ、あの…みなさんは知っていたのですか?」
『知って(まし)たよ!』
「私だけ…」
「果南や鞠莉には話してないけどさ、俺はよくダイヤが気付かなかったなって思うぞ」
「ダイヤさんは自分でμ'sのマネージャーやってた人の名前言ってたのにね」
千歌と曜がまだ2人だった時か。たしかに言ってたな〜それで曜が最初に気付いたんだったな。
「不覚…」
「お姉ちゃん…自分で言ってて気付いてないなんて…」
「ルビィ!?そんな冷たい目をしないでください…」
あはは……これはまぁドンマイとしか言いようがないな。
「さっ、この話はもう終わりにして特訓のことについて話し合うぞ」
「ま、待ってください!その前に1つだけお願いがありますわ!」
「お願い?」
「お姉ちゃん…まさかこのタイミングで…」
ルビィは察している。いやまぁ俺も何を言ってくるか予想できるんだけどな。自分のカバンから色紙とペンを取り出してるし…つーかなんで持ち歩いてるんだよ。
「サインお願いしますわ!」
「言うと思った。いいぞ………これでいいか?」
「ありがとうございます!またしてもμ'sの人にサインもらえるとは!」
μ'sの人って言い方はどうなんだろ…
「はいはい、それじゃあ本当に話をするぞ…」
「遠泳10キロ…」
「その後ランニング10キロ…」
「こんなの無理だよ…」
「まっ、なんとかやれそうだね」
「えっ、果南マジで言ってる?」
「言ってます」
すげぇな。言わないでおくけどμ'sはこの練習をやらないで遊んでたぞ。まぁ先輩後輩の垣根を取るためでもあったけどな。
「熱いハートがあれば大丈夫です!」
「踏ん張ルビィ!」
「………海未みたいなこと言うなよ」
まさかダイヤが海未みたいなことを言うとはな。何があったんだ…
「なんでこんなやる気なの?」
「ずっと我慢してきた分、今までの想いがシャイニーしたのかも…」
「「……」」
曜が呟いたことに鞠莉が答えると、曜と近くにいた梨子が呆れた様子になった。俺はなんか納得しちまったけど…
「何をごちゃごちゃ言ってますの?早速外に言って練習を始めますわよ!」
練習しないとというのはわかるがこの炎天下ではみんなやる気にならないな。なってくれないと困るが…
「あぁー!」
今度はなんだ…曜がこんな声出すなんて珍しいな。
「そういえば千歌ちゃん!海の家の手伝い頼まれてるんじゃなかったっけ?」
「あ、そうだ!そうだよ!自治会で出している海の家を手伝って欲しいと言われているのです…」
…………
「なぁ2人とも、それ本当か?タイミングといい声の出し方といい、やりたくないから言ってるようにしか聞こえないんだが…」
「あっ、私もだ」
「2人とも、疑って悪かったな」
「「ちょっと!?」」
千歌や曜の様子を見てたら誰だって同じように思うだろ…
「他に何か頼まれてることある人とかはいるか?」
『………』
「いないか。とは言え3人手伝いに出るとなると考えないとな」
「そんな〜特訓はどうするのですの?」
「残念ながらそのスケジュールだと…」
「決してサボりたいからではなく…」
ほんとみたいだけど…2人の反応だと嘘にしか思えなかったんだよな〜
「じゃあ昼間はみんなで海の家を手伝って、涼しいモーニング&イブニングに練習ってことにすればいいんじゃない?」
「そうだな。ナイス案だ。海の家も準備とかあるし遅くても1時間前には切り上げよう」
「しかしそれでは練習時間が…」
「練習時間多ければいいってわけでもないぞダイヤ。短い練習でも集中して、質の良い練習をしていけばレベルアップできる。集中すれば…」
「なるほど」
「じゃあさ、せっかくの夏休みだしみんなで合宿しない?」
『合宿!?』
い、いきなり何を言い出すんだ千歌は…
「ほら、私の家って旅館でしょ?だからせっかくの機会だしいいかな〜って。先生どう思います?」
「まぁそれはいいと思うけど、許可取れるのか?」
「そうだよ千歌ちゃん、たしかに千歌ちゃんの家の前は海だし移動時間少なくて済むけど…」
「急に大丈夫ずら?」
「なんとかなるよ!じゃあ決まり!」
なんとかって…とりあえず顧問として俺も一緒に行くか。
「それでは明日の朝4時、海の家前に集合ですわ!」
『お、おー…』
「いやそれ無理あんだろ!?」
「熱いハートがあれば大丈夫ですわ!」
みんな…帰ろうとしてるけど少しは考えろよ。その時間バスがないってことを…
まぁいいや。ちゃんと来た人は俺の家で休ませることにすれば…
「千歌、今家の人時間取れるか?」
「大丈夫だと思いますけど…どうしてですか?」
「旅館の部屋借りるなら許可取らないとだろ?俺は顧問だし千歌だけに任せるわけにいかないからな」
「なるほど〜ちょっと待ってください。今電話するので」
千歌が電話をしている間に俺も帰る準備を済ませておいた。すると千歌から大丈夫ということを聞いたから一緒に旅館まで行くことになり、美渡さんにお願いしてみた。
すると空いてるから大丈夫ということらしい。ただ9人が限界だから俺は自分の家に帰ることになるな。
「ありがとうございます美渡さん。騒がしくして迷惑かけるようなら追い出して構わないので、それではよろしくお願いします」
「そのつもりですよ。わかったか?千歌」
「う、うん…大丈夫だよ美渡姉〜先生も心配しすぎだよ〜」
「「………」」
まぁとにかく許可は貰うことはできた。
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翌日朝4時
「あ、おはようございますズラ!」
一応海の家の前に来てみたが…
「花丸1人だけか?」
「そうズラ…」
言い出しっぺのダイヤすら来てないって…
「多分待っても誰も来ないと思うぞ。そもそもこの時間バスないし」
「あっ…」
「とりあえずここにいても仕方ないし、俺の家で休んでいいぞ。近くだから」
「いいんですか!?ならお願いするズラ」
生徒を家に入れるのはちょっとまずい気もするが大丈夫だろ。そう信じよう……
Aqoursのメンバーが来始めたのはそれから3時間くらい経ってからだった。
短いと思ったら4000字超えてた!?
もうすぐUA3万超えということに驚いています。たくさんの方々に読んでいただいて嬉しく思います。
感想や評価などはいつでもお待ちしております。