元μ'sマネージャーと女神たちの物語   作:カット

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この作品は途中から最新話を投稿してから2日は空けて投稿していますが、今日は記念すべき2期の放送初回!

そのため今日投稿することにしました!

2期楽しみですね


21、内浦

『以上!頑張ルビィこと黒澤ルビィがお伝えしました!』

 

「どう…でしょうか?」

 

昨日PVを作り出したAqoursのメンバーたち。内容が「内浦の良いところ」だからこっちに来てからそんなに日が経ってない俺は、作ったPVのチェックをすることにした。

 

チェックといっても内浦を知らない人に伝わるかどうかだけどな。

 

まっ、今見せてもらったこの内容だと、スクールアイドルがやるのはどうなのかと疑問に思ってはいるけど……

 

そんなわけで今は理事長室で千歌たちが作ったPVを見てるのだが……

 

「すぅ…すぅ…はっ!?」

 

「ちょっ!?」

 

「まさか鞠莉さん…寝てたってことは…」

 

「ソーリー」

 

マジかよ…さすがにそれは酷い。

 

「もう…本気なのに、ちゃんと見てください!」

 

いやいや、本気でこれかよ。これじゃあスクールアイドル関係ないし街の偉い人がやった方がいいだろ。

 

「本気で?」

 

「はい!」

 

「それでこのテイタラクですか?」

 

「テイタラク?」

 

「流石にそれは酷いんじゃ…」

 

「そうですよ、これを作るのだってどれくらい大変だったと思ってるんですか!?」

 

おいおい、大変だからなんなんだよ…内浦を知らない人に興味持ってもらえなかったら意味ないだろうに…

 

「努力の量と結果は比例しませんわ!」

 

うん、鞠莉さんの言う通り。

 

でも……

 

「鞠莉さん鞠莉さん…」

「どうしマーシタ?」

 

いい加減その喋り方どうにかして欲しいな。言ってる内容わかるけど今はそのことはいいや。

 

「努力の量と結果が比例しないってことは同感だし寝たくなる気持ちもわかるけどさ、流石に本人たちの目の前で作ったPV映像流してるのにそれで寝るのは酷いと思うぞ?」

 

「それは本当にソーリー!そのことは悪かったデース!

 

でも!大切なのはこのタウンやスクールの魅力を理解できているかデース!」

 

「それってつまり……」

「私たちが魅力を理解できていないということですか…?」

「じゃあ理事長は理解してるってこと?」

 

1年3人組が喋り出したな。

 

まっ、簡単に言えば理解してないってことなんだろうな。

 

悪いけど俺はまだ内浦の魅力とかは理解できていない。

 

「少なくともあなたたちよりは…ね」

 

「というか先生!寝たくなる気持ちはわかるってどういうことですか!?」

 

おい千歌、今それ言うことかよ!?というかどういうことって言われてもな〜

 

「文字通りの意味だけど?」

 

「酷い…先生ならわかってくれると思ったのに…」

 

あれで?たしかに良さそうな場所は少しはあるけど…あれで伝えようとするなら全然伝わらないな。

 

俺には特に伝わってない。

 

「どうしますか?あなたたちより理解している魅力聞きたい?」

 

本当に教えるつもりなのか?

 

もしこれで千歌たちが聞きたいって言ったらがっかりするけど……

 

どう答える?

 

「いえ、自分たちで見つけます!みんな行こっ」

 

聞こうとしなくてよかった〜

 

それじゃあ少しだけ俺からも言うか。

 

「お前ら待った!」

 

理事長室を出て行くのを引き止めてここで話すことにした。

 

「ちょっとこの場所借りますね理事長」

 

「ちょっ!?さっきまで【鞠莉さん】って呼んでたのに何故急に!?WHY!?

 

あ、どうぞ」

 

なんでかは俺もわからん。

 

「お前たちはAqoursのPVを作りたいんだよな?」

 

「そうですけど…というか知ってますよね?」

 

Aqoursはあまり関係ない内容だったから確認してるんだけどな……

 

「じゃあAqoursは何をするために集まってるんだ?」

 

「それはスクールアイドルですよ!先生さっきから何を言いたいんですか!?」

 

「「千歌ちゃん言い方…」」

 

「気にすんな曜、梨子。

 

そう、スクールアイドルだな。つまり…俺が言いたいことはわかるか?」

 

「さっきから何が言いたいかわかりません!わかりやすくお願いします!」

 

………

 

「鞠莉さん…これ以上簡単に言えます?」

「ソーリー、私には無理」

 

理事長でも無理か。

 

「じゃあ他!俺が何を言いたいかわかるか?」

 

『う〜ん……』

 

………マジか。

 

「あっ、もしかして」

 

「どうした曜?何かわかったか?」

 

「はい!私たちはスクールアイドル、つまりPVを撮るにしてもスクールアイドル要素がないといけないということですか?」

 

「簡単に言えばそういうことだ。今回のことだとスクールアイドルじゃなくても作れる内容だろ?PV撮るならスクールアイドル要素も入れながらやってみるんだ」

 

『なるほど〜』

 

「よし!じゃあもう一回頑張ってやろう!」

 

『うん!』

 

みんな理事長室から出て行ったけど…こんな狭い部屋でそんなでかい声出すなよな……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それにしても、先生はPV撮影手伝わないのデースか?」

 

「手伝わないっていうかあまり手伝えないって言った方が正しいかな。内浦の良いところを伝えようって言ってたし、そういうことを伝えることに反対はしない。でもそれだと俺は力になれないからさ。こっちに来てからそんなに日が経ってるわけじゃないし…

 

それより普通に話したらどうだ?わざわざ喋り方変えるの疲れないか?」

 

去年からここに勤めてたら協力できたかもしれないんだけどな。

 

それと毎回その喋り方は聞いてても疲れる。

 

「慣れちゃいました!」

「そういう問題か!?」

 

まぁ本人がいいならいいか。

 

「あっ、そうそう。先生は知らないかもしれないけど明日内浦の海開きなのデース!

 

それで内浦の人みんなで海のゴミ拾いすることになってマース!だから朝は早いのデース!」

 

「あ〜そういえば朝山田先生に言われたっけな、放課後そのことで話あるって言われてたんだよ。

 

こっちのこと終わってからでいいって言われてるけどそんなに早いのか?」

 

「聞かされればわかりマース!では!」

 

えぇ〜時間言わずにどっか…つーか体育館の方だけど行っちまうのかよ!?

 

まぁいいや、俺は職員室戻るか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おぉ〜戻ったか」

 

職員室に戻ると案の定山田先生に声かけられた。予想通りすぎて何も驚かないな。

 

「すみません遅くなって」

 

「気にすんな。暇だったからな、それで朝言ってた海開きのことだけど時間は……4時砂浜集合だ」

 

………早っ!?

 

 

(曜side)

 

学校を出てから私たちは千歌ちゃんの家に寄ることにした。これからどうして行くか考えるために…

 

そういえば学校を出る前に体育館でダイヤさんが踊ってる…でいいのかな?まぁいいや、とにかくそんな感じの綺麗な舞を見たけどすっごく綺麗だったな〜

 

鈴の音が聞こえるようだったよ。

 

千歌ちゃんの部屋に梨子ちゃんを除くみんなが入ってたけど梨子ちゃんは…

 

「しいたけちゃん…本当にいないわよね?」

 

「大丈夫だよ!ねっ?千歌ちゃん」

 

私がベッドに向かって言うとベッドが少し動いた。

みんな大きさに気付かないのかな〜どう見ても千歌ちゃんが潜ってる大きさじゃないのに。

 

「それよりPVよ、どうすんの?」

 

「たしかに…全然決まらないずら」

 

「それはそうだけど…」

 

ほんと、PVのことはどうにかしないといけないよね。

 

「あら、いらっしゃい」

 

私たちが千歌ちゃんの部屋で話してたら志満さんが顔を出した。

 

少し話した後「明日早いんだからあまり遅くならないようにね?」って言ったから梨子ちゃん以外はみんな返事した。

 

「明日何かあるの?」

 

そういえば梨子ちゃんは知らなかったね。

 

「海開きだよ〜」

 

「えっ!?じゃあ……ここにいるのは」

 

千歌ちゃんが部屋に入ってきて梨子ちゃんが…というか私以外みんな驚いてた。

 

梨子ちゃんは驚くだけじゃなく怯えてるけどね。だって千歌ちゃんがいると思っていた場所には……

 

 

ワン!

 

 

しいたけがいたんだから……

 

「いやぁぁぁぁぁあ!?」

 

 

バタン!

 

 

『梨子ちゃん!?』

 

気を失っちゃった…

 

梨子ちゃんが気を失っちゃったから今日は解散ってことになった。まぁ明日朝早いからっていうのもあるけど…

 

「梨子ちゃんは帰りながら家に運ぶよ。じゃーね千歌ちゃん!」

 

「うん、みんなバイバーイ!また明日!」

 

ふぅ…梨子ちゃんの家の人になんて説明しよう。

 

犬が近くに来て気絶しちゃった……でいいかな

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふわぁ〜やっぱこの時間に起きると眠いな、行くか」

 

今日は内浦の海開きの日、朝早くからゴミ拾いをするため早く起きる必要があった。

 

穂乃果の声を朝から聞けると思ったけど…さすがにまだ寝てるよな。

 

「あっ、おはようございます先生」

 

「おはよう梨子、この時間だとやっぱ眠いよな?」

 

「そうですね、この時間に起きることはあまりなかったですから…」

 

スクールアイドルでμ'sを手伝ってた時もこの時間に起きたことはない。

 

最初の合宿の時ももう少し寝てたしな。

 

「おはようございます!」

「おはヨーソロー!」

 

砂浜に行ったら千歌と曜と真っ先に会えた。曜のその挨拶は相変わらずだな。

 

「おはよう…」

「おはよう2人とも」

 

ちゃんと寝坊せずに来れたんだな。今回は心配してなかったけどさ。

 

それにしても…内浦って結構人いるんだな。

 

「それじゃあこっちの端から海の方に向かってゴミとか拾って行って!」

 

「わかったわ……ん?先生?」

 

「なぁ、これってみんな内浦の人なのか?」

 

「そうですよ?」

「毎年こうやって内浦の住民みんなでやってます!」

 

「結構人多いのね」

 

「普段は人多いように思えないけど、こうやって集まると凄いでしょ?」

 

梨子もやっぱり同じ感想なんだな。つーか毎年のことなのか…

 

こういうところって結構いいことだと思うけど自分たちで気付かせるか。

 

案外普段から住んでる人よりも他県から来た人の方が気付けるかもな。

 

「これなんじゃないかな?内浦の良いところって」

 

早速梨子が気付いたか。気付くなら梨子かなとは思ったけど早いな。

 

「俺もそう思うぞ。これって毎年当たり前のようにやってることなんだろ?」

 

「「はい」」

 

「そういうのって簡単に思えて難しかったりもする。それでも内浦の人たちはちゃんとやってる。これってかなり良いことなんじゃないか?」

 

これなら内浦のことを全然知らない人でも興味を持ってもらえる。

 

実際に俺もそうだ。こういうことを毎年欠かさずやっている…凄いことだ。

 

「そうだ!」

 

千歌は何かに思いついたのか、少し高い所へと上がり、今ここに来ている人に呼びかけるように話し出した。

 

「あの!みなさん!私たちは浦の星女学院スクールアイドルのAqoursです!

 

私たちは学校を残すため、ここに生徒をたくさん集めるために、皆さんに協力してもらいたいことがあります!

 

みんなの気持ちを!形にするために!

 

 

それから数日後

 

AqoursのPVを撮るためにAqoursのメンバーは屋上へ集まり、内浦の人たちはとある場所でスタンバイしている。

 

今回は失敗はできない。でもみんななら大丈夫だろう。

 

時間になるとPVを撮るための曲

 

【夢で夜空を照らしたい】

 

この曲を歌いだす。

 

Aqoursファーストライブの曲【ダイスキだったらダイジョウブ!】とは違い今回はゆったりとした曲。

 

順調に進みサビを歌いだすとAqoursの後ろにランタンが飛び出していた。

 

このランタンはもちろんAqoursのメンバーも作った。

 

でも、学校の生徒や教師、それに内浦の人みんなで作った。

 

曲が完成し練習してる時に時間も測り、そこからランタンを飛ばす時間も決めていたから失敗するわけにはいかなかった。

 

それを見事千歌たちはやり遂げたのだ。

 

曲が終わりカメラの録画を終わりにしてみんなにOKサインを出した。するとみんな喜んでいた。

 

「それじゃあ俺は協力してくれた人たちにお礼言いに行ってくるから」

 

「あっ、私も行きますよ!リーダーですし」

 

「そう言うと思ったけど少し休んでろ。それに、後ろ見てみな?内浦の人たちみんなが協力して飛ばしてくれたランタンがまだ飛んでいってる。

 

少しはそれを見てるといいさ。みんなは見れなかったんだしさ。編集すれば見れるけど…今も見ておけよ」

 

失敗は絶対許されない中みんなはよくやってくれた。

 

だから今は休んでもらうことにして俺が行くことにした。まぁ顧問としてっていう理由もあるけどな…

 

それでも直接言いに行きたいって思えた。内浦の人たちは、こんなに素晴らしい人たちなんだから。

 

 




これで6話の話も終わりです。

次回ですが投稿するまでに多分2日以上空きます。理由としては今もう1つよ投稿している作品『絶望を感じた少年に光を』という作品があるのですが次の投稿はオリジナル回となっております。そのため、先にそちらをやってしまおうと思います。

そのため、いつもより投稿間隔は空いてしますが楽しみにしていてくださると嬉しいです。

今回はこれで終わりです。お気に入り、感想、評価などはいつでもお待ちしております

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